第6話 異世界召喚 6
異世界召喚 3日目
【登場人物】
博影:義理の娘と共に異世界召喚された主人公。理由は不明だが、召喚された際に15歳に若返り、そして、治癒の力を持つ魔法陣を扱えるようになった。
沙耶:義理の父と共に異世界召喚された元気な高校2年生。
ティアナ:異世界召喚の儀式を行った15歳の少女、聖イシューレ教に仕える助祭。2人のお世話係となっている。
無理矢理召喚されたが、人権意識などない世界で理屈を言っても、せんないことだ。
まずは、沙耶を守り生き抜く事を優先しないと…
トントン…壁がノックされる。
「お食事をお持ちしました」
「ありがとうございます。どうぞ」
ティアナが返事をするよりはやく、沙耶が対応する。
薄い緑のロングスカートに、白いエプロンを備えた女性二人が、おぼんの上にパンやシチューのような物が入った器を乗せ部屋に入ってくる。
ベッド横のテーブルに置いて下がって貰い、沙耶と食事にする。
パンは硬いが、シチューはカボチャ風味で案外いける。
「どうですか? お口に合いますか?」
ティアナが、少し心配そうに聞いてきた。
博影が目覚めるまでの二日間…ティアナは、沙耶やこの部屋のお世話がかりをしながら、沙耶に自分らの元の世界の食事とか、生活様式を聞いていたらしい。
そして、沙耶の食事に対する忌憚のない意見などにより、かなり、違いがあると思ったようだ。
なので、そんな質問が飛んでくる。
「おいしいよ、塩味?がきいてるね」
「こちらの世界は、私達の世界の食べ物と素材は似てるけど、調味料はかなり違うみたい」
なんにしても、暖かな食事はありがたい。
沙耶、ティアナとしばし穏やかな時が過ごせた。




