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皮のよろいを重ね着すると厚でのよろいになるのだろうか
まず目に飛び込んできたのは、まっすぐ続く並木道。
なんだろう、とても懐かしい匂いがする!
私の足取りは自然と軽くなっていた。
皮のよろいは木の根元に置いていく事とした。
その夜、夢の中でこんな声を聞いた。
「あなたが忘れたのは、この、皮のよろいですか?それとも、こちらの、皮のよろい+1ですか?」
あれは忘れたのではない。置いていったのだ。私は答える。
「あ、忘れたわけじゃないんで。それ、捨てておいてください」
そっけない私の回答に対して、夢の中の声は称えるように答える。
「なんという正直者でしょう!あなたには両方…」その声と共に、穏やかな朝の風に吹かれて夢から覚める。
…どうせ、こうなる事は初めからわかっていたのだ、逃れられない運命なら、
いっそ、受け入れよう―
そんなことで私はかわのよろいをダブル装着した。