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第一章 新しい家族④

遅くなってすみません。

忘れてしまった方は是非、読み直しをしてください!

六時。

俺の携帯からアニソン(目覚まし)が鳴り響く。そうか、俺はあの後そのまま眠ってしまったのか…


「ちょっとー?朝ご飯よ?はやく起きてきてよね?」

ドアをノックする音と火穂の声が俺の部屋に響く。


火穂の声からして、母親がいなくなって落ち込んでたり泣いていたりはしていない。

本当に記憶を改ざんされているのか?


とりあえずリビングに行くか…


☆○□◇□○☆


「おーう、みんなおは…よ?」


リビングに立った俺はそのまま絶句した。


「おはよー!お兄ちゃん!

今日の朝ごはんは火穂お姉ちゃんの愛情たっぷりの目玉焼きだよ!…ってあいた!?」

「ばっ、ばか!なんでこいつに愛情なんかこめて朝ごはん作らなきゃならないのよ!!」


笑顔で俺を迎えてくれた風音と、おちょくられて顔を真っ赤にして風音をお玉で叩く火穂。

うん、ほほえましい光景だよね。

だが、一つ言わせてくれ。


まず目に付くのは大量の人魂。

というか炎が宙に浮いていた。


そしてキッチンを浮遊する数多くのフライパンや鍋。

おそらく風の力で浮いているのだろう。


庭では水希が本を読みながら、空中に渦潮を作って洗濯物をかき回していた。


各自異能を使って朝の仕事をしていた。


「なんだ、このカオスは!?」

しかし耐えきれずに俺はリビングの中心でツッコミを叫ぶ!


「仕方ないでしょう、六人分の朝食を作りつつ、他の仕事をこなすなんてこうでもしないと終わらないでしょ?」


火穂が複数の火の玉を操りながら言う。


六人…

はなっから真弥さんや親父はカウントされていない。やはり記憶が書き換えられているか。


そうだ、水希なら…!

俺はそう思い立ち庭へと急ぐ。


☆○□◇□○☆


「ええ、憶えてる…だけど、この状況下でそれをカミングアウトするのは得策ではない…

機会をみつけて言うしかない…」

「そ、そうか…」


水希が本から目を離さずにクールに告げる。

まあ、確かにな…

今日から学校もあり、ましてや朝のクソ忙しい時だからな。


俺はリビングへと戻り席に着く。


「そういえば地花と光璃は?」

「地花は庭で野菜作ってる。光璃はそこ」


ソファーを指差す火穂。

確かに光璃がウトウトと船を漕いでいる。

てか、野菜…?うちに畑なんかあったっけ?


地花の様子を観に行くため、席を立つ。


☆○□◇□○☆


庭の一角で地花を見つける

地花は傘を持って、我が家にある花壇の前で座り込んでいた。


「これでよしっと!」

地花は独り言をつぶやいて立ち上がり、晴れているのに傘をさす。


な、なにをするんだ…?


突如傘を力いっぱい空に向かって振り上げる!すると…


ばぼっ!

という元気な音を立てて土の中から大根が生えてくる。

さらに続けて傘を振り続ける。

ニンジンにジャガイモ、タマネギといったあらゆる根菜が次々と生えてくる!


ドウイウコトナノ…?


俺が呆然としてる中

籠いっぱいに野菜をつめこんだ地花がこちらに気付き寄ってくる。


「あ、夜月お兄さん。おはようございます〜」

にっこりと太陽のような笑顔で挨拶をしてくれる地花。


「あ、地花?今のは…」

「え、もしかして見てました?

うわぁ… 恥ずかしいなぁ…」


顔をほんのり赤らめて俯く地花。


「あれは私の力です、植物を一瞬にして育て上げることが出来るんです。」

「あ、地花は地属性の異能を使うんだっけ。」


俺は地花がつくった野菜をもってリビングへと赴く。


☆○□◇□○☆


食卓に並べられた数多くの食事。

すべてがとても美味しそうに盛り付けられている。


…親父と二人で、もそもそ食べてたメシがゴミに見えるくらい旨そうだ。


味も、大人数効果もあり、いままで食べたことのない料理なんじゃないかと錯覚するくらい美味しくて、数十分で完食してしまった。


「あ、私先に出るわね、高校転入の手続きが少し残ってるから。」

火穂が自分の器を洗って、出かけてしまう。


「やべ、携帯充電すんの忘れてた…」


ふと取り出した携帯の電池の残機32%…

昨日のドタバタで充電するのをすっかり忘れていた。

これでは一時間目くらいで電池が切れてしまうぞ…

しかもパズ○ラのゲリラ正午だ…

まじやみ。。。


俺が項垂れていると光璃がトテトテと歩み寄ってきた。


「夜月兄。かしてほしいんな」

「光璃?こんなのどうするんだ?」


充電コードが刺さったまんまの我がスマートフォンを光璃に渡す


光璃がコードを握りしめると…

32%→58%→76%→89%→100%(この間5秒)


「はい、夜月兄。充電終わったのんな。」

「すげえ!?」


なんなのこの子!5秒でスマホの充電したよ!Ap○leの充電機涙目!


☆○□◇□○☆


公立天星高校。

俺の通う高校だ。


俺は光璃に充電してもらったスマホをいじりながら、今後について考えていた。


「よっ、どうした親友!GWが明けて鬱期にでもなったか?」

おちゃらけた雰囲気を出して俺の肩を叩いてきたこいつは俺のアニメオタク友達の椎名星夜。

二次元限定シスコンというイタイ奴だ。


「ちげぇよ、昨日親父が再婚してさ、妹が出来たんだ。」

「ほう、そうか。

で、言い残したことはそれだけか?」


笑顔で拳を握る星夜。

しまった!こいつはそういったシチュエーションに憧れてる奴だった!

こいつ妹どころか姉もいるのに!


「おちつけ、大人のPCゲームの話だよ!!」

「ふむ、それなら許す。」


ふぅ、あぶねえ…


「お、そうだお前今週の『妹チョ』みた?」


話をごろっと変える星夜。

この話の切り替えの良さは見習わなければ…


『妹チョ』とは深夜アニメ『最近、妹がチョコレートを作り始めたのだが。』という、いかにもこいつの好きそうなアニメで、俺も見ている。


「そうか!みたか!

やっぱ今季最強は妹チョだよな!」

「お、おう…」


この推しっぷり…

末期か!


「否!!!」

突如教室に響き渡る声!


「こ、この声は…」

「あぁ、間違いねぇ…」


「小学生は最高だぜッ!!!」


バーン!

ドアを開け放ち決めゼリフと共に登場したオデブ!


「出たーッ!自称・幼女慈愛神ロリケンーッ!!」


このオデブは浪里健太。

苗字は本来"なみさと"と読むのだが、性格が災いして"ロリ"としか読まれず、名前がそれにくっついて"ロリケン"となってしまった

二次元、三次元共にイケる両刀使いのロリコンにして危険人物である。


「妹チョなど邪道也!今季最強は…

『ごちうな』に決まっとろうが!!」


ご注文はウナギですか?

略称ごちうな

鰻屋で働く女の子達が活躍する、通称【難民救済アニメ】である。


「ほほう、貴様とは決着をつけねばな…」

「のぞむところじゃ…」


火花を散らす両者。

背景は幼女と義妹だがな…


「さて、ホームルーム始めるぞ。

ほら変態共、席着け」


先生がきて戦争は終わったがな!


「今日から転校生が入る。入っていいぞー」


その転校生とは…

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