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第19話 公都ルピア殲滅戦 6

異世界召喚 83日目


城の執務室内にて、ブルガ公爵、騎士バチギと打ち合わせをする


傭兵からの情報は…

城の中で、秘密通路からの監視。そしてその情報は、城壁内の秘密通路の監視兵に伝える

都市・城に残してある、酒や食べ物に手を出すな

戦になったとき、秘密通路より打って出て、ブルガ公爵、騎士バチギ、黒騎士等が逃げられぬよう足止めをする


というものであった

ということは、敵はこちらを油断させ、夜襲を行うつもりであろう

その事を踏まえ博影は、ブルガ公爵へ策の提案を行った


ブルガ侯爵は、博影の提案をしばらく考えていたが…了承してくれた


公都ルピアの市民エリアには、2000名の市民が息を潜めていた

この2000名は、他の都市に親族がいないものばかりであった

他の都市に親族がいなければ、それなりの蓄えがなければ、生きていくことは、難しい


その市民2000人は、市民エリアの西側のエリアへ集め

貧乏くじを引いた、歩兵500名で、市民の監視と門の見張りを行うこととした


他の3500名の歩兵は、市民エリアの建物を利用し祝勝会を

騎兵は、貴族エリアの建物で、祝勝会を

城では、ブルが公爵や、一部の騎士達が城を見物しながら祝勝会を

とそれぞれ、一連の戦の勝利と、公都を無傷で手に入れた事の祝勝会を行っていた

慌てて逃げ出したのであろう、ビール、ワイン、食べ物豊富にあった


その様子を…城の城壁の隙間より…垣間見ているものがいた


「どうやら、うまくいっているようだな」


わずかな月明かりが、城壁の隙間から差し込む。そのわずかな光で照らされた、一人の男がつぶやいた


「ばかなやつらです。こちらにはまだ、ウガン伯爵、騎士トマシェ率いる

ルピア公国騎兵隊200、モスコーフ帝国騎兵隊500、歩兵3000、傭兵1000、が控えているというのに」


傍らの男が同調する


「予定通りだと、ウガン伯爵へ知らせてこい」


「はっ」


傍らの男は、暗闇に消えていった


半時ほど立った、暗闇よりわずかに足音が聞こえる


…んっ? 戻ってきたのか? なにかあったのか?…


城壁の隙間から、目線をはずし、足音のする暗闇へ目を向ける

男の目の先で、きらっとわずかに光るものが見えた

ズサッッ…

男の首から血がほとばしり、男は床に崩れ落ちた



ギッギィー

真っ暗な暗闇に音がきしむ

石壁が開き、中からランプ皿で先を照らしながら、男が現れた

男は、先ほど城壁内にいた男だ


男は、真っ暗なその場所を先に進む

そこは、1000人以上の人が入れるような、石造りの大広間だった

男は、突き当りの壁まで行くと、床の石を一つずつはずし始めた

すると、そこに地下に続く、階段が現れた

はずした床の石はそのままで、その階段を男が下りていく


男が、先へ先へ進んでいき、ランプ皿の明かりも遠のいていき、そこは元の漆黒の闇となった

しかし、その闇の中…壁の裏側の隙間より、その光景をじっと見ていたものがいた

暗闇より、足音が聞こえてくる


「監視兵は始末した…」


「そうか、こちらも敵の本陣へしらせに行ったようだ。博影様へ連絡を頼む」


その騎士は、隙間より顔を離さず報告を依頼する


「わかった、すぐ他の者も送る」


足音の男は、叉暗闇に消えていった

黒騎士(博)は、黒い皮鎧を着け軽装備の格好をし、ブルガ公爵たちと、城の執務室にて祝杯を挙げていた

そこへ、ダペス家の騎士が、ワインをさらにテーブルへ持ってくる


その騎士は、自分でもコップにワインを注ぎ、博影と乾杯し、顔を近づける


「博影殿、そろそろ本陣が動くと思われます」


騎士は、そう告げるとワインと見せかけた水を一気に飲み干し、執務室から出て行った

博影は、ブルガ公爵、騎士バチギと目を合わせ、執務室から出て行った



「そうか、イシュ王都軍は祝杯中か。さすが、スキピオ・ポエロ将軍、モスコーフの知恵と呼ばれるお方だ

ブスタ大平原での、2段構えの強襲策といい、この城を使った、夜襲策といい見事なものだ」


ウガン伯爵は、口元を緩める


公都ルピアより、南へ6キロ下った森の中

ウガン伯爵、騎士トマシェ率いる

ルピア公国騎兵隊200、

モスコーフ帝国騎兵隊500

歩兵3000、傭兵1000、

の部隊が、松明も使わず森の中で息を殺していた


ルピア公国は小国ながら、商業都市として潤っていた

その資金力で、王族・貴族の脱出用に、城の地下1階から、この森までトンネルを作ってあった

このトンネルは、いざという場合に物質も運べるように、馬車が余裕で通れるほどの大きさであった


南の都市に駐屯しているが、

ブスタ大平原で勝利した場合…

敗北した場合…

と、モスコーフ帝国の知恵と呼ばれるスキピオ・ポエロ将軍は、ウガン公爵へ策を授けていた


敗北した場合…それは…

脱出用のこの秘密のトンネルを使い、公都ルピアを占領し、油断しているイシュ軍へ夜襲を仕掛けるというものだった


そのために、城壁内部の秘密通路や、城の秘密通路に監視兵や傭兵を配置し、都市には、多くの酒や食べ物をそのままにしておいた

その策に…まんまと、イシュ王都軍ははまったと思えた


「城の傭兵たちからの連絡がありませんが…」


騎士トマシェが、すこし疑問を呈する


「所詮、傭兵どもだ。城に残した財宝に目がくらんだのであろう、出陣する。手はずどおり、騎士部隊、傭兵部隊が先行し、その後を、歩兵部隊が進軍することとする」


「わかりました」


監視兵は、先に地中の通路に戻り城へ向かった



城の地下一階…

秘密の通路に潜み、石壁の隙間より監視している

ダペス家騎士の前に広がる漆黒の闇の一部が、うっすらと明るくなってくる


地下へと続く階段入り口が明るくなっていき、先ほど、そこへ入っていった兵が出てくる


兵はそのまま進み、奥の壁にある、階段を上っていく。階段上部の扉を開けようとした


「? もともと硬い扉ではあったが…開かない…」


いつの間にか、後方がかなり明るくなっている

松明をもつ、後続の騎士たちが、次々に、地下通路からの階段をのぼり、この城の地下一階の大広間に集結しつつある


その騎士の数は、約700

騎士がそろい、次に地下の階段より、傭兵部隊も次々に地下一階大広間に上がってきた


数人の騎士も、置くの壁の階段を上がり、硬い扉を開けようとする


…この、壁際の並んである樽は何だ…異様なにおいがするが…


「よし、敵の騎士はすべて集まったな」


壁の裏側から、監視していたダペス家の騎士はそういうと、壁から目を離し、壁の隙間を粘土のようなもので埋め

そして、ラッパを吹いた


…なんだ、ラッパの音がする…


敵の騎士たちは動揺した

そのラッパを合図に、硬かった壁が徐々に開きだした


すると、最前列にいた3人の騎士が、階段より飛ばされ床に転げ落ちた


一瞬、ざわつき…全員が扉の方向を注視した

扉奥より、黒騎士が現れると、一瞬、静寂がおとずれた


黒騎士は、壁際の階段を二歩ほど降り、魔法陣を出現させ、黒い剣を構える


その静寂が壊れた瞬間、階段にいる騎士たちが次々と黒騎士に切りかかり、切りつけた

しかし、黒騎士の皮鎧に傷一つつけることなく、黒い剣で、体を半分に割られていく…


すると、黒騎士の後方の扉より、樽が次々と転がり、床に落ち割れていく

中からは、あのギュラー砦で使われている黒い燃える水が飛び散る


次々に…次々に樽が転がり、床へ落ちる。床に黒い水を撒き散らしていく

その黒い水のにおいを嗅いだ、数人の騎士が気づいた


…これは、燃える水…


目の前の敵は、黒騎士1人

1人と安心していたが、気がついた騎士たちは、逆に自分たちがおびき寄せられ、策にはまったことを理解した


数人の騎士が、地下通路に戻りかけたそのとき


扉に松明をもつ騎士が数人現れ、次々に、松明を放り投げた


ボゥゥ~


一気に音を立て、火の手が上がる

壁に置いてある樽に引火し、次々に炎を強くする


黒騎士は、扉の奥へ引き、扉を閉めしっかりとかんぬきをかけた



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