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みんなでがんばれ~
『あしたみるゆめ』
ある時、
ふと、子供のころから
ずっと見ている夢を
最近見ないことに気がついた。
その夢は、
いつも決まって
「どこかへ行かなければ」と
歩きだすところから始まるのだ。
パステルピンクのネコ
蛍光イエローの小鳥の群れ
虹色の沼から除く
ドドメ色の人魚に
深紅のウォンバットたち。
そして
目の前にある、
極彩色の綿の扉に手をかける。
開けると
そこには、人が立っていた。
私は、その人のことを
とても良く知っている、はず。
そうだ!その人は・・・
思い出そうと目を凝らすが、
いつもそこで夢が終わる。
また、あの夢だ・・・。
目をこすりながら時計を見る。
いつもの朝。
そうやって、私の一日の始まりの扉はかれていくのだ。
だが、この夢、最近見ていなかった。
さながら、
アリスのような夢物語を見れない日々に、
喪失感を覚える自分がいる。
ため息をつきながらベッドから起きた私は、ふと、あることに気が付いた。