ー無能化ー
「それで。どうするんだ?」
俺はイグニエに言うとイグニエは立ち上がり
「まずは妾の魔力を回復させるから時間をおくれ。時間というより日にちだがな。その前にお前のスキルを・・・」
俺のスキルをイグニエは何かで見たのかかなり驚いていた。
「お前、勇者でスキルが無能化だなんて凄すぎるではないか。どうりでここまでこれたわけだ」
は?無能化のおかげで俺は散々な目にあったんだが?それに無能化は
「無能化は使えないと思っているな」
な、なんでそれを!まさか俺の考えが
「考えがよめるのかと思っているのだろうがそうではない。妾のスキルに他人の考えを読むというスキルはない。スキル無能化はこちら側のスキルなのである。妾たち魔族側のな」
魔族側のスキルだと?じゃ人間の俺になぜ無能化のスキルが?
「妾の名、通り名は別名、迷宮王イグニエじゃ」
迷宮王?なんだその通り名は
「妾は迷宮王の通り名通り迷宮を作り替えることが可能。そしてお前が妾と協力すれば妾の父魔王を取り返すことができる。妾にできることなら何でもしよう。だから妾と協力、いや手を組んではくれまいか?」
「手を組んでくれって無能化のスキルはそこまで使えるわけじゃ」
俺が言葉をいいきるまえにイグニエは
「お前は馬鹿なのか?お前が生きてここまで来られたのは無能化のスキルのおかげじゃ。それがなぜわからん」
「なぜわからんとか言われても攻撃とか全く効かないし武器も持てない。そんなスキル」
「はぁ。これだから人間は。いいか?無能化は本来なら妾たち魔族が持っているスキル。無能化は意志が弱いやつはつかえないんじゃ」
意志が弱いやつは使えない?どういうことだ?
「無能化のスキルは強すぎるからこそ逆にクセがあるんじゃ。持つものに強い意志がなければつかえん。お前さんは強く念じていてもつかえなかったんじゃろ?それで無能化のスキルはつかえないと思ったんじゃろ。その前提が違うんじゃ。無能化は本人の意志ではなく無能化のスキル自体が持ち主につかわれるべきかを考える特殊なスキルじゃ」
「自分で考えるスキル?」
この世界にはそんなスキルがあるんだな。俺の固有スキルもそういうやつらしいが
「妾の固有スキルの迷宮。これもクセのあるスキルでな。迷宮に認められる条件は迷宮を自分で作ること。妾はカースドの奈落をつくったもの本人じゃ」
イグニエは胸に腕を組んで自慢していた。