第4話 異世界召喚 4
異世界召喚 3日目
【登場人物】
博影:義理の娘と共に異世界召喚された主人公。理由は不明だが、召喚された際に15歳に若返り、そして、治癒の力を持つ魔法陣を扱えるようになった。
沙耶:義理の父と共に異世界召喚された元気な高校2年生。
ティアナ:異世界召喚の儀式を行った15歳の少女、聖イシューレ教に仕える助祭。
トントン
右側にある、木の扉よりノックする音がした。
「は〜い、どうぞ〜」
ベッドに腰掛けていた沙耶が、立ち上がりながら躊躇なく答えた。
扉を開けて、薄手の白いローブを羽織った、小柄な中学生くらいに見える少女が入ってくる。
「良かった、博影殿は目を覚まされたみたいですね」
まるで白人とアジア人のハーフの様な少女は、こちらへ近づきながら話しかけてきた。
この少女は…あの、円陣の外に倒れていた少女のようだ。
「博影殿、ご気分は如何ですか?」
左側に立つ沙耶の傍らまで進み、自分に話しかけてきた。
「こんにちは、気分はいいですよ、問題ないですよ。腹減ってる事と、戸惑っている事以外はね」
思わず意地悪に答えると、その少女も、思わず苦笑する。
「ひろ! ティアナにそんな言い方しちゃだめでしょ!」
沙耶が、両手を腰に当て、まるで弟を諭すように博影にいう。
キョトンとする博影に対して、目配せする沙耶。よくわからないが、成り行きに乗ろう。
「いや…ごめん…」
軽く頭を下げる。
「そんな、博影殿気にしないで下さい。果物むきますね。食事は、もうしばらく掛かりますので果物を食べていて下さい」
…ティアナと言うのか…
シゲシゲと顔を見つめていると、視線に気づいたティアナの顔が真っ赤に染まった。
ティアナがむいてくれたりんごのような果物を、3人で食べながら…
「ティアナ、聞いていいかな?」
博影から、切り出す。まだ、顔を真っ赤にしたままティアナが答える。
「はい、どうぞ。その事も含めて、公爵様より承っておりますから」
そして、今の現状について、ティアナにあれこれと質問した。