ー荷物ー
青年男と巨大男がカースドの奈落に来て殺して処理した後の1週間、またも誰かがカースドの奈落に来る気配が全くない。
「なぁイグニエ。なんで俺の復讐の相手はこの奈落に来ないんだと思う?」
俺は暇つぶし感覚でイグニエに聞く。
「そうじゃな。おそらく馬鹿なのかそれとも作戦を練っているのではないかのう。まぁ妾としては魔力が回復できてこの最下層の部屋も主人風にいえばりふぉーむ?とやらができるからよいのだがの」
イグニエはカースドの奈落に侵入者が来るまではなぜか部屋のリフォームにはまり、最下層の部屋には家からが5、6軒たち正直もう部屋ではなく村?のような状態になっていた。
「まさか部屋からこんな家まで作れるとはな」
「部屋はあくまで呼称。この部屋が広くなって行けば村になるし街にもなる。ここを新たな魔族の拠点とするためにもっとひろげねばならんのじゃ。それには妾の魔力回復が必要だからのう。魔力を回復しながらこの部屋の大きさを広げておる」
イグニエは俺に最下層の部屋のことについて説明する。あ、最初に作った玉座とかはイグニエが城を立ててその中に入っている。ちなみに今はそこで俺とイグニエは話している。イグニエは作った城の中から今は村ぐらいになっている部屋の家を作り出しては村に配置している。
「誰も来ない時に何をしようが構わないがいざという時に魔力ぎれをおこすなよ」
「それは心得ておるからわかっておる。それより主人。どうやら奈落にお客さんが来たようじゃ」
イグニエが俺にいい、指をぱちん鳴らすと俺の前に迷宮の侵入者が現れた階層、まぁ入り口なんだがそこをモニターで移す。
今回の奴らは攻略しにきたというかなんか迷宮にでかい袋を置いていく。具体的に言えば大きなものが入るような袋だ。大剣とか長めの棍棒?みたいなものが入りそうだな。
迷宮の侵入者はでかい袋を置いてさろうとすると俺はすかさず
「イグニエ。入り口にマルクスを派遣し、奴らを殺した後にあの袋を持って来るように伝えろ。死体の処理はゴブリン達に一任する」
俺がイグニエに命じるとイグニエはマルクスを迷宮の入り口にまで転移させる。マルクスはいつでも俺の指示を受けられるように常に俺の隣に立っている。執事のような雑用をやらせているがたまにはこんなこともさせてやらないとな。前の青年男と巨大男の際も帰ってきた際に「なぜ私をお使いになられないのです」って言われたしな。
マルクスは転移した後にでかい袋を下ろした人間を全員跡形もないくらいにバラバラにする。
意外とやることがえぐいな。まぁ徹底的なのはいいことだ。