ー断罪ー
「ぐぉぉぉ!俺の左腕がぁぁぁ!」
「おっほっほ。よい様じゃな人間」
イグニエは巨大男に笑いながら言うと巨大男はイグニエを睨みながら
「て、めえ。俺の友に、何、しやがった」
「あ、そこの人間かのう。そやつは妾をやらしい目で見ていたからのう。チャームをかけてやったのじゃ。どうじゃ?友達に殺されるんじゃ。クズの死に方としてはましではなかろうかの?」
「て、めぇ。このクソ、魔物風情が!」
巨大男はイグニエに殴りかかると俺は無能化で男をつかいものにならなくする。
「さて。それでは主人の無能化でこやつはもう戦えんじゃろうし。若い兄さんや。こやつの首をはねなんし」
青年男はイグニエに命じられるがままに巨大男の首を剣ではねる。
「よくやったのう。若い兄ちゃん。それじゃ」
イグニエは青年男の首を手を垂直にして刺し、青年男を殺した後に青年男の首を刎ねてまた入口の方に巨大男の首と青年男の首を晒しておく。
「ふぁー。つまらん奴らじゃったのう。妾と主人からすればこの程度造作もないが妾の迷宮に向かわせるならもっと歯応えのあるやつを寄越してほしいものじゃな」
そうだな。こんな奴らじゃ相手にならない。だが人間のクズが減ることはいいことだ。女遊びで女を娯楽の象徴にしているようなこんな奴らは生きる価値もない。俺の勝手な価値観だが人間は平等に扱われるべきだ。差別なんてもってのほかだ。だがこんなことをしている時点で俺もこいつらと一緒か。
俺は青年男と巨大男の首を見ながら思っているとイグニエは
「主人。主人はそこで転がっているクズみたいな人間とは違いますからのう。妾は主人がいなければ一生この奈落で束縛されたまま過ごす一生でした。この人間たちは自分のことしか考えていないいわば私利私欲の塊と同じ。主人とはあまり違いますゆえあまりお気になさらずよう」
「ああ。わかっている。俺が行く道は聖人のようなやつが行く道ではなく完全なる悪の道、そしてこいつら同様私利私欲のものだ。だが俺はこいつらみたいな人間を殺してお前たち魔族や他のよい人間たちが住みやすい世界になると俺は信じてやっている。だから罪悪感はおぼえようが揺らぐことはない」
俺がイグニエに言うとイグニエは
「それでいいのです。では帰りましょうか」
イグニエが指をパチンと鳴らすと俺とイグニエは奈落の最下層の部屋に戻り、マルクスが俺たちを出迎えてくれた。