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そんな気持ちなんて持っていない筈だった。
この女はただの他人だった。自分とは別の世界に住む生き物だった。関わるのは"あの「少女」"だけの筈で、自分はただ見ているだけで……。
だけどいつしか、彼女に向ける感情は変わっていた。
……これはきっと、「彼女」のせい。「彼女」があまりにもこの女のことを愛するから、徐々に融和していくこの心は、当然その想いに毒されていく。
今や、原因なんてどうでも良かった。いずれにせよ、もうこの女を放っておくことはできない。
だから、
「少しだけ力を貸して頂戴、――……」