ー3日後ー
俺はイグニエの魔力回復のために迷宮にてただ敵が来るのを待つ。ひたすら待つ。
「なぁイグニエ。お前の魔力はいつになったら回復するんだ?もう3日くらい経つんだが」
イグニエの魔力回復を待ち続け3日。更に河田達ドーロン王国の奴等が攻めてくることもなかった。
「妾ほどの魔族になれば魔力回復には一年はかかるな」
一年!?俺はそんなに待っていられないぞ!
「おい!お前と手を組んだはいいが一年も俺は待ってやれないぞ!」
「まぁまぁ半分冗談じゃ。完全に魔力回復するのには一年かかるというわけじゃ。しかし人間の奴らもせめて来ぬとはつまらんな」
あの3人のクズの首だけ遺体を見たのかは知らんがそれで怯えているのか?
「一応確認はしたのじゃがここ3日この迷宮に人間が入ってきた気配はないのじゃ。どうやら3日前の3人のことはまだ知らんようじゃ」
3日も迷宮に来てないと慎重なのかやる気がないのかわからんな。だが俺が河田達と来た時もある程度と言っていたからな。そうだ。
「イグニエ。迷宮から魔物を出すことは可能か?」
「迷宮から出すのは可能じゃ。しかしあまりそういうことはしたくはないのじゃ。同族をみすみす人間どもに渡す羽目になるんじゃからな」
迷宮から出すことは可能だがしたくはないか。だがただ待っているだけというのもな。俺は無能化のスキルの効果のせいで攻撃はろくにつうじないからな。どうしたものか。
「仕方あるまい。こんなに人間が迷宮に来ないことはよくあることじゃがお前が待てないというのであれば仕方ない。奥の手を使おう」
奥のて?そんなものがあるなら最初からやってほしいもんだが。
「あまりおくのてはつかいたくはないんじゃ。だからこその奥のて」
「カースドの奈落で迷宮警報を鳴らす。迷宮警報は近々迷宮から魔物が地上に出るぞという警告じゃ。これをつかえば嫌がおうでも人間どもは攻めてくるんじゃ。あのドーロン王国でも魔物が国を襲うとほざいておるなら確実に攻めてくるはずじゃ」
なんだ最初からできるならそれをしてほしいもんだ。
「お前さんはわかってないから今のうちに言っておくがお前は1人で戦えるわけではない。それをゆめゆめ忘れてはならんのじゃ」
「ああ。わかってるよ。それに卑怯な考えだが俺のことをはめた奴らを魔物に殺させることで俺は快感というものを感じている。ざまぁって感じだな」