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第一章 新しい家族

突然だが、俺の父親である四宮 日向は運がいい。


特に金運・勝負運が強く、宝くじを買えば必ず高額を当て、パチスロをやれば高確率で大当たりを出す。


あまり連続してやるとイカサマ扱いされるため本人はあまりやらないが…


そのため父親はあまり真面目に働いていない。

大人のメンツを保てる程度の最低限の仕事しかしない。


それでもお金だけは有るので、四宮家は割と豪華で大きな家をもっている。


「まぁ、部屋と財産はあるから家族が6人増えるくらいは何とかなると思うけど…

そんないきなり来られても困るというか…」


リビングに取り残された俺、四宮夜月は途方に暮れる。

しばらくすると親父の声と複数の女性の声がリビングに聞こえてくる。


やべ、そうこうしているうちに来ちまった。


「こんばんはーっ!いやー、君が夜月クンだね!?よろしくよろしく!あたしは五月雨 真弥!あ、今日から四宮かな?」

「え?あ、はい…よろしくです…」


謎のハイテンションの女性に声をかけられ、喋るタイミングを逃してしまう。


「ちょっと、お母さん歩くの速すぎよ…

ってぇ!?男の子!?」


遅れてリビングに入ってきた赤髪の女の子が俺を見て素っ頓狂な声を上げる。

てかこの人お母さんかよ!?

五児の母とは思えない若さだよ!

人魚の肉でも食ったんか!?


「お義父さん!?そちらに家族が居るってあたし聞いてないけど!?」


赤髪の娘が親父に抗議を始める。


「あー、ごめん、言い忘れてた☆」

「もー貴方ったら☆」


「このバカップル…」

頭が痛いと言いたげに眉間の上を揉み始める赤髪の娘。

いや、気持ちはわかるぞ。アホの親を持つ子供の気持ちってやつが。


「火穂…五月蝿い…静かにして…」


うおっ!?新しいの!?


「流石、水希ちゃん!この空気を五月蝿いの一言で片付ける!そこに痺れる憧れるゥ!」

「お義父さんもうるさい…」


ハイテンションの適当親父とまたもや五月蝿いで片付けるクールな女の子。


「ま!後は若いもの同士で自己紹介でもしなさいな!あたし達はこれから夜の営みを始めるから!」


おい、今子供の前でなんつった!


スッテケテーっと寝室に消えていくバカップル…


ま、奴らは放っておこう…


「えーっと…

まぁ立ち話も何だし座ったら?お茶淹れるよ。」

「え?あ、うん。お願い」

「いただきます…」


我が家自慢の紅茶、アールグレイと

棚にあったクッキーを開けてリビングに戻る俺。



リビングに立ち込める紅茶の湯気と沈黙…



…気まずい!


「あー、えっと!俺は四宮 夜月!あの親父の息子です!残念ながら!」


多少の自虐も兼ねて自己紹介をする。


「…ま、自己紹介は必要よね。

あたしは五月雨 火穂。今日から四宮になるのかしら?」

「そう、私は五月雨 水希。よろしく…」



また沈黙だよ!

火穂は菓子食うだけで喋らんし

水希に至っては本読んでやがる!


ん?そういえば五姉妹って聞いたよな?あと三人は?


「そういえば、風音達は?」


火穂が水希に尋ねる。

水希は黙って首を振る。


「もしかして迷ってるのかしら…

この家広いし…」

「ありえる…ふと後ろ振り向いたら三人消えてた…」

「怖いこと言わないでよ!」


水希が無表情で怖いことを言い、火穂がそれにツッコム。


「マジか、俺が探しにいったほうがいいかな?」


俺は捜索隊に立候補する。

まぁ、家の間取り把握してるの多分俺だけだし、ついでに信頼度も上がるしベストな選択だと思うが。


「その必要はない…飛んできた。」


飛んできた…?


不自然なワードに首を傾げる俺。


ゴォオオオオオオオ

風の音が廊下から響き始める


そこへドアを吹っ飛ばして登場する一人の少女が!!

っておい!ドア壊すなよ!

てか本当に飛んでるし!


「ちょっと風音!?最初は異能使うなって言われてたでしょ!?」

「そんなこと言ってる場合じゃ無いよお姉ちゃん!この家すんごく広いの!」


話を全く聞く気のない翡翠色のツインテールを振り回しながら飛んでいる女の子が此方を向く


「お…おおお!

この人が風音のお兄ちゃん!?

わぁい!お兄ちゃんだぁぁあ!」

「ごふぅうううう!?」


俺の胸に弾丸の様に突っ込んできた風音という少女。


なお、ハイテンションで自己紹介を続ける


「あたしね!五月雨 風音!小学6年生だよ!

ふわぁー、風音ずっとお兄ちゃん欲しかったんだぁー!」


上目使いで自己紹介をした後、ぐりぐりと俺の胸に顔を埋める風音。


…くそ、可愛いじゃねぇかっ!

思わずフワフワしたツインテールを撫でてしまう俺。

仕方ないよね!可愛いんだもんね!


「てかお義父さん… 風音には家族居るって言ってたのね…」

「…まぁ火穂に言ったら反対されるって分かってたんじゃない?」


二人はこちらの様子を見ながら呆れたように話している


「…で、風音。地花と光璃は?」

「…あ、忘れて来ちゃった。えへへ♫」


てへぺろっ☆といいたげに舌を出し二人の姉に衝撃の事実を伝える


「忘れて来たって、あんたは何してんのよぉおおおお!!」

「いひゃい!おねぇひゃん、いひゃいよぅ!」


憤怒の表情で風音のほっぺたを抓り上げる火穂。


「ふぇえええん!お兄ちゃん!火穂お姉ちゃんがいじめるぅ!」


火穂の手から逃れた風音が俺の後ろへ隠れる。


「どうすんのよ…光璃はともかく、地花が転んでもしたら…」

「…大災害間違いなし…」


二人の姉が相談を始める。

まさか風音の様な力に関係することか?

おそらく風音は風の力を持っていると見て、名前が関係しているのだろう。

地花…地…地属性…

転ぶ…衝撃…揺れる…?

さらに大災害…

この三つのワードが合わさると…


地震!?


「やややややべぇ!はやく探さないと!」

「わかってるわよ…ほら、行くよ風音。」

「はーい!お兄ちゃん!行こ?」


何で俺が…

という疑問はすぐ消えた。

まぁこんな上目使いで言われちゃ断れないのが悲しき男の性。

こうして五姉妹、残り2人の捜索隊が出発したのだった。

つづく!


次回予告!

四宮家にて遭難した残り2人の捜索を始めた夜月御一行。無事、地花と光璃を見つけることは出来るのか?

そして大災害は防げるのか?

次回、第一章 新しい家族②

もしかしたら同日更新するかも!

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