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ゾット帝国外伝 丘の民の伝説編  作者: 剣竜
最終章 syamu_game
189/191

第百八十五話 王都解放!進め勝利への道

投稿日8/11

オフ会0人記念



王都ガラン。

シャム軍に制圧されたその地。

しかし東西南のアルガスタ連合軍が立ち上がった。

彼らにより徹底抗戦が行われていた。

そしてカツミ、ミーナ、レオナ、ツッツの四人の遊撃隊。

彼女たちと北アルガスタ四天王の戦いも…



--------------------


王城前の広場に待ち構えていたロゼと謎の騎士。

その二人に追い詰められるカツミとミーナ。

強大な魔力の前に繰り出されるロゼの攻撃。

そして正確かつ確実に攻撃をする謎の騎士。

二人のコンビネーションは完璧だったのだ。


「『幻希霊夢触(げんきだまむしょく)!』」


「ぎゃあああああ!」


「くッ…」


ロゼの『幻希霊夢触』。

追撃の、謎の騎士の連撃。

その攻撃を何とか受け流す二人。

しかしそれでもダメージが大きい。


「はぅ…はぁ…」


「無駄だ、さっさとこの世から退室しな」


ロゼのその言葉に反論する気力も無い。

しかしここで負ける訳には行かない。


「うるせぇ!開陽虎狼殺!」


「…ッ!」


カツミの放った必殺奥義『開陽虎狼殺』。

それが謎の騎士の不意をついた。

謎の騎士の鎧を含めたからだを全て貫通。

それにより体内が完全に破壊された。

彼女が纏った斬撃により謎の騎士は完全に破壊された。


「悪く思うなよ」


そう言うカツミ。

この技は死体も残らぬほどの凄惨かつ残虐な技。

やらなければこちらがやられていた。

しかしそれを見たロゼが呟く。


「やつを甘く見るなよ」



謎の騎士は静かにその場に崩れ落ちた。

…はずだった


「グゴゴゴゴ…」


「ゲェーッ!復活してる!」


「そいつは『俺の』魔力で作られた虚無の騎士!ダメージは通らない!」


「マジか…!?」


「つまりこいつは無敵、実質的にな」


ロゼがそう言いかけたその時だった。

騎士の動きが突如止まった。

いや、それだけでは無い。

ロゼの動きもだ。


「か、身体が…!」


「『鋼鉄網封印(ふーいんネット)』!」


「これは…ワイヤー!?」


「私の武器はは内部にディオンハルコス合金製のワイヤーを通した特性の三節混!そのワイヤーを張り巡らせておいたのさ!」


ミーナの武器である三節混。

その中にはディオンハルコス合金製の極細のワイヤーが仕込まれている。

ミーナはそれを周囲に張り巡らせていたのだ。

動きを封じられるロゼたち。


「こんなもの…!」


ミーナの放ったディオンハルコス合金製の極細のワイヤー。

そのディオンハルコス合金製の極細のワイヤーが二人の体を締め付ける。

グルグルにまきついたディオンハルコス合金製の極細のワイヤー。

ディオンハルコス合金製の極細のワイヤーを外そうともがくロゼと虚無騎士。

しかしディオンハルコス合金製の極細のワイヤーは動けば動くほど身体に食い込んでいく。

ディオンハルコス合金製の極細のワイヤーは簡単に切れるものでは無い。

ディオンハルコス合金製の極細のワイヤーを切ろうと手を動かすロゼ。

虚無騎士も剣を動かしディオンハルコス合金製の極細のワイヤーを切ろうとしている。

しかしディオンハルコス合金製の極細のワイヤーは切れない。

ディオンハルコス合金製の極細のワイヤーはとても丈夫だからだ。

二人がディオンハルコス合金製の極細のワイヤーを切ろうとしている。


「頭おかしなってるで」


「カッちゃん!」


「おう、任された!」


そんな二人に向け最後の技を放つ。

この二人を同時に倒せる、そんな技を…


「開陽究極奥義…ッ!」


「こんな…ッッッ!?」


虚無勲斬燃胤きょむくんざんねんだねッッッ!!」


「うわあああああぁぁぁぁぁッッッ!」


「ッッッ…!」


カツミの最大の奥義を受け倒れるロゼ。

それと共に虚無騎士も消滅した。

彼はロゼの魔力から生まれた存在。

すなわちロゼが倒れれば自然に消滅するのだ。


「やった…」


「勝ったね…」


「ああ。やってやった。急ごうぜミィ」


「うん、カッちゃん」


そう言って二人はその場を後にした。

王都奪還を目指して。



--------------------


それとほぼ同時刻。

西の再開発地区の建設現場にて。

レオナと強化アズラゴリラの戦いが続いていた。

スタミナでは圧倒的にレオナが不利。

いや、それだけでは無い。

パワーも、スピードも。

勝っているのは、純粋な技、そして知能のみ。


『アァァァッッッ!』


「うッ」


奇声を上げながら拳を叩きつけるアズラゴリラ。

それを何とか避けるレオナ。

攻撃を避け続けてはいるが、これではらちが明かない。

一撃でもその身に攻撃を受ければレオナの敗けはほぼ確実。

回避を続けてもいずれスタミナ切れになり、レオナは負けるだろう。


「ここは一か八か…」


レオナは賭けに出た。

アズラゴリラの攻撃、それを逆に利用してやる、と。

奴の攻撃そのものは単純。

ある程度は流れを読むことができる。


『アアアアアアァァァァッッッ!』


「来る…!」


レオナはその攻撃を避けた。

アズラゴリラの攻撃は、レオナの後ろに置かれていた建設機材に直撃した。

機材がバラバラになり崩れ落ち、アズラゴリラに直撃した。


『ズッ…キキキキキキィィィィィィッッッ!』


ダメージ自体は大きくは無い。

しかしその一連の流れを受け怒り狂うアズラゴリラ。

デタラメに拳を振りかざす。

何度も何度も、何度も。

そして…


「そこッ!」


アズラゴリラの拳の一つ、レオナはそれに目を付けた。

相手の力を利用し、勢いよく飛び上がるレオナ。

アズラゴリラの頭部に全力の一撃を叩きつけた。

建築現場から拾った大型ハンマー。

魔力を込めた大型ハンマーがアズラゴリラの頭部を叩き潰した。


『アッ…ズ…ズズッッッ!』


大きくめり込むハンマー。

しかしそれ自体は直接的なダメージにはなりえない。

レオナの真の狙いは…


「これよ!」


ハンマーに括りつけられた工事に使用される岩盤破壊用ダイナマイト。

レオナの真の狙い、それはハンマーをアズラゴリラの巨大な頭部にめり込ませること。

そしてダイナマイトを爆破させることだった。

素早く距離をとるレオナ。


そしてそれと共にダイナマイトが爆発。

轟音と共に空をも裂く大爆発が起こった。

工事現場に会ったダイナマイトを全て括り付けたのだ。

アズラゴリラは跡形も無く消し飛んだ。


「…急がないと!」


レオナとアズラゴリラの戦い。

その勝者はレオナだった。

王城に囚われた者達を救うため、レオナは足を進めた。



--------------------


東の住宅街。

ツッツとアヘオ・ホスシの戦い。

一対一の決闘だ。

拳法木に身を包み、徒手空拳で戦うホスシ。

一方のツッツは小刀を使った撃剣で対抗していた。


「女性だからと言って、手加減はしませんよ」


武術家アヘオ・ホスシ。

彼は『グラウ・メートヒェン』として戦っていた時代のツッツを研究していた

ある程度の動きは読むことができる。


「うるさいですね…」


「むッ…」


ダッシュで一気に距離を詰めるホスシ。

そして振りかざされたツッツの撃剣の刃をいきなり手で掴む。

そのまま手元にひきこんだ。

とはいえ、そんな安直な策で撃剣を奪われるツッツでは無い。

多少よろけはしたが、その手から撃剣は離さなかった。

しかし狙いは撃剣を奪うことなどでは無かった。


「そこッ!」


ツッツがよろけた瞬間を狙い、一気に距離を詰める。

掴んでいた撃剣を勢いよく手放し彼の身体を突き飛ばす。

まさかの行動に、ほんの一瞬バランスを崩してしまったツッツ。

その僅かな瞬間を狙ったのだ。


「させない!」


しかし反撃とばかりに、彼女はホスシの脇腹に蹴りを叩きつけた。

撃剣で今は手を使えない。

ならば脚だ、ツッツはそう考えた。

防具を入れてあるとはいえ、それも軽く刻まれてしまった。

ホスシのわき腹から血が滲む。


「グッ!」


ホスシの腹から激痛が昇ってくる。

しかしそんなものでとまるわけにはいかない。

ツッツに対し渾身の攻撃を叩きこむ。

それも一撃では無い。

複数の連撃だ。


「はァッ!」


ホスシ自身も多少ダメージを受けてしまっているが、それを気にしている暇は無い。

一転攻勢、猛攻を仕掛ける。

拳を握りしめ、思い切り殴り掛かる。

ホスシの一撃一撃はとにかく重く速い。

反撃の隙を与えずツッツを攻撃し続ける。

腹に、腕に、肩に…


「ツっ…」


上手く彼の腕を掴むことができた。

そしてそのままホスシの利き腕である右手をへし折った。

さらに足に重い蹴りを放つ。

彼の右足の骨にひびが入るほどだ。


「さすがはグラウ・メートヒェン。中々の腕…」


「違う、私は…」


「…」


「いや、今の僕は『グラウ・メートヒェン』じゃないよ」


グラウ・メートヒェンの名は偽名。

討伐祭で魔王教団と戦う際に使っていた偽名だ。

ファントムの魂と共に行動していた時の物。

しかし今は違う。

もうファントムの魂はいない。

彼はもう逝ってしまった。

今この場にいるのは…


「僕はツッツ!ツッツツ・ツッツだ!」


ツッツツ・ツッツ、なんて変な名前なんだ。

彼女自身、そう思っていた。

誰が名づけたのかもわからぬ名前。

その変な響きにコンプレックスを抱いたこともあった。

しかし今、はっきりと言える。


「この名に懸けて、絶対に負けない!」


撃剣の小刀を捨て、一気に距離を縮めるツッツ。

そして一気に攻撃を叩きこむ。

ホスシは反応できなかった。

何故か?それは…


「攻撃パターンが…変わった!?」


三年前のあの日。

病院を退院した後、ヤマカワから教わった武術。

開陽拳の基礎技。

それを組み合わせた連撃だった。

これまでにツッツが実戦では使用したことの無い技だったのだ。


「関節を極め、動きを封じる!」


抵抗できぬように関節を破壊。

しかし、もちろん全てを破壊できるわけが無い。


「一瞬の隙を突き…」


決死の思いで相手が抵抗してきた時。

それが攻撃に転じる瞬間となる。


「勝利を掴む!」


「ぐああああああッ!」


相手の動揺を誘い反撃。

勝利を掴む。

これだけだ。

戦いの基本中の基本。

しかし、ホスシにこれは読めなかった。

彼は『グラウ・メートヒェン』として戦っていた時代のツッツを研究していた。

グラウ時代の派手な技にのみ目が行き、基本的な技に対する手段が咄嗟に出てこなかったのだ。


「…ふふ、つ、強いな」


「ありがとう」


そうとだけ言うツッツ。

ホスシはその場に倒れた。


ロゼ

虚無騎士

アズラゴリラ

アヘオ・ホスシ

北アルガスタ四天王は、ここに倒れた…



ゾッ帝本編再開しろ!

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