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貪欲な暴王 オキシトリス  作者: 著者:怠け者の少年・グエン
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第一章:ネータ

【著者からのメッセージ】 これは私の処女作です。皆様からのご評価をいただければ幸いです。私は外国人ですので、日本語に不自然な点があるかもしれませんが、どうかご容赦ください。それでは、物語の始まりです。ヨーヨーヨー!!!

著者:怠け者の少年・グエン


二千年(二ミレニアム)前、人類がまだ無知の闇に沈んでいた頃、名もなき旅人が荒涼たる大陸を渡り、世界に「パス(Path)」という名の贈り物を授けた。それは、人が肉体の枷を打ち砕き、神の領域へと手を伸ばすことを可能にする究極の力であった。彼がどこから来たのか、そしてその絶大な力を持つ者の真の目的が何なのかを知る者はいない。しかし歴史は刻んでいる。彼の出現は決して気まぐれではなく、数千年先まで続く盤上のゲームのために周到に配置された一つの「駒」であったことを。

そして広大な太平洋の中心で、巨大な島国ノビアは人類文明の絶対的な象徴として立ち上がった。ここは最高峰の科学技術の揺り籠であるだけでなく、哲学、芸術、そして豊かさの頂点でもあった。世界一の国家の首都、ネオンの光とガラス張りの超高層ビルが輝くノビア・シティは、まさに人生を一変させる夢の地である。だが、その華やかさの裏で、ノビアは「ノビア・アカデミー」という名門の坩堝るつぼを通じて、地球上で最も強力な個体を集め、鍛え上げる場所でもあった。

学園の数ある育成コースの中で、「ヴァンガード(Vanguard)」は最も眩く誇り高き原石たちである。彼らは最も博識な血統から受け継いだ異端の血と才能を持って生まれ、国家の顔であり、街の平和を守る光の守護者であった。しかし、栄光には常に血の代償が伴う。ノビアは常に、1500年前に親密な同盟国であった国家「アノヴァ(Anova)」からの戦争の影に直面していた。500年にも及ぶ謎の空白期間は歴史から永遠に消し去られ、その半世紀の間に何が起きたのかを解読できる考古学者や記録は存在しない。ただ一つ分かっているのは、その沈黙が終わった時、かつての同盟関係は極限の憎悪へと変貌していたということだ。

最もまばゆい光がある場所には、最も忠実な闇が付き纏う。ヴァンガードたちは国境の向こうにいる目に見える敵と戦うだけでなく、街の中心に潜む暗黒の勢力とも対峙しなければならなかった。憎悪の渦、古代の秘密、そして力の軍拡競争の最中、ネータは誰にも理解されない重荷を背負いながら学園の廊下を歩いていた。彼は故郷をアノヴァの死の影から守る使命を負っているだけでなく、自身の魂の奥底で支配権を求めて咆哮する「ある存在」を抑え込むため、四六時中戦い続けなければならないのだ。彼の旅は、ただスーパーヒーローになるためのものではない。本来人間が触れるべきではなかった力によって、世界が崩壊するのを防ぐためのものなのだ。

________________________________________

ペイカ高校、3年A組。  窓の外では、夏のうだるような暑さを切り裂くかのようにセミが激しく鳴きしきっていた。今日は最後の授業――ネータの最も平穏だった青春の日々を締めくくる節目である。

担任の教師が机の間を歩き、生徒一人ひとりの手に真っ白な進路希望調査票を置いていく。それは単なる紙切れではなく、未来を決定づける切符だった。ネータはその紙の端を強く握りしめた。手のひらにはじっとりと汗がにじんでいる。ずっとこの日を夢見ていたが、いざその機会が手の届くところに来ると、霧のような迷いが突然湧き上がってきた。

(俺は、どこへ行くべきなんだろう……)  ネータは考え込み、長く続く学園のリストに目を走らせた。 (もし専攻を間違えれば、俺の人生は取り返しのつかない面倒な方向へ進んでしまうかもしれない)

「なあネータ! お前、どこの学校にするつもりだ?」

エルウィンに肩を叩かれ、ネータはハッと我に返った。エルウィンは幼い頃からの親友で、いつも安心感を与えてくれる存在だ。彼は頭を掻きながら、へらへらと笑った。 「俺か? 俺もまだ分かんないや。でもさ……ネータと同じ学校に行きたいな」

ネータは小さく微笑み、不安が少し和らいだ。 「ああ、それならしっかり考えてみるよ。二人とも後悔しないような、最高の学校を選ぼう」

「チッ、マヌケ共に選べる選択肢なんてそう多くねえよ。選り好みしてんじゃねえ」

背後から、傲慢な声が響いた。いつものように不敵な態度でライコウが近づいてくる。ネータはただ苦笑し、穏やかな声で返した。 「ははは。分かったよ、あまり高望みはしないでおくよ」

式典の後、クラスの皆は残って賑やかなお別れパーティーを開いた。笑い声や紙コップを合わせる音が廊下中に響き渡っていたが、ネータとライコウの姿はそこにはなかった。ネータは、まだ白紙のままの希望調査票と、答えの出ない悩みを抱えたまま、こっそりと先に帰路についた。

________________________________________

午後6時30分。  赤みがかった夕暮れの下、ペイカ町の小さな通りはかなり閑散としていた。ネータが物思いにふけりながら歩いていると、突然、空気を引き裂くような悲鳴が響いた。

「泥棒! ひったくりよ! 誰か助けて!」

一人の男がネータの横を猛スピードで駆け抜けた。その手には、近くの女性から奪ったばかりのハンドバッグが握られている。考えるより先に、ネータの足は自動的に男を追いかけていた。5分間の息詰まる追走の末、ネータは男を灰色のコンクリートブロックに囲まれた閉鎖された廃工場へと追い詰めた。

「止まれ!」  ネータは息を切らしながらも、強い眼差しで睨みつけた。 「彼女の荷物を返せ。さもないと、実力行使に出るぞ」

泥棒は立ち止まり、その目は血走っていた。恐怖を見せるどころか、男はポケットから奇妙な緑色の液体が入った試験管を取り出し、一気に飲み干した。

――バキッ! ボキボキッ!  男の骨が不気味な音を立てる。その体は二倍の大きさに膨れ上がり、筋肉が古木の根のように隆起した。ネータは顔色を変えた。 (まずい……ただの泥棒だと思っていたのに……!)

巨大化した男が突進し、千斤の重さの拳を地面に叩きつけた。ズドォォォン! 地面がひび割れるが、ネータは素早く転がって回避した。

【パス:空間知覚 ―― 起動】

半径5メートル以内。すべての振動、すべての軌道が、透視図のようにネータの脳内にくっきりと浮かび上がる。しかし、犯人は止まらない。瓦礫を四方八方に吹き飛ばす破壊的なパンチを連続で繰り出し、ネータの移動スペースを徐々に狭めていく。

ネータが極限まで集中力を高めていたその時、妖しく濁った声が唐突に彼の脳内に響いた。

『反撃しろよ、マヌケ……』

その奇妙な声によって警戒が解けた、ほんの一秒。犯人はその隙を逃さなかった。正面からの強烈な一撃がネータの胸に突き刺さる。建設中の建物の壁に激しく吹き飛ばされ、肋骨が軋む音がはっきりと聞こえた。ネータは崩れ落ち、呼吸は途切れ、痛みで視界がぼやけていく。

男が近づき、トドメを刺そうと巨大な拳を振り上げた。

――ゴォォォォッ!

上空からまばゆい火柱が降り注ぎ、大男の肩を焼き払った。男は苦痛の咆哮を上げる。

「弱いくせに、強い奴に迷惑かけんじゃねえよ」  高い足場の上に立つライコウ。その腕は炎に包まれており、見下すような目でネータを見た後、ターゲットを犯人へと移した。

火傷に激怒した大男は、ライコウに狙いを変えた。恐ろしいスピードで突進してくるが、ライコウは炎の反動を利用して、廃工場の二階へと飛躍した。 「てめえと接近戦なんて、バカのやることだ」  ライコウはそう呟き、相手の足止めのために上から連続して火力を浴びせた。

しかし、犯人は突然地面を強く踏み込み、その跳躍力でライコウの目の前、二階へと一気に飛び上がった。男の拳が足場に衝突した瞬間、大爆発が起き、猛烈な炎が建物全体を包み込んだ。

「ライコウ!」  ネータは叫んだ。胸の中は後悔でいっぱいだった。 (俺はなんて無力なんだ……ライコウが命懸けで俺を助けようとしてるのに。何か、何かしないと!)

立ち込める煙と炎の中、ライコウが現れた。その両手は、光り輝く炎の弓を限界まで引き絞っていた。 ――【絶技:火弓かきゅう】。  火の矢が弦を離れた直後、奇妙な出来事が起こった。

犯人が……彼らの目の前から忽然と姿を消したのだ。

火矢は空を切り、背後の壁に突き刺さって爆発した。土煙が晴れた時、ネータもライコウも立ち尽くした。大男はすでに地面に叩きつけられ、意識を失っていたのだ。そしてその傍らには、風にコートをなびかせる見知らぬ青年が立っていた。

彼こそが、ノビアのヴァンガード隊長――ダニエルズであった。

(あの瞬きの間に、あいつを倒してライコウの矢を避けたって言うのか? ありえない!)ネータは唖然として心の中で叫んだ。

ダニエルズは冷徹に剣を鞘に収め、短く尋ねた。 「無事か?」 「は、はい……大丈夫です」ネータは言葉を詰まらせた。

その時、我に返ったライコウが飛び降りてきて、怒鳴り散らした。 「おい、てめえ! 誰だか知らねえが、俺の戦果を横取りするなんて、あの泥棒野郎と同じじゃねえか!」

コケにされたと激怒したライコウは、全身から炎を噴出させてダニエルズに突進した。だが瞬きする間に、ダニエルズは距離を詰め、剣の柄でライコウのうなじを軽く叩いた。炎髪の少年はドサリと地面に倒れ、即座に気絶した。

「騒がしいガキだ。許せ」  ダニエルズはネータを見た。 「大丈夫ですよ、あの……あなたは一体?」 「ヴァンガードの隊員だ。君が自由に正義を行使できる場所……俺はダニエルズ。覚えておけ」

痛みと極度の疲労が、ついにネータを打ち負かした。ダニエルズのシルエットが闇の中で徐々にぼやけていく中、彼は意識を失った。

________________________________________

翌朝、ペイカ中央病院。

ネータは強烈な消毒液の匂いの中で目を覚ました。隣のベッドでは、ライコウが殺気立った顔で身動きもせずに座っていた。ダニエルズの一撃のせいで背中がまだひどく痛み、ただ唸り声を上げることしかできないようだ。

エルウィンが慌てて病室に駆け込んできて、安堵の息を吐いた。 「よかった、二人とも目が覚めたんだね! 心配で死ぬかと思ったよ!」 「俺は大丈夫だよ。ありがとう、エルウィン」ネータは弱々しく微笑んだ。

その時、壁掛けテレビがニュース番組を流していた。 『……ペイカの廃工場での衝突は終結しました。2人の高校生が、警察などの当局が介入するまで勇敢にも強盗を足止めしました。注目すべきは、犯人の体内から化学物質PU5の痕跡が発見されたことで……』

それを聞いたライコウは激怒し、髪から猛烈な炎を噴き上げた。 「クソテレビが! 『足止めした』だと!? 俺があと一歩で倒してやるところだったんだよ!」

ライコウがテレビを噛み砕こうと飛び降りようとしたその時――パキィィン! 極寒の氷の層が彼を覆い尽くし、宙に浮いた滑稽な姿勢のままライコウを氷漬けにした。

「こら、そこのガキ。病院で暴れるんじゃないわよ」  厳格な雰囲気を持つ一人の女性が入ってきた。ヴァンガード副隊長、エイタである。彼女はネータとエルウィンを一瞥すると、少し優しい声になった。 「昨日、現場に忘れていたカバンを二人に返しに来たのよ」 「ありがとうございます」

エイタは少ししわくちゃになった一枚の紙を取り出した。 「この紙、君のものよね、ネータ? 名前が書いてあるわ」  ネータは進路希望調査票を受け取った。その空白の行が、まるで自分をじっと見つめているように感じた。ネータはダニエルズが現れたあの瞬間を思い出した――圧倒的な力、最も絶望的な瞬間の救済。

(正義を守る……? 俺は弱すぎる……でも、俺はみんなを救いたい。もしあの人がいなかったら、俺もライコウもきっと……)

ネータは紙を強く握りしめた。その瞳に、かつてないほどの強い意志の光が宿る。彼はベッドから勢いよく立ち上がり、紙を高く掲げて叫んだ。

「決めた! 俺はノビア・アカデミーに行く!」

エイタは驚いて、そっと耳を塞いだ。 「分かったわよ。でも次からはそんな大声を出さないでね。他の患者さんの迷惑になるから、坊や!」

ネータは照れくさそうに頭を掻いた。だが心の奥底で、彼は気づいていた。自身の運命の歯車が、ついに正式に回り始めたことを。

読者の皆様、こんにちは。 tác giả の「怠け者の少年・グエン」です。

第1話を最後まで読んでいただき, 本当にありがとうございます。


まさか自分が、このように一つの形になった物語を書き上げることになるとは思ってもみませんでした。まだまだ未熟な点や至らない部分もたくさんあるかと思いますが, 皆様に寄り添っていただければ嬉しいです。


今, 早くも第2話を書きたくてウズウズしています! 皆様に続きをお見せできるのが楽しみで仕方がありません。


それでは、次のお話でお会いしましょう。ありがとうございます! ヒヒ(笑)!

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― 新着の感想 ―
この作品、とても興味深くて面白いですね。初めて拝読しましたが、文章のスタイルが安定していて素敵だと思いました。ぜひ第22話も見たいです!ワクワクしています。
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