神社掃除
・・・はっっ!・・・目が覚めたら見知らぬ天井が・・・
な、わけないか~ いつもの部屋の景色だ。(昨日寝る前に読んだ本の影響かな~)
昨日、お母さんが
「この物語が町の本屋ではやってるんだって」
と買ってきてくれた本はこことは違う別の世界「異世界」へ強引に連れて行かれて、想像のつかないような住民たちと交流するお話だったな。
私はベッドからおきだして部屋の窓を開ける。早朝のスッキリとした空気が部屋の中に入り込む・・・~んーっつ!と、深呼吸をして
「よしっ!今日も元気出していきますかっ!」
と気合をひとつ入れると、着替えを始めた。
「そろそろ朝ごはんよ~」
「は~い!いまいく~」
着替えが終わり、これから成長するであろうチョット残念な胸に(おおきくな~れ~ おおきくな~れ~・・・)と呪文を唱えているとお母さんから声がかかると同時に、朝ごはんのいいにおいがただよってきた。
「今日から当番だよね?食べたらすぐ始めるの?」
朝ごはんを食べているとお母さんが話し始める。
「うん!神社の掃除でしょ?箒と塵取りと・・・何もっていけばいいかな?」
「とりあえずはそれで十分よ。しっかり掃除するのよ。判らない事があったら私かグラッム爺さんに聞きなさいね」
「はーい!」
私は、今年で十六歳になる。初めての神社掃除に順番が回ってきた。今までは、お父さんかお母さんがしてくれていたのだが、今年は私にもできるだろうと、家族会議で決まり、今日が初日だ。
掃除をする神社は、私の住んでる部落から少し離れた小高い丘にあって、大きな石と小さな石が不規則に並んでいる場所。どういういわれがあって、どんな神様が祭られているのか、グラッム爺さんに聞いたけど今ひとつはっきりしなかった。あのいつも
「フォッフォッフォ」
と、目が見えているのかいないのかわからないほど長い眉がチャームポイント?の最長老爺さん。やさしいしお話が面白いからから大好き。
(でも、部落の決まりで毎日掃除してきれいにしなきゃならないんだよね~)と自分に言い聞かせながら神社に到着。初めての掃除に何故だろうチョット気持ちが高ぶってくる。
「よしっ!さっさと、しっかり掃除を終わらせますか」
ふん!と気合を入れて箒を持つ手に力を込めた。
--・・・--
その日の夕食時に
「初めての神社掃除はどうだった?」
仕事から帰ってきたお父さんが、一緒に夕食を食べていると今日の出来事を聞いてきた。
お母さんもニコニコしながら聞いている。
「たいしたことないよ~無事に終わったよ?危ないことも無かったし」モグモグ
「でも、結構広いね、お昼近くまでかかっちゃった」
と話すと
「お父さん達も最初の頃はそうだったぞー、慣れるまではかかるだろうなー」
などと懐かしそうに話してくれた。
夜も更けて、寝間着に着替えて寝るまでの間に昨日の続きを読む。
「確か主人公が、雑貨屋で精霊が封印されているスプーンを買おうとしてたんだよね・・・」
--・・・--
「え~ 呪いのコーヒーカップと干渉して精霊が実体化するの~!?」
読み進めていると止まらなくなりそうだけど
「明日も掃除があるし、そろそろ寝ようかな」
名残惜しいそうに本を閉じて、この先どんな展開になるのか楽しみにしながらベッドにもぐりこんだ。
目を閉じながら|(掃除の仕方、もっと効率よく出来る様にいろいろ試さなくちゃ)等と考えながら眠りについた。
勢い執筆です。どうなることやら・・・
マイペースで進行します。