亞さ増し
あさましい夜にやるせない気持ちを持って街へ出る
いかにも吹雪が俺を迎えている様だ
隣町に行く間には人が死んでいる
内蔵が出ていて血潮は宙を舞っている
腸が少し切れているようだ
人は何かを盗まないと気が済まない
いつも笑っている人間は何か隠しているようだ
こいつが誰だか分かるか
それは俺さ
いつも何かを盗むことしか考えていなかったからな
お前のものをよこせ
思想も温もりも幸せも
何も無い 足りない 俺には足りない!
俺の乾きを潤す何かを盗むのだ
身体より先に心が死んだ俺を見下す奴らを殺したかった
いつしか風吹で俺の身体は消える
俺の事なんか誰も覚えていないよ
大丈夫、いつかは死ぬ筈だった