表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/301

第18話 公都ルピア殲滅戦 5

異世界召喚 83日目


敵の傭兵から得た情報を、ブルガ公爵へ報告するため、ダペス家の騎士2人が騎馬にて急ぐ


黒騎士らは、傭兵20人が潜んでいた壁の後ろの隠し通路を調べる

特になにもなかった。おそらく敵兵はいないと考え、ここで二手に分かれる

ダペス家の騎士5人は、そのまま隠し通路に潜る


黒騎士、ルーナ、システィナ、ダペス家騎士3人は、大広間の中央階段を上り、階ごとに部屋をすべて調べていく


「本当に誰もいないな。殺気も感じない、見られている感じもない」


システィナは、かなり気が抜けているようだ


「でも…城の中に、わずかに人の気配を感じるのだけど…」


ルーナは、無意識に魔法陣が発動し、博影の居場所を感知して以来

魔法陣を発動させることや、そのときのように、場所を感知することは出来ないが、人や動物の気配を今までに比べ、はるかに感じれるようになっていた


「そうか、俺にはまったくわからないな。しかし、小国といえど、城のつくり、内装などすごいな、ルピア公国は、かなり潤っていたのだな」


黒騎士は、階段や廊下のあちこちにある置物や壁画などを見て、思わず声をもらす


4階へたどり着く

正面にかなり立派な、扉がある

どうやら王の間のようだ


みな、剣を構え扉をゆっくり押し開く…


そこは、赤い絨毯を敷き詰めた、大きな広間だった

先に人が4人見える

王妃、2人の騎士と…玉座にすわる、少年…


2人の騎士は、剣を構えこちらに近づいてくる


「カバイ、メイリア! もうよいです、下がりなさい」


王妃と思われる女が、騎士2人に命令する


「ユハス様、ご心配無用です。敵は5人、お任せください」


前衛に立つ、ダペス家騎士3人とルーナの間より黒騎士が出る


「しばし待ってほしい、なぜこの城に留まっている? 事情をお聞かせ願いたい」


黒騎士は、剣を納め

カバイ、メイリアと呼ばれた2人の騎士に問いかけた


「貴様は…まさか、黒騎士か…よりによって、悪魔があらわれるとは…神よ、ご加護を与えたまえ…」


と、一瞬胸元に剣を持つと、2人の騎士は、黒騎士へ突進してきた


「みな、手を出すな」


黒騎士は、5人に指示し、2人の騎士へ向かい走り出す


「なっ? 黒騎士様剣を!」


ルーナが咄嗟に叫ぶ


黒騎士は、剣も持たずに突進していく


「くっ、なめるな!」


2人の騎士は、同時に大きく振りかぶった剣を、黒騎士に振り下ろした


黒騎士は、2つの剣をそのまま体で受け、2人に体当たりし跳ね飛ばした


倒れても、なおも短剣を構える騎士に対し、黒騎士は、蹴りを入れ動きを止める


「がっっ…」


ガバイは、小さくうめき後ろへ転がる


「くそっ」


メイリアは、飛ばされた剣を拾い黒騎士の胴を突く

しかし、黒騎士は微動だにせず、逆に突いた衝撃で、メイリアの手から剣が離れた


「話をしたいと、言っているだろう」


黒騎士は、苛立ちメイリアの胴を蹴り上げ、後方に吹っ飛ばした



しかし、2人は苦しみながらも、なおも立つ。玉座の2人を守ろうとする


「やめて、ガバイ、メイリア。もうやめてっ!」


玉座に座る少年が、叫び…


「お母様、もうここまででいいでしょう。ガバイ、メイリアは降伏してください」


「ティーフィ…」


王妃は、少年を抱きしめた。強く、強く抱きしめた。そして、玉座の後ろからコップを取り出し


「ティーフィ、怖くないよ。お母さんも一緒だからね…」


そのコップを少年の口元へ、もっていこうとした瞬間…

ダペス家の騎士の一人が投げた石つぶてが、コップを叩き落した


「あぁー」


王妃が、絶望の声を漏らす

おそらく自決用の毒だろう。黒騎士は、すぐに行動が出来なかった


…さすが、ダペス家騎士…


心の中で感謝した


玉座へ黒騎士が近づく…王妃は、少年に抱きつき、2人の騎士は身構える


「黒騎士様、お待ちください」


ルーナが、黒騎士を呼びとめ、黒騎士の前に出る


「あななたち2人は戦い死ねば良いでしょう。しかし、その王子も殺すつもりですか? その王子を助けたいのではないですか?」


ルーナも、剣を収めた


「貴様に言われるまでもない! ティーフィ様が助かるなら、命はいらぬ。だが、悪魔と呼ばれる黒騎士が、敵を生かすことがあるのか!」


短剣を構えたまま、イリヤが吐き捨てた

優しげに問いかけていた、ルーナの目の色が変わる


「…おまえ、あまり調子に乗るなよ…」


ルーナの口調も変わった…どうやら黒騎士のことを言われ、激怒したようだ


「ルーナ、剣をしまえ」


再度剣を抜き、構えたルーナを、システィナが諭す


「おい、カバイとメイリア…と言ったな! 我らの質問に答えねば、今、王子は死ぬし、答えれば、王子は死なない、わかったか!」


剣を構えずに話すシスティナだったが…その覇気に押され、2人の騎士は短剣を収めた

黒騎士は、頭部の甲冑を脱いだ


「えっ、子供?…若い…」


メイリアがつぶやいた

黒騎士の若い素顔を見て、若干、4人とも力が抜けた

博影の質問に、カバイ、メイリア、王妃が答えていく


どうやら、王妃と王子は身代わりとして、公都ルピアに数日前に連れてこられたらしい

王子といっても、第4婦人の子供で第6継承権を持つ…との事だった


…第6継承権か、領地は貰えず、せいぜい家を名乗る程度だな…


とシスティナは思った

ブスタ大平原での壊滅的な負け戦の後、公都ルピアは守りきれぬと判断され、クラード・ルピア大公、以下ほとんどのものが南の都市へ脱出した


モスコーフ帝国へ、ルピア公国の南の都市・領土を譲り、身の安全を確保した…ということだろう


しかし、領主が何もせず逃げ出したとなると、国として、周りの国々へ見栄えが悪い

その為、領主の変わりに、王子に死んでもらう…という事だった

カバイとメイリアは、ティーフィとユハス付の従士として、騎士として、ティーフィが、幼少の頃より付き添っている


一通り、質問をし、話を聞いた後、1階の大広間へ移動する

ブルガ公爵へ、再度報告に行ってもらう

そのまま、城内でブルガ公爵を待つことにした



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ