皮のよろいループから出て、旅にでるぞ
かわのよろいをダブル装着し、心地よい風に吹かれながら、夢の中の声が私に授けたこの選択を受け入れる覚悟を持ち、新たな一日が始まることに胸を躍らせました。
夢の中で聞いた声、だったはずだが、色々と考えるうちに、本当に夢の中だったのか?と考えだす。
考えれば、考えるほど、夢と現実の境が曖昧になってきた。
今こうして考えていることさえ、もしかしたら夢の中の出来事なのか?
もしかしたら、今現実だと思っていることは夢で、夢だと思っていることの方が現実なのではないか、
そんな風にさえ思えてくる。
子供の頃に見た夢も現実なのか夢なのか判らなくなることがたびたびあった気がする。
畢竟、主観的に夢と現実を峻別することなどできないのだから、どちらであった場合でも最善となるよう、日々を生きていくしかないのではないか。
ダブル皮のよろいで並木道を歩いていると、一人の人物から声をかけられた。
「すみません、Lサイズありますか?」
並木道を店と勘違いしているのだろうか…だが、私は冷静に答える。
「そこに…並んでなければ無いっすね…」
並木道の木の枝にかかっているのは、皮のよろいばかりだった。 これ以上重ね着してもしょうがないので
そろそろ冒険の旅に出よう。 まず目指すのは、港町のチマトナーミだ。 そこで友をみつけたいな。