なんら変わりない日常
続きです!
空を見ていた。流れ行く雲を見つめつつ自分もあの雲のように自由になりたいと、そう思いながら。
…授業中に。
「おい!勇者!!何をボケっとしている!」
その声と共に飛んでくるチョークに俺は対応できず顔面でそれを受け止める。
「いてぇ!!!」
「いつもいつも全く…」
平田先生はいつものようにため息をつきながら授業を再開する。
二ヶ月前に高校の入学式が終わってからというもの特にイベントも起こらず、普通の日々をただただ過ごしていた。
「勇者廻です!家は徒歩五分!是非遊びに来てください!趣味は特にないです!あ、あと勇者の血を引き継いでます!」という普通(?)の自己紹介とともに高校生活が始まったわけだが…あ、言い忘れていたが俺は約二千年ほど前に魔王を撃退したと言われる勇者の一族の末裔であるらしい。そう亡き父に言われたのだ。真偽は不明である。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴る。
「今日の授業はここまで。最近近くで行方不明事件が多発しているからすぐに帰宅してもらう。
帰りの会とやらは無しだ。帰れ!」
そう平田先生は言い、俺たちはすぐに帰らされた。
最近近くで行方不明事件が多いらしい…物騒な世の中だ。
「そうだ、凛が帰って来る前にご飯作らないとな」
俺はポツリと呟き、近くのスーパーへと向かうのであった。
続きますよ!