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ゾット帝国外伝 丘の民の伝説編  作者: 剣竜
第3章 攫われの少女を追って…
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第五十九話 立ちはだかるツッツ 炸裂するかファントム光龍壊!?

いろいろ忙しくて更新が遅れてしまいました。

ごめんなさい。

…謝りました(達成感)

 四聖獣士の玄武を倒したメノウとカツミ。

ついに法輝火麗諸島にあるという嶺塔活島へとやってきた。

乗ってきた船を埠頭の波止場に停め、上陸する。


「人の気配はしねーな」


「そうじゃのぅ」


 この島は大羽の開発した兵器の実験場でもある。

そのため、人材は最低限の研究者等しかおかれていない。

警備などは試作型のハンターや小型ドローンなどが行っている。

だが、その気配すら今は感じない。


「だが、気を付けるに越したことは無いぞ。カツミ」


「ああ、わかってるよ」


 そう言って周囲を警戒しながら波止場を歩いていく二人。

埠頭には古びた倉庫が立ち並んでいた。

シャッターは潮風で錆びつき、一目で管理がされていないとわかった。

中には錆のせいで崩れ、倉庫の中が見えるほどに老朽化しているものもある。

そのシャッターのうちの一つを軽く剥がし、その破片を見つめるメノウ。


「ボロいたてものじゃ。相当なガラクタじゃぞこれ」


 そう言って彼女は、破片を軽く握りしめた。

特に力を込めたわけでは無かったのだが、それだけで粉々に砕け散ってしまった。


「クソアホ破片じゃ」


「どうやら今は使ってねぇみたいだな」


「まぁ、そうじゃのぉ」


 恐らくこの辺りは大戦時に軍が使っていた場所なのだろう。

ビャオウの話によると嶺塔活島は元々、過去の大戦時には軍の海洋基地だった小さな島だという。

それを大羽が改造し、巨大な人工島へとつくりかえた。

この古びた倉庫の並ぶ埠頭は、かつての小さな島だったころの名残なのだろう。


「ところでカツミ」


「なんだ?」


「あの小高いところに見えるおおきなたてもの、あやしい…あやしくない?」


「ああ、あたしもさっきから気にはなっていた」


 並ぶ倉庫の間から見える、小高い場所に建てられた大きなビル。

ここから距離は離れているが、それでもよく見える。

何か特別な施設に違いない。


「とりあえず、あのたてものに…」


 メノウがそこまで言いかけたその時、彼女の背後に奇妙な気配を感じた。

カツミもそれを察したようで、二人同時にその気配の『主』から一瞬で距離を取る。

そしてその気配の持ち主に視線を合わせる。


「少し気付くのが遅かったですね、メノウさん」


 そう言って現れたのは、敵の術中に堕ちたツッツだった。

強化改造の賜物か、肉体的な外見はそのまま。

しかし、以前とは比べ物にならぬほどに身体能力が上昇しているのがわかる。

身に纏う衣類も以前とはまるで違う、戦闘用のものになっていた。


「ツッツ…」


「ん?どうしましたか?」


「ワシらのところに戻る気はないのか…?」


 俯いたままツッツに話しかけるメノウ。

少し震え声のようにも聞こえた。


「ええ、当然ですよ」


「そうか、じゃあ…」


 その声と共にメノウは、手に握っていた物を思い切りツッツに向けて投げつけた。

それは先ほど『クソアホ破片』といって握りつぶした錆びたシャッターの粉末だった。

粉末とは言え、元は金属の破片。

目晦ましとしては十分に利用できた。


「うわ!目が!?」


「今じゃ!無色理論(クリア・セオリー)!」


 無色理論(クリア・セオリー)は被術者の『決め事』を無にすることが出来る。

以前は口を割ることに利用していたが、これにはさらに別の使い方もある。

 強力な洗脳、先入観を消し去るということも可能なのだ。

今のツッツはメノウの知らぬ何者かに操られた状態。

ならばその繋がりを無色理論(クリア・セオリー)で断てば、ツッツを元に戻すことが出来る。


「よ、避けなきゃ…」


 何とか避けようと体を動かすツッツ。

だがその動きをカツミが止めた。


「動くと当たらないだろぉ!」


 ツッツの身体を後ろから抑え込み動きを封じるカツミ。

それと共にメノウが無色理論(クリア・セオリー)をツッツに対し発動した。


「デノイナテレワイ・トナスツウ・ハーキョ!」


 一瞬の内に詠唱を済ませ、右手からツッツに高速で魔法を放つ。

だが…


「な、効果が…弱い…ッ」


 顔を顰めながら右腕を抑えるメノウ。

通常ならば無色理論(クリア・セオリー)を受けた者には直ちにその効果があらわれる。

しかし、今回だけは違った。

特に効果も見られず、ツッツには特に変化も現れない。

呆気にとられるメノウ。


「いつまでも抑えないでください!」


 そう言うとツッツはカツミをメノウの下に投げ飛ばした。

何とか受け身をと、距離を取る二人。


「なぜメノウの無色理論(クリア・セオリー)が効かなかった…?」


「まさか魔法耐性か!?」


 この状況でメノウが手を抜いたり、詠唱を間違えるとは思えない。

ならば考えられるのは『魔法耐性』だ。

一部の例外を除き、ほぼ全ての魔法を無力化するこの能力。

メノウも同様の能力を持っているため、すぐにそれを思いつくことが出来た。

もしこの魔法耐性をツッツが得ているのだとすればかなり厄介なことになる。


「もっと本気で戦ったほうがいいですよ?」


 そう言ってメノウに手刀で攻撃を仕掛けるツッツ。

間一髪で避けるメノウだが、この攻撃の威力の高さは以前の戦い理解している。

魔法で反撃をしようにも、魔法耐性を持っているのならばそれすらできない。


「メノウ!頭下げろ!」


 その叫びと共に、カツミが足から斬撃波を放つ。

牽制の一撃であるた威力は低いが、それでもツッツの注意を引き付けるには十分だった。

カツミの言うとおりに頭を下げ、衝撃波をうまくかわすメノウ。

ツッツも回避するが、身に纏っていた服の一部が斬撃で切断されその素肌の一部が露わになった。


「悪いけどあなたの相手をしている暇は無いんですよ!」


 カツミに渾身の蹴りをいれるツッツ。

咄嗟の一撃に避けきれず、その場でなんとか防御するしかなかった。

しかしその衝撃により、倉庫の壁に勢いよく叩きつけられてしまった。。

老朽化した壁を突き抜け、瓦礫に埋まるカツミ。


「う、う~ん…」


「カツミ!」


「よそ見してる暇があるとでも?」


「ぬおッ!?」


 ツッツの手刀がメノウの肌を掠った。

一瞬でも気を抜いたら瞬殺される、そう踏んだメノウはある行動に出た。

距離を取り、ツッツと間合いを取る。

乱れた呼吸を整え、体に魔力を溜める。


幻影(ファントム)制光移!少し速くなるぞ!」


 以前、青龍型ハンターとの戦いで見せた技『幻影(ファントム)制光移』をここで発動するメノウ。

時間経過と共に自身のスピードを上げていく高速移動術だ。

ツッツの素早い動きと互角に渡り合うにはこの技しかない。

メノウはそう考えたのだ。


「へぇ、けっこう速いですね」


 それを見ても、余裕綽々といった感じで言い放つツッツ。

だがしかし、メノウの策はこれだけでは無い。


「まだまだ、これでどうじゃ!」


 その声とともに、メノウは魔力を込めた拳で地面を殴りつけた。

地面にヒビが入り、少しずつではあるがそれは徐々に大きくなっていく。

何か考えがある、そう感じとったツッツは一旦距離を取り後ろに下がる。

今のままではメノウの攻撃射程に再び入ってしまう。

狙いが分からぬうちは防御と回避に徹する。

それが今のツッツの戦い方だった。


「一体、地面を攻撃して何を考えているんですか。この行動に一体何の意味が…」


 ツッツがここまで言いかけたその時、地面のひび割れがさらに広がりを見せた。

その隙間から、海水が染み出してきた。

この辺りは通常の地盤よりも柔い埋め立て地、しかも海にかなり近いエリア。

老朽化の進んだ周囲一帯の埋め立て地は、ほんの少しの刺激で地面から海水が出るのだ。


「バトルエリアに水をほんの少しでもひきこめればこっちのものじゃ!」


「バトルエリア全体に水…?」


 今のメノウの行動により、ツッツ達の戦っているエリアの地面は海水で濡れた状態となった。

メノウの狙いが全く読めず、困惑するツッツ。

脳内で次に来る攻撃を数パターン予測し、反撃手段を模索する。

海水を伝わせ、電撃系の攻撃を放つのだろうか。


「(これは無いかな)」


 自身の考えを即否定するツッツ。

それにしては海水の量が中途半端すぎる。

そもそも、ツッツ自身は海水を浴びていない。

電撃攻撃の線は無いだろう。


「(なら、来るのは水の攻撃…?)」


 そう考えるツッツだが、水ならばそもそもすぐ横の『海』に大量に存在する。

水魔法でもない。

メノウの不思議な行動の前に考えをめぐらせすぎたのか、頭を抱え込むツッツ。


「ダメ…読めない…わからない…」


「答えはこれじゃ!」


その声と共に、メノウの幻影ファントムがその場に複数体現れる。

本物と合わせるとその数八体。

この技も、以前の青龍型ハンターとの戦いで見せた技だ。

かつてはツッツを救うために使用した技が、今度はその本人と戦うための技となる。

奇妙なことだ。


「『幻影(ファントム)濃韋八天(こいはってん)!」


 幻影を呼び出し、その高速の動きでツッツを翻弄する。

その動きは味方であるカツミにも読み切れぬほど。


「は、速い!」


 瓦礫から抜け出したカツミが叫ぶ。

以前の青龍型ハンターとの戦いを、カツミは見ていなかった。

そのため、彼女にとってこの技は初見となる。


「カツミ!無事じゃったか」


「当たり前…だ!」


「ならば…」


 メノウがカツミに『あること』を目線で伝える。

瞬時にそれを理解した彼女は二人から距離を取った。


「『幻影(ファントム)光龍壊(こうりゅうかい)!」


 八つのメノウの幻影の内の一つがツッツに対し大技を放った。

幻影(ファントム)濃韋八天(こいはってん)は攻撃の瞬間に実体を生み出す技。

しかし、この攻撃を攻撃を受ければツッツは…


「(ツッツ、もしワシが考えていることが事実ならば、

この幻影(ファントム)光龍壊(こうりゅうかい)は…)」



ポケモンGOで大阪にダグトリオ捕まえに行きたい

ドリュウズか貝塚ジバニャンでもいいけど

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