表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

2

「やべぇ、どうしよう」

思わず声に出しながら頭を抱える。

目の前にいる温和型機械獣・トリケル。

温和型、攻撃しなければ何もしてこなく基本的に戦闘を避ける機械獣。

だが、だからと言って決して弱いわけではない。

特に群れのボスともなれば脅威的な強さを誇る。

高出力・高性能ジェネレーターを内蔵し、頭部から生える3つの角全てが高出力レーザーブレード。

高重量・移動砲台型シュバ・アーマー並みの重装甲を持ち、外部ブースターに物を言わせ驚異的な速度で

超重量級が突撃してくるのだからその威力は下手をすればグレネードを上回る。

「出会い頭に死に戻りしたなぁ」

若干現実逃避をしながら嫌な汗がじんわりと出て来る。

今がゲームなら笑いごとになるが、現実である以上下手な行動をすれば【死】。

シュバ・アーマーが起動してない為トリケルも地面をもしゃもしゃ食べながら、こちらを横目で見ているが、下手に起動し敵対行動と見なされれば機体の性能によっては【死】。

起動してないため戦闘型機械獣がこの場に乱入して来れば、シュバ・アーマーが起動すらしていないため【死】。

「何か、何か行動ログみたいなのは無いのか。どうしてこういう状況になっているのかわかる物は」

若干パニック状態になりながら、目の前にあるコンソールを叩いていく。

「って、ええっ120年前撃墜!」

行動ログには120年前に撃墜され操縦士は脱出、そのまま現在まで放置と出ていた。

たまたま映ったであろう現在の機体の状況が表示されている。

両脚全損・左腕全損・右腕耐久限界寸前・頭部耐久限界寸前・ボディ耐久限界寸前・バックパック無し・両腕兵装無し・各関節稼働限界寸前・予備武装無し・レーダー使用不能・通信機器起動不能・ジェネレーター80%損傷・現在予備バッテリーにより約1時間稼働可能状態。

かろうじて動くのは右腕のみ。

もはや鉄くず。

どんなに良く言ったって鉄くず。

予備バッテリーが生きていたことが完全に奇跡。

仮にあったとしても120年前の武器等骨董品同然で、例え戦闘型どころか温和型でさえ消化の悪さからわざわざ食べる必要性がない。

例え動かしたとしても、逆にトリケルに脅威と見なされる方が難しい。

逆に?色々な意味で?身の安全が保障?されたため、ほっとし冷静になっていく。

「って、今俺どうやってログを呼び出した?」

俺が寝る前まで?やっていたゲーム【BSB】は手にリモコンを持ってやるゲーム。

よくある小説のようにVRMMOとか俺の時代では夢のまた夢。

つまり、一度も見た事も触ったこともないコンソールの操作方法なんて当然知っている訳が無く、何故かPCをいじるのと同等感覚で行動ログを呼び出したことになる。

シュバ・アーマーを何故か解る方法で起動させ『ブウウウウウン』と言う音と共に動き出す。

トリケルが『ビクッ』とこっちを見るが、むしろ「えっ動くのこれ!?」と言う感じでまじまじとこっちを見た後ちらちらとこっちを見ながら再び食事に戻る。

今まで、触ったことも見たこともないコントロール・レバーを握り、唯一残った右腕を動かす。

自然に、まるで自分の腕のように自在に右腕が動くのを確認する。

コントロールレバーを離し自身の腕を組もうとしながらふと、状態モニターを見るとシュバ・アーマーが腕を組もうとしているのが分かる。

「えっ?」

そう言いながら状況モニターに手を伸ばすと、シュバ・アーマーも手を伸ばす。

シュバ・アーマーの手を元の位置に戻し、バッテリー節約の為に電源を落とす。

「コントロール・レバーが必要なく思考で動くタイプ?」

稼働しろと思いながらコンソールを見ると、現在動く全てのモニター・機器が動き出し、腕を組んだ状態で腕を動かす事を考えるとシュバ・アーマーの腕が動き、モニターの前で指が柔軟に動いているのを確認するがどこかぎこちなく、コントロール・レバーを握っていた方がより滑らかに動くことを確認した後、電源OFFっと思うとその状態のまますべてが停止する。

絶対・完全に通常ではありえないと思いつつ、更なる異常に気が付く。

シュバ・アーマーはゲームであり現実ではない。

単純に素人が携帯のバッテリー耐久年数を知らないのは同じであり、シュバ・アーマーの予備バッテリー耐久年数何て物も俺は当然知らない。

現実の理論など当然通用するはずが無く、このゲームは古代兵器なんてものも登場する。

つまり、120年前の武器が骨董品なのかどうかは俺は知らないはずなのだが、どうやら俺自身が知らないはずの常識を俺が知っている事になる。

それらもひっくるめて転移特典なのだろうと辺りを付けつつ、思わずため息を吐く。

飲料水を虚空から出した後のどを潤し、頭を抱える。

「どっち道ここから動けないんじゃ意味ないじゃん!」

ここで暮らすならともかく、現状のまま暮らす訳にはいかないし、動かすにしても1時間持たないし、生身で行動したら戦闘型に出くわしたら一巻の終わりだし。

「何か、何か使えないか」

コックピット内を全て捜索するが風化した非常食やら完全に機能しなくなっている緊急用発信機程度しかなく、自身の能力で様々な物を出してみるがこの窮地をだ出出来そうなものは出てこない。

「何で俺は【ガレージ】を能力にいれなかったんだ」

そうつぶやいた瞬間に俺は、どこか見た事のある場所へ立っていた。



温和の反対が粗暴だったんですけど、粗暴型だとなんか嫌だったんで戦闘型としました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ