第17話 公都ルピア殲滅戦 4
異世界召喚 83日目
…どこからか、わからないが見られている…システィナは、殺気を感じた
幼き頃、
城の抜け道や、来訪者を監視する覗き穴で遊んで、お母様によく怒られたな
こんな時に、思い出すとは…そんな自分に笑いが出て、口元が緩む
さて、どうするか…
「黒騎士、どうする? 先に、城の中をしらべるか?」
博影に近づき、皆がシスティナへ目を向けたときを見計らい
「腹も減ったしな」
と、笑いながらお腹に手を当てる
それが、皆で申し合わせていた中の一つの合図…
「腹は減ったが、なにかあるかな?」
黒騎士は、甲冑の中でちょっと引きつった笑顔で、システィナに返した
その場の全員、聖力を強く動かし始め
軽装備の甲冑の聖石へ聖力をさらに注いでいき¥、防御を固める
その時…
広間両側の甲冑の隙間より、多数の大きな矢が降りかかってきた
全員、防御力を高めていた為、傷一つ、打撲一つ負ってはいないが、あえて、負傷したように片膝をつく
すると、両側の壁の一部が回転し、中から傭兵20人ほどが出てきた
「うまくいきすぎだろ。所詮、騎士といえど、若造だな、不意打ちをくらえば、こんな程度よ。黒騎士も、噂ほどにもなかったな」
隊長と思われる大男が、にやつきながら近づいてくる
「くっ、まさかここで待ち伏せとは…その人数で、我らを倒すつもりか?」
システィナは、苦しげに見上げながら言う
「こりゃいい、女もいたか! 嬢ちゃん、心配するな、俺ら20人だけだ。俺らを気持ちよくしてくれな。あとで、たっぷり可愛がってやる」
傭兵たちは、下品な声をあげつつ笑い出した
「いやいや、男ながらに身の毛がよだつね、気持ち悪い」
黒騎士が、黒い剣を構え立つ
「ですね、黒騎士様。切り刻んでよいですか?」
ダペス家の騎士10人が一斉に立ち、その勢いのまま傭兵に切り込んでいった
黒騎士、ルーナ、システィナは、隊長と思われる大男と、その取り巻きに近づいていく
「ふざけやがって、やれっ!」
大男の取り巻き5人は、3人へ切り込んだ
傭兵たちは…
黒騎士からは、一刀の元、体を半分に割られ
ルーナからは、心臓を一突きにされ
システィナからは、首を突かれ
たちまち3人が絶命する
残りの二人も、黒騎士の剣が襲い、両断にされる
「なっ、ばかな? こんな、ちいさな若造が…女が…このやろうー」
大男は、樽ほどもあるハンマーを振り回し、黒騎士をなぎ払おうとした
ギャィ~ン~ン
甲高い音が響く
システィナが、ハンマーの振る方向へ剣をあわせ、相手の力を利用し、ハンマーを跳ね上げた
すかさず、ルーナが大男の右肩に切りつける
「ぐわっ、いてぇーっ」
大男が、思わず右肩をかばう。その隙に、左肩も切りつける
5分かからず、大男以外全員絶命した
周りを全員で囲む
「さて、どこから刻んであげようか…」
と言うが早いか、システィナの剣は大男の右耳を切り落とした
「ぎゃっ、ひぃぃー、助けてくれ、助けてくれ」
両肩、右耳より血を流しながら男は懇願する
「命は助けてやらんでもない、洗いざらいしゃべればな
それに、内容次第では、お前は死んだことにし、逃がしてやってもよい」
黒騎士は、男に逃げ場を与えながら言葉をまつ
「黒騎士殿、殺してよいのではないですか、こういう輩は、本当のことは言わぬものですし、時間がもったいない」
ダペス家騎士の一人が、剣を振り上げ今にも男へ振り下ろそうとする
「待ってくれ、待ってくれ、言う、言う、よい情報がある。だが、本当に助けてくれるのか?」
あふれ出る血を抑えながら、男は黒騎士を見た
「おまえは、交渉できる立場なのか?」
システィナは苛立ち、男の首筋の皮膚一枚を切った
「ひぃぃ~」
男は後ずさる
「まて、そうだな。では先に治療をしてやろう、お前ごときに力を使うのも惜しいが…」
黒騎士は、魔法陣を出現させ男を治療した
「どうだ、痛みも消えただろう?」
黒い剣の切っ先は、男へ向けたまま問いかける
「痛みは消えた…」
男は、多少安心し喋りだした
半時後…
「なるほど、確かに有益な情報だな。ありがたい」
黒騎士は、剣を納めた
「へ、へ…黒騎士殿、よい情報でしょう」
上目遣いに、男は媚びる
「あぁ、礼をいう、ありがとう」
と、システィナは大男に声をかけながら、倒した傭兵の剣を持ち男の顔面に切りつける
「ひぃぃ~、何をする。俺は、喋ったじゃないかっ、約束は、約束は…黒騎士、約束は?」
懇願しながら、後ずさる
「おまえ、約束を守ったことがあるのか? いままで、多くの戦場で女をなぶってきただろう? 切り刻んでやる」
システィナは、男の足…手首…腕と切り落としていく
男が、最後の懇願をし…システィナは、男の首を切り飛ばした
…これも、この男の業による報いか…
黒騎士は、足元に流れ寄る血だまりを見つめながら、自分の業も思い浮かべた




