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手を組まないかという、俺の提案に――。
「まあ。私は一人じゃきついし。別に」
と了承が返ってくる。
「後から話だけ聞いて、手を切るとか無しな」
二本目の釘を刺しておく。
「うーん。まあいいけど」
口約束なんだよな。まあ、反故にされたらされたで、その時か。
損失が発生するわけではないからな。
「俺が思うに。アズミのマニュアルにある初期設定だったら、無理に戦闘だけで金を稼がなくていいようになっているはずだ。その能力で商売すれば、効率次第で充分に稼げるように設定されているんじゃないかと思う」
初期設定で学者とわかっているのに、探索者の真似をして金を稼ごうと考えるのが、そもそも間違いだろう。
「え? そう、かな……」
「おそらくだがアズミなら、そこらの解体業者より効率よく解体できるんじゃないか?」
デメリット有りの特殊なスキルだからな。それくらい出来て欲しいが、出来ないなら出来ないで問題ない。
「たぶん、できると思う」
杞憂だったな。おまけ程度にはプラスになる。
「そうか。よかった。要は単位時間当たりの利益が大きくなるような速度で解体できるってことだから、俺が狩った獲物はアズミに解体して貰って、普通に解体を頼んだ場合から浮いた分の利益を折半しても、WIN‐WINの関係だろう」
「まあ」
解体の手数料削減で、単位時間当たりの収入が効率化できるってことだ。
「自分で解体するより多くの戦闘をこなせる分、より多くの収入源を得られるわけだ」
「そうなれば、私もより収入が得られるってわけ?」
「そうなるな」
「はあ? ふざけないでよ。その配分だったら、カミノギさんはいいかもしれないけど。私の収入なんて、ほんの少ししかないじゃない」
「慌てるなって」
そんな、使い潰すだけの提案なんかしない。
「なにも、俺だけからその仕事を受けなくてもいいじゃないか」
「あぁ? ああ。確かに」
なんだか、素が出てきているというか。ガラが悪くなってきているな。
それはそれとして――。
但し。
「おおっぴらにやると、他の解体業者に恨まれるかもしれないから、俺みたいに同盟を組んだ相手だけにとか、そういった対策は必要になる気がするな」
「なのかな……」
まあ、現時点では何とも言えない。
情報を集めて安全が確認できるまでは、用心するに越したことはない。
なんなら、解体業は俺だけを相手にするくらいで丁度いい。
いや、後はもう一人か。
「とりあえず、紹介できそうな心当たりがある」
「そうなの?」
本部付近で商売していれば安全ではあるが。
おっさんに護衛してもらいながら、戦闘経験を積ませておくのも有りか。彼女の持つ有用なスキルを知れば、少しくらいは時間を割いて協力してくれそうに思う。
残念ながら、当面は俺では護衛として力不足だ。
「まあ、解体は副業にするとしてだ」
彼女の真価は解体ではない。
「はあ? 副業なの?」
悪い話をしているわけでもないのに、鼻頭を歪めた文句がありそうな顔をされた。




