第7話 異世界召喚 7
異世界召喚 3日目
パッパッパッパァーン…
パッパッパッパァーン…
ラッパの軽快な音が、澄み切った青空に鳴り響く。
ラッパの音に驚いた小鳥達が、建物の屋根より飛び立った。
「戦より、我がダペス隊が帰城してきたようです」
ティアナは、窓へ駆け寄った。
沙耶も窓へ駆け寄り、博影もベッドより降り窓へ近寄る。
窓より見た外の世界は…
周囲をぐるりと人の背の5倍程の城壁が囲み、その内側には、二階建て風のレンガ作りの建物が立ち並び、街をつくっている。
博影が立っているこの窓は、その城壁に囲まれた街の中心に位置し、小高い丘の上に立つ城だった。
この丘の周りも、外回りの城壁より、若干低めの城壁でぐるりと囲まれている。
「城塞都市…まるで、ヨーロッパ中世の世界だ」
「はい、ここは城塞都市ダペス。イシュ王国領内、ダペス公爵様の納める城塞都市ダペスです」
ちょっと自慢気にティアナの説明が続く。城塞都市ダペスの人口およそ、1万5千人…ダペス領内の町、村を合わせると12万人。
イシュ王国領では、4番目に大きい都市。
今回、イシュ王国第1軍の援軍へ、およそ、1500人の騎士を中心とする援軍を派遣した。
その派遣した援軍が、帰城した合図のラッパだという。
「私、迎えに行って来ます」
援軍は、騎士と市民からなり、戦に城から出て行く時…帰城する時は、城塞都市の市民総出で見送り又、迎えるらしい。
ティアナが、急いで部屋から出て行こうとする。
「ティアナ、自分達も迎えに行ってもいいかな?」
今は、様々な情報を得たい。
「ええ、良いと思います。公爵様の許可を取って参りますから、そこの服に着替えて待っていて下さい」
パタパタと、急ぎ足でティアナは部屋から出て行った。