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第2話 城塞都市グリナへ 2


異世界召喚 116日目


イシュ王都を出発し、19日目





…んっ…


顔を…唇をなめられる感覚で目を覚ます。

目の前には、チェルの顔があり、博影の顔を、唇をなめ起こしているところだった。


「オキタカ…」


「おはようチェル…」


システィナと、ルーナは傍らですやすやと寝入っている。天幕から、顔を出すと…まだ、あたりは夜だった。

傍らのチェルに…


「チェル…まだ夜はあけてないよ。早くないか?」


と尋ねると…


ぐぅぅ~


と、チェルのおなかが鳴った。


「ちょっと早いけど、朝食の用意するよ」


昨夜の残りのシチューが入った鍋をかまどにかけ、かまどの周りには、肉を串で刺したてかける。

かまどから、15mほど離れたところに昨夜の狼2頭が、まるで犬のように伏せをしこちらを見ている。

術袋から、猪を取り出しチェルに渡す…と、チェルは、黒剣で大雑把に切り、火であぶりだした。


チェルにせがまれ、チーズも出しておく。

最近、チェルは、あぶった肉にチーズをのせ、またすこしあぶり、チーズかけの肉を好んでいる。あの2頭の狼にも食べさせるつもりなのだろう。

狼が、チーズを食べれるのか…が問題だと思うが…


沸いているお湯で、お茶を入れ飲む。

天幕に戻り、またシスとルーナの間に入り横になるが、もう眠ることはできなかった。肉が焼け、かなり良いにおいが天幕の中に入ってくる。


…んっ…


システィナが、寝返りをうち目を覚ました。


「シス、おはよう」


「おはよう、博影…朝から肉を焼いてるのか…元気がいいな…」


システィナは、博影の上に少しかぶさり、当然のようにキスをしてきた。


「んー、痛い…」


キスのあと、システィナが腰を少し痛がる。


…どうした?…


と尋ねると…


「昨夜、誰かさんが激しかったからな」


自分で言っておきながら、顔を赤くしている。


傍らで、ルーナが寝返りを打ち…


「たたっ…」


とこちらも、少し痛がりながら目を覚ます。ルーナは、半身を起こし…挨拶をしながら…


「ひやっ…」


と小さく悲鳴を上げ、あらわになっていた胸を毛布で隠す。


「シス、ルーナ、着替えたら出ておいで、早いけどお茶にしよう」


2人に声をかけると、天幕をでてかまどの傍に腰をおろした。


チェルは、焼けた肉をナイフで切り取り、狼たちに放り投げながら、自分でも食べていた。

シスと、ルーナが着替えて、天幕から出てくる。


「チェルは、朝から肉か~見てるこっちが、胸焼けしそうだな」


システィナは、かまどの火を調節する。


…そうですね…


と、ルーナは相槌をうちながら、博影の横に腰かける。どうやら、かなり腰?が痛そうだ。


「ルーナ、かなり痛そうだけど大丈夫?」


コップにお茶を注ぎ、ルーナに渡す。


「痛いです…けど、毎晩、博影様の横で眠れば…痛くなくなると思います…」


ルーナは、耳まで真っ赤になる。


「そうか? 昨夜ルーナの声は外に響いていたが、痛そうではなかったが?」


システィナが、口元をニヤニヤとほころばせながらルーナに絡む。


「シスのばかっ…」


ルーナは、まるで博影の体に隠れるように、体を縮こまらせた。


パンをシチューにひたしながら朝食をとる。


「城塞都市グリナへ、どうやって入るかだが…又、夜…城壁を乗り越えるかな」


「博影、親父殿から身元保証の証明書をもらっている。これを使えばすんなりと入れる」


システィナは、術袋から証明書を取り出した。


「親父殿は、われらに無理してほしくない…と、王都へ帰ってほしい…と言っていたが、博影の事だから、グリナへ戻ろうとする。その時は、これを使えとくれたのだ」


…このことが、モスコーフ帝国に知れることになったら…自分たちの身が危ないのに…


マクシスの気持ちに感謝した。


「シス、出来ればその証明書は最後の手段に取っておこう。親父殿に、ファビに出来るだけ迷惑をかけたくない」


「そうだな、それがいいだろう。それならどうする?」


「博影様、なにか考えがあるなら言ってください。私たちはなんでもします!」


ルーナが、任せてくださいとばかりに胸をはる。


「そうか、そう言ってもらうとうれしいよ」


博影は、にこっと二人に笑いかけた。

ルーナは、お役に立てるなら…と喜んでいるが、シスは博影の笑顔に、少し不安を感じた。




「87番目だ、明日の昼頃になるだろう、今夜はそこの野営地に天幕を張るといい」


衛兵はそういうと、次の者を呼んだ。

グリナ城正門右横には、大きな天幕が張られ、その天幕に向かい長蛇の列が出来ており、傭兵、巡礼者などと思われる者たちが、一人ずつ衛兵の厳重な検査を受けていた。

衛兵から、明日の昼だろうといわれた少年は、順番札をもらい後ろの姉たちへ振り返った。


「シス姉さん、明日の朝になりそうだって」


2人の姉は、頭にかぶせていたローブを上げ顔を見せた。


「そうかい、明日の昼かぁ、今日入城できれば明日夜から客を取れると思ったのにね~」


そう話した女は、ローブを脱ぎ傍らの女に話しかけた。


「シス姉さん。今夜はそこでゆっくりしましょう」


傍らの女を、姉さんと呼んだ女もローブを脱いだ。

2人は、20歳くらいの女性で、その豊満な胸元を惜しげもなく開け、スカートの両側には、深いスリットが入りその長い美しい足が伸びていた。

ざわめいていた、周りの人々は、その女性の美しさに、見とれ…見入ってしまった。


「行こう…」


2人の女性の傍らに立つ少年が声をかけ、野営地へ向かい歩き始めると…


「ちょっと、待ちなさい」


検査を行っていた、天幕から一人の騎士が出てきた。


「こちらにどうぞ」


と声がかかり、4人は天幕内に入る。天幕内では、5人の傭兵と思われる男たちが検査を受けていた。


…ひゅーっ…


男たちは、その2人の女性を見ると思わず声を上げた。


「で、君たち名前は? グリナ城へ来た目的は? どこから来たのかな?」


騎士は、4人にテーブルの椅子に腰かけるように指図すると、腰かけ女性たちに質問し始めた。


「私はシス、妹はルーナ、弟はヒロ、そして小間使いのチェルです。公都ルピアの酒場で客を取りながら働いていたのですが、ルピアがイシュ王国と戦になりそうだったので…」


「そうか、大変だったね」


その40代前後に見える騎士は、2人に声をかけシスの右手を両手で握った。


「では、荷物を見せてもらえるかな?」


4人は、机の上に荷物をのせ中身を取り出していく。


「ふむ、特に問題はないようだね、では少し身体検査をさせてもらうよ」


両側に立つ兵が、身体検査をしようと数歩前に出ると…


「君たちは、荷物の確認とその少年と少女の身体検査をしたまえ」


騎士は、席を立ちシスとルーナを立たせ、服の上からあちこちを触りだした。10分ほど検査し…


「うむ、グリナへの入城を許可しよう! グリナは初めてだろうから、良心的な酒場も2・3件教えておこう、ぜひ今夜、食事に付き合ってもらいたいな」


「騎士様、ぜひ、2人でお待ちしております。ただ、今夜は長旅で疲れていまして、騎士様にご迷惑をおかけしてしまいますから、明日の夜で良いでしょうか?」


2人は、騎士へにっこりと笑顔を振りまき席を立った。4人は衛兵に促され正門をくぐった。


騎士が一筆記した文をもち、3件、宿屋を兼ねている酒場を周り、貴族・騎士エリアへ最も近い酒場に決めた。



宿屋2階の部屋に入る。


「気持ち悪かった…」


ルーナが、うっうっと泣き出した。


「ルーナ、大丈夫だ。こんなことを考えた博影に責任を取らせよう」


システィナは、ルーナを抱きしめながら、キッッと博影を横目でにらむ。


「いや、なんでも協力してくれるって言ったし、忍び込むより、身元や目的をはっきりさせて入城した方が、城内で動きやすいから。

それに、娼婦だと入りやすい」


「博影様は、私がほかの男に触られても気にならないのですね…ひどい…」


ルーナが、ベッドにうつぶせになり声を上げて泣き出した。


「本当に博影は、ひどい男だ、あんな脂ぎったおやじに私たちの体を触らせて、助けてもくれない。私たちの心と体をもてあそんでる!」


システィナが、ベッドに腰かけルーナに寄り添う。ルーナは、シスの膝で泣き続けた。


…おれも、中身はおやじなんだけど…と思いつつ…


「いや、もちろん嫌だったよ」


「本当か?」


システィナが、にらむ。博影は、うなずく。


「私たちの事は、どう思っているのだ? 好きか?」


ルーナが、泣き止みシスの膝に突っ伏したまま顔を博影へ向けた。


「あたりまえだろう、好きだから一緒に抱き合って寝てる」


「なに、体だけが目的か?」


「ちがう、シスもルーナも俺が2人の事を大切に思っていることは、わかっているだろう?」


若干、諭すように2人に話す。


「博影、人は言葉にしないと不安なのだ、形がないと不安になるのだ。では、博影ここに座れ」


システィナに促され、ベッドに腰かけた。


チェルは、テーブルの下に座り、術袋から干し肉を取り出し食べ始めた。


…ナガクナリソウダナ…


「博影にとって、私たち2人は?」


システィナと、ルーナが博影を見つめる。


「え…恋人かな?」


システィナは、博影の胸倉をつかみ引き寄せる。


「かな? だと…」


「いや、恋人です…」


システィナは、博影の胸倉を離さない。さらに目の前に博影の顔を引き寄せ、目の奥を覗き込むように、目力で押してきた。


「いや…その…将来を考えている恋人です」


…くっ、なぜシスとルーナはこんなに怒っているのだろう…


「ほんとですか…?」


ルーナが、目に涙をためつつも笑顔で起き上がり、博影の傍へ座った。


「では、博影…言葉にしてもらいたい」


システィナが、博影の耳元に口をよせ言葉を伝えた。


ちょっと、その言葉を聞き、博影は戸惑うが、たしかに2人には、いやな思いをさせたので…


「私、博影は、システィナ、ルーナの2人を妻とし、今日よりいかなる時も共にあることを誓います。

幸せな時も、困難な時も、富める時も、貧しき時も、病める時も、健やかなるときも、死が、私たちを分かつまで愛し、慈しみ、貞節を守ることをここに誓います」


「私、システィナも新郎に誓います」


システィナは、博影に顔を近づけ目をつぶった。博影は、システィナを優しく抱きしめキスをする。


「私、ルーナも新郎に誓います」


ルーナも、目をつぶる。ルーナも抱きしめキスをした。


システィナは、ルーナの耳元でささやき…2人は、ベッドの中に入ると服を脱ぎだした。

2人は、顎下まで毛布を引き上げ…


「博影も中に…」


かなり強引なシスティナだったが、顔は真っ赤になっている。


「いやいや、シス、ルーナまだ明るいよ」


「ダメ、博影様…私、ほかの男に触られて汚されました。博影様が、きれいにしてください」


…触られたって、服の上からだし…胸をもむようなことはなかったし…


と、オジサン的な考えの博影だったが、システィナと、ルーナが若干涙ぐんでいるのを見ると…


…そうだな、俺と付き合うまで男性と付き合った経験はなかったのだし、シスもルーナも、男性嫌いだったわけだし…心の負担は、大きかったかな…


博影は、服を着たまま2人の間に入り2人にキスをし、右腕でシスティナを、左腕でルーナを抱きしめた。




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