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ゾット帝国外伝 丘の民の伝説編  作者: 剣竜
第4章 交錯する3人の主人公たち
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現況整理話 ~メノウとショーナのまとめノート~

『ゾッ帝の個人的な考察No.13』


そもそも『ゾット帝国』の名前の元ネタは何でしょうか?

アルファベットでの綴りは恐らく『ZOT』でしょう。

この単語を調べると、オランダ語で『愚者』を意味する言葉らしいです。

一方、アルバニア語ではZOTは『神』を意味する単語らしいです。

ズールー語では『最適』を意味する単語です。

ウズベク語では『彼』、コサ語では『恐らく~』という意味になります。

 

 北アルガスタ予選はシャムとグラウの二人が予選突破者として決定した。

 試合後、グラウは再び姿を消した。

 試合で消耗したかに思われたが、それだけの体力は残っていたようだ。

 メノウ達は試合会場の後片付けを手伝い、その後屋敷へと戻った。


「グラウはまた姿を消した、か…」


「この手紙を部屋に残していったみたいじゃな」


 机の上に置かれた一枚の封筒をメノウが発見した。

 中には一枚の手紙が入っていた。

 ただ一言、


『シャムにも気をつけろ』


 とだけ書かれていた。

 それ以外は何も書かれてはいなかった。

 紙に何か仕掛けがしてあるというわけでもない。


「やっぱりなにかあるのかのぅ…?」


「けどシャムさんはそんな悪い人には見えないし…」


「ワシにもわからん。何が何だか…?」


 メノウ達は以前、グラウから似たような忠告を受けたことがあった。

 そしてその忠告を受けた数週間後に、それが現実のものとなった。

 今回の忠告も必ず意味がある物のはずだ。

 しかし、こればかりはどうすればいいのかわからない。


「とりあえず、当面の敵は魔王教団なんだ。いまはそっちに集中しようぜ!」


「そうじゃな。…ん?」


 ふと、封筒の奥に何かを発見したメノウ。

 封筒を逆さに向け、それを手のひらにのせる。


「なんじゃこれは?ガラスか?」


「見せてメノウ」


「ほれ、四角いガラスじゃぞ」


 ショーナにガラス片を手渡すメノウ。

 数センチ四方の小さなガラス片だ。

 一枚のように見えるが、どうやら薄いガラスを二枚重ねたものらしい。

 接着されているようでそれを剥がすことはできなかった。

 しかし、その代わりにショーナはガラスの中にある物を見つけた。


「…なんかの毛だな」


「け?」


「ああ。毛だよ」


 二枚の薄いガラスに挟まれた一本の毛。

 しかしこれがいったい何を意味するのか。

 誤って封入されたものには見えない。

 必ず何か意味があるはずだ。


「わからん」


「俺も分からないよ、このガラスの意味なんか」


 グラウが何を言いたかったのか、それは分からない。

 そして何故、彼女はメノウ達と共に行動をしないのか。

 魔王教団、シャム、そしてグラウ。

 謎が謎を呼んでいく…


「メノウ、とりあえず今の状況を整理しようぜ」


 現段階ではまだまだ謎が多すぎる。

 魔王教団、シャム、見えざる勢力。

 そしてグラウ…

 それらに関してここで整理をしてみるのも悪くは無いだろう。


「そうじゃな」


 ノートとペンを取り出したショーナが簡易的に現在の状況をまとめていく。

 まずは現在、このゾット帝国で起きている事象についてまとめることにした。



【1.現在起きている事件】




「少し前まで、このゾット帝国では著名な武闘家や権力者が襲われる事件が多発していたんだ」


「今は少しおさまっているがのぅ」


「これは魔王教団の仕業だとルビナ姫は推測した」


「魔王教団、ワシたちが今戦っている相手じゃな」


「そうだ」


 -----------------


 ・魔王教団

 約九十年程前に封印されたという魔王を狂信する集団。

 あと数年で魔王封印から百年になる。

 その時何か大規模な行動を起こすとルビナ姫は予想している。

 恐らくは魔王の封印を解く何かを起こすこと。

 今起きている事件は、魔王復活のための準備に過ぎないのかもしれない。


 -----------------


「で、その魔王教団を止めるためにメノウ達が呼ばれたというわけだ」


「ワシも襲撃されたからのぅ」


「いろいろ大変なんだな」




【2.勢力図】



「これが勢力図だ」


「ワシらは帝国側じゃな」


 -----------------


 ・ゾット帝国

 ルビナ、ルエラ姫を中心とした勢力。

 ジンやカイト、メノウが所属している。

 憲兵隊や各地区の軍などの協力を得ることが可能。

 魔王教団とは敵対状態。


 ・魔王教団

 正規メンバーであるアリスの他にもメンバーがいると思われるが、現在は詳細不明。

 眷属であるヤーツァやミサキ、シェン、ヤクモなどが所属している。

 ハンターを使役し、反政府組織などとの繋がりもある。

 ゾット帝国とは敵対状態。


 -----------------


「俺達は帝国側だからいろいろと協力を得ることが出来るぜ。南アルガスタのマーク将軍や憲兵隊のイトウ隊長とかな」


「ルビナはできる限り公にはしたくないと言っておったが…」


「まぁ、一応の選択肢として覚えておいても損は無いと思うぜ」


「…そうじゃな」


「現段階で力を貸してくれそうなのは…」


 -----------------


 ・現段階で帝国側に協力している者たち

 -スート

 -タクミ・ウェーダー

 -アズサ

 -ミーナ

 -ミサ

 -グラウ

 その他…


 ルビナ姫の意向で大々的に協力を得ることはできる限り避けることになっている。

 ゾット帝国内にも魔王教団の眷属が紛れ込んでいる可能性があるためだ。


 -----------------


「メノウはだれか心当たりあるか?」


「東アルガスタの友だちなら手を貸してくれるかもしれん。じゃがなぁ…」


「どうした?」


「連絡手段がないのじゃ」


「あ…」


「それより、もう一つの勢力についてじゃ」


「グラウが以前いっていた、『隠された勢力』か」


「禁断の森で話していたヤツじゃな」


「そうだよ」


 -----------------


 ・隠された勢力(ヒドゥン・フォース)

 魔王教団が帝国内で自由に動けるようにサポートをしている謎の勢力。

 強大な権力を持つゾット帝国内の『何者か』である可能性が高い。

 帝国内の裏切り者であるため、当然ゾット帝国とは敵対状態にある。

 しかし正体が分からない…


 -----------------


「隠された勢力、これがもしかしてシャムさんか…?」


「いや、それは違うな。もし奴らと繋がりがあれば、魔力の残り香で判別できる」


「そうか。それに一介の軍閥長だと権力に限界があるよな」


「纏めると、いま判明しているのはこのみっつじゃな」


 -----------------

 ・ゾット帝国

 ・魔王教団

 ・隠された勢力(ヒドゥン・フォース)

 -----------------


「俺達、帝国側は魔王教団、そして隠された勢力の二つを相手にすることになるな」


「どの勢力も大人数では動けぬ事情があるみたいじゃのぅ」


「メンバーが足りていないっていうのはどこも同じなんだな」




【3.各陣営の目的】




「それぞれの勢力の目的を纏めてみるぜ」


 -----------------


 ・ゾット帝国

 魔王教団の討伐。

 あるいは壊滅。

 数年後の魔王復活を阻止すること。


 ・魔王教団

 数年後に魔王が復活するため、戦力としての眷属を確保する。

 そのため、今年開かれる武術の祭典である魔王討伐大会を狙っている。

 魔王復活時に支配をしやすくするためゾット帝国に被害を与えておく。


 ・隠された勢力(ヒドゥン・フォース)

 魔王教団に手を貸しているらしい。

 目的は不明。


 -----------------


「一応こう書いたけど、俺達は魔王教団の規模がどれほどのものか知らない」


「それに隠された勢力も気になるのぅ…」


「まぁな」



【2.パワーバランス】


「各陣営のパワーバランスについてだけど…」


「眷属やハンターを多数持っている魔王教団が厄介じゃな…」



 -----------------


 ・ゾット帝国

 憲兵や一般兵士、パトロール隊、警官などの協力を得ることが出来る。

 しかしあくまで最終的な手段であり、積極的に使いたくは無い戦力である。


 ・魔王教団

 大型肉食恐竜型ハンターや小型獣型ハンターなどを所有しているらしい。

 また、一部の人間を眷属化して従えている。

 どれほどの数がいるかは不明。

 しかし数は多くは無いようだ。


 ・隠された勢力(ヒドゥン・フォース)

 不明。


 -----------------


「メノウ、ハンターってどれくらい強いんだ?」


「素手の人間では歯が立たぬほどじゃ」


「そんなのがたくさんいたら大変なことになるな…」


「いないことを祈るだけじゃな」


「次は魔王教団の主要戦力についてだけど、これは俺には分からない。メノウ、代わりに頼めるか?」


「いいぞ」


「書くのは俺がやるから、説明頼むぜ」


 -----------------


 ・魔王教団

 アリス


 -----------------


「あのアリスとかいう娘じゃな。以上!」


「これだけか!?」


「ワシにもほとんどわからん。あとは眷属共としか戦っておらんからな」


「このアリスってやつが親玉ってわけでもないだろう。きっと他にもメンバーがいるはずだぜ…」


「一応、眷属共も書いておくか?」


「ああ」


 -----------------


 ・魔王教団の眷属

 人斬りの少女ミサキ

 元東アルガスタ四聖獣士シェン

 元南アルガスタ四重臣ヤクモ

 大型肉食恐竜型ハンター改青龍型ハンター

 列車強盗団首領ヤーツァ・バッタリー


 -----------------


「シェンのヤツは以前の戦いで俺が倒した。さすがに生きてはいないと思うが…」


「どうじゃろうな。どうやら眷属になると魔力が増大するみたいじゃ」


「治癒能力も人並み以上かもしれないって事か…」


「そうじゃ」


「よし、とりあえずはこれで終わりにしておくか」


「ああ、そうじゃな」


 纏めたノートのページを軽く見まわし閉じる。

 そしてテーブルにノートを置くショーナ。


「他にもまとめて欲しいことがあったら言ってくれよ」




 

ZOTが神を意味するのは原作者さんは自分を神と自称していましたので、妥当な意味でしょう。

これらを並び替え、文を作ると…

『彼』は『神』に『最適』な『愚者』だ。

『恐らく』…

つまり、『ゾット帝国』とは原作者さんが神として最適な世界であるということを指しているのです。

しかしそれは完全では無く、恐らくという注釈が入ってしまいます。


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