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第一章 新しい家族②

「あれ?懐中電灯どこいった?」


俺は地花と光璃ちゃんを捜索するための光源を確保するために棚を漁っていた。


「もう、そんなものいいわよ。あたしが異能で灯り出すから」

「異能?」


俺は尋ね返してしまう。


「もう風音が異能使っちゃってるからアンタには隠す必要ないでしょ。」

「まぁそうだな。

…火穂…ってことは火属性か?」

「御名答。灯せ、焰よ…」


提灯のような小さい火の玉が火穂の手から生み出される。


「…改めてみるとすげぇなぁ…」

「そ、そんなにジロジロ見ないでよ…!」

「あ、お姉ちゃん照れてる!かーわいい〜」

「五月蝿いわよ風音!誰のせいでこんなことになってると思ってるの!?」

「いたーい!なんですぐぶつのー!?」


火穂と風音のほんわかトークを、暖かい目で見守る俺。

あぁ、やっぱ兄妹っていいなぁ。


そんなこと考えてたら火穂にぶたれた。なんでよ。


☆○□◇□○☆


「そういえば水希は?あいつは来ないのか?」

「ちゃんとついてきてるわよ?ほら。」


上を指差す火穂


「上…?

って水の玉が飛んでる!?」

「あれは水希の水の異能。"監視者の水輪廻眼"とか言ってたかしら?」


なんだ、あいつクールな外見にそぐわない中二病っぷりだなオイ…


「つまりアレでこっちの様子見てるってことか?」

「あの娘、あまり動きたがらないのよ…」


ヤレヤレと首を振る火穂。


「そういや、地花と光璃だっけ?

姉妹としてどういう立ち位置なんだ?」


ふと心に思った疑問を述べる。


「ちーちゃんが私の双子の妹で、あっかりんが一番末っ子だよー!」


風音が分かりやすく説明してくれる。

なるほど、風音は妹をあだ名で呼んでいるのか。新たな発見。


それからとりとめのない話をしつつ

風音が二人を見失った地点へと到着した。


「この辺だと思うんだけど…」

「水希聞こえてる?あんた別行動で探してくれない?」


何も喋らずに水の玉は廊下の向こうへと進んで行ってしまう。


「あいつ灯りないけど見えるのか?」

「多分見えてるんじゃない?」


適当だなおい…


☆○□◇□○☆


「あ、アレちーちゃんじゃない?」


風音が廊下の一角を指差す


「よくこんなに暗いのに見えるわね…」


炎の灯りを強くして遠くを照らす火穂。

その先には小さくうずくまった少女の姿があった。


「暗闇でうずくまってると、まるでオバケだな…」

小さな冗談も兼ねてそう呟く。


涙目で顔を上げる少女が此方に気づく。そのまま此方に走ってきて…


俺に抱きつく。


アイエェエエエエエ!?オレ!?オレナンデ!?


混乱のあまり言葉がカタコトになる。


理由を述べよと?

それは…まぁ…なんだ


デカイんですわ。

身長がではなく、その…胸がですね。


風音の双子の妹ということは、風音と同じ12歳と見ていいだろう。

確かに身長は風音と変わらない。

だが胸部は圧倒的な差がある!

これが胸囲の格差社会!


しかもですね。

俺は自慢じゃないんだが身長が年齢にそぐわず高めだ。


で、地花は膝を曲げた体勢で俺に抱きついている。


察しのいい皆さんにはもう理解出来ただろう。


そう、俺の股間部が地花の胸に埋れてているという、いわゆるエロゲ展開である。


しかも本人は泣きじゃくっていて、火穂と風音は地花を宥めていて、気づかれていない。


ヤヴァイ…特に火穂に見つかるとヤヴァイ…絶対どつかれる…

話を逸らすしかない!


「あ、あ〜、そういえば光璃はどこだろ〜」


我ながら白々しいな!


「そういえばそうね。ねぇ地花、光璃は?」


嗚咽をあげながら途切れ途切れに言葉を紡ぎ始める地花。


「ひっく…どこかで…はぐれちゃった…ぐすっ」


可哀想に、そうとう心細かったのだろう。


「分かったわ。風音、地花を連れて先に水希の元へ戻ってて。後で光璃見つけたら合流するから。」

「分かった!行こ!ちーちゃん!」

「あ、そうそう」

「何?お姉ちゃん?」


「今度地花を忘れたら、ほっぺた抓上げの刑じゃ済まないからね?」


膨大な怒りがこもった笑顔を浮かべる火穂。

こいつ…般若か!

風音は少し涙を浮かべ必死に頷く。


暗闇の向こうに飛んでいく風音を見送ってから火穂は振り返り

「さ、光璃を捜すわよ」

「お、おう。」


☆○□◇□○☆


「光璃は地花と違って、恐怖心が無くて怖がらないから、多分今だに探検していると思うわ。」

「怖がらない?光璃は何歳なんだ?」

「6歳よ。」


幼女じゃないか!

いや、ワタクシはロリコンなんかではないですよ?これは断言しておきたい。


「しかも光属性…光の異能の持ち主だから大きな光源を見つけたら、それが光璃と見て間違いないと思う。」

「ほう、かえって見つけやすいということか…

って、あの窓のトコがそうじゃないか?」


やたら明るい空間が移動をしている。


「うん、間違いないわね。追いかけましょう!」


☆○□◇□○☆


「光璃ー!」


後ろを振り向く小さな影


「あれ?火穂姉なのん。そして横の男の人は… 火穂姉の彼氏?」


二人してその場に転ぶ。


「ちちちちちちちちち違うわよ!タダのお義父さんの息子さん、私たちの兄に当たる人よ!!」


慌てて弁明する火穂。

しかしこの幼女…とんでもない発言をしやがるぜ!恐ろしい娘ッ…


「まぁ、とりあえず全員揃ったから部屋に戻ろうぜ…疲れた…」


すっかり脱力した俺は早く部屋に戻りたい気持ちでいっぱいだった。


☆○□◇□○☆


「じゃ、改めて自己紹介!まずはちーちゃんから!どうぞ!」


部屋に戻った俺達は改めて自己紹介を始める。

風音に促され自己紹介を始める地花。すっかり落ち着いたようだ。


「えと、五月雨 地花です。先ほどは取り乱してしまってすみませんでした… これからもよろしくお願いしますね?

えーと、夜月お兄さん?」


うむ、やはり明るい部屋で見てもデカイ。(胸が


それが上目使いですよ?

ロリ巨乳ですよ?

素晴らしいとしか言いようがないでしょ!


「じゃあ次!あっかりん!」


次は風音が光璃に自己紹介を促す。


「五月雨 光璃なのん。よろしくなんな。好きな食べ物は酢昆布なのん。」


渋っ!?

そこはケーキとかフルーツとかいうものじゃないの!?

だがしかし光璃は自前のポーチから酢昆布を取り出して食べ始めている。

マジかよ…


それから俺達は少し話してから各自床に就くのだった。


☆○□◇□○☆


俺は寝る前に風呂に入るために

浴室に居た。


「ふぅ〜…今日は疲れたなぁ…特に夜。」


今日は5月5日。ゴールデンウィークで休みだったものの、夜の出来事だけで平日分学校で動いたような疲労感だ。


「さて、明日から学校だが… 5姉妹はどうするんだろ?」


真弥さんがどうにかしてくれているハズだが。

まぁ俺が考えても仕方ないか。


「お兄ちゃ〜ん?入るよー」

「おうよー」


ん?何か今の流れはおかしくないか?


「ちょっ…ちょっと待…」


「お兄ちゃん!お風呂一緒に入ろうよー!」

「あの…助けてくれたお礼に背中を流します…風音ちゃんがそうした方がいいと言ったので…」

「ウチもお風呂入るーん!」


げぇえ!?風音だけでなく地花と光璃まで!?


「いやいやいやいや!そんな大丈夫だから!こんなとこ火穂に見つかったら殺されるよ!俺が!」


慌てて立ち上がって、立ち退きを宣言する俺!


「…」


しかし三人の目線は俺の股間部へ…

しまった!タオル巻き忘れた!

風音は目を輝かせて


「私知ってるよ!これ!

前のお父さんにも付いてた!確か…

おち…」

「女の子がそんなはしたないこと言っちゃいけません!!」


あ、危ねえ。

俺は嫁入り前の娘になんてことを言わせるつもりだよ…


「わかった…観念するから…

絶対騒がないでくれ…」


風音達は笑顔で浴槽へと入ってくる。

ちなみに四宮家は浴室も広い。


「じゃあお背中流しますね…

こちらにどうぞ?」


ぽわぽわした笑顔で椅子に座るよう促す地花


「アッハイ、よろしくお願いします。」


て!俺はなんでバカ正直に座ってるんだ!?


地花はスポンジにボディソープを付けて俺の背中を一生懸命擦り始める


「んしょ…んしょ…」


わざわざ力を入れて俺の背中を洗ってくれる地花。

なんか感動してきた… あ、涙。


…ん?何か背中にスポンジ以外の感触が…?


背中流しに集中するあまり

地花の豊満な双丘が俺の背中に重爆撃しているではありませんか!


耐えろ俺の理性!多分すぐ終わる!

まさに天国の地獄!


「ちょっとー 風音、地花、光璃?

お風呂入るなら、着替えとタオ…」


バサッ…

と布の束が落ちる音が


あ、俺死んだか。


おそるおそる振り向くとそこには

火穂が。


「あんた…ウチの妹達と何してるの…?」

「ま、待て!話せばわかる!」

「分かるかこのシリコン野郎ー!」

「それってお姉ちゃんがいつもブラジャーの中に入れてる…あいたっ!?」


風音のおでこに火穂の投げた石鹸がクリーンヒット!


「てかシリコン野郎ってなんだよ!?」


火穂は巨大な火の玉を作り出して叫ぶ!


「シスコンでロリコンっていう意味よこのド変態ーッ!!」


浴室大爆発。


☆今回の被害☆

リビングのドア

浴室全壊


「俺は…ロリコンでも…シスコンでも…ない… がくっ!」


俺はこの先やっていけるのだろうか?

続く!

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