ー中野からの忠告ー
「私だ無我君。中野だ。入ってもいいかな?」
「あ、はい。ど、どうぞ」
な、中野さんきたー!ドキドキドキドキ。
俺は緊張のあまりロボットみたいな動きで中野さんを部屋に入れた後に椅子を持ってきて中野さんを座らせる。
「ふふっ。君は面白いな無我君。いつも顔をあわせているというのになんだその緊張した動きは」
「あ、当たり前だよ。お、俺は女性と喋ることなんてあ、あんまりないしそれに学校でも人気の中野さんと2人だなんて」
緊張して当たり前に決まってるじゃないか!
ごほんっと咳き込んだ後に中野さんは口を開いて
「無我君。君は迷宮攻略には参加しないほうがいい」
「な、何でですか?」
なんでそんなこと言うんだ中野さん。もしかして嫌いだからか?迷宮攻略なんて男のロマン的なものを俺からとりあげようだなんて。
「私の職業は神官。そして固有スキルは神官とは少しかけ離れているが危機探知だ。この固有スキルは近々恐ろしい危機に遭うものを感じとるの。それで私の機器探知があなたを反応したの。無我君。近々あなたは危険な目に遭う。迷宮攻略の前かもしれないけどもしかしたら迷宮攻略時に訪れるかもしれない。だから迷宮攻略には参加しないほうがいいわ」
中野さんは自分の固有スキルについて説明し俺の身を案じて言ってくれる。
でも迷宮攻略は男のロマン。だから
「中野さん。心配してくれてありがとう。でも大丈夫。自分の身は自分でどうにかするから。最低限注意はしとくから忠告、ありがとう」
俺は中野さんに礼を言うと中野さんは
「・・・そう。あなたが行きたいというならとめはしないわ。でも私があなたを危険な目にあわせないために迷宮攻略時はあなたのそばで守るわ。だから気をつけていなさい」
「わかった。中野さんありがとうね」
俺はまた中野さんに礼を言うと中野さんは椅子から立って部屋から出ていく。
中野さん。心配してくれて嬉しかった。でも俺に危機か。流石に河田君とか俺のこと迷宮ではめたりはしないだろうし大丈夫だとは思うが中野さんがわざわざ注意してくれたから心にとどめておこう。俺の固有スキル、無効化は攻撃用の武器は持てないし、攻撃もできないけど。
俺はその日はもう部屋でぐっすり眠り、次の日からはもう特訓が始まる。みんなそれぞれの職業にあった武器を装備し、防具も支給されて訓練に励む。俺は防具だけ装備して攻撃はできないけど攻撃のフリをする訓練を1人でやっていた。