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第4話 夜襲からの撤退 2

異世界召喚 26日目

挿絵(By みてみん)






ギュラー砦から、夜襲隊撤退援護に出撃した歩兵部隊は場内に戻り、その広い正門裏で迎撃態勢につく。


騎兵部隊は、撤退してきた満身創痍の騎兵に、すれ違いざま声をかけつつ全速で敵追撃隊へ向かった。


最後尾の50騎の味方とすれ違った直後、敵の追撃騎兵部隊の中央から、左側をかすめるように突撃していく。敵騎兵の盾を持たない左側から突撃し、ランスで30騎ほどの騎兵を馬から落とし、敵左側の足を止める。

そして、そのまま止まらず左側に弧を描き、全速で撤退態勢に入った。


「あの騎士隊の指揮官、やるな…」


その様子を見ていた右側森に待ちぶせし、打ち合わせ通り追撃態勢を取っていた傭騎士隊の部隊長は、敵であるがその統率力に感嘆した。


一旦は、敵追撃隊の右側の部隊まで戸惑い、騎兵のあしが鈍ったが、すぐに態勢を立て直し、救援隊に迫りつつあった。


「くっ、このままでは、敵の右側の部隊に追いつかれる…」


イング公爵が絞り出すように呻いた。



…このままじゃまずい、追撃部隊の右側を止めないと…



博影は術袋から、アーチェリーとダペス家より貰った長弓用の矢と黒い術袋に入っていた矢を出した。


自分は、人の命や人生に関わる仕事をしてきた、この世界でもそうしてきた。

その自分が、人を撃つ…人を殺す…

その道具に、父の形見を使う…


「父さん、ごめん…」


背筋を伸ばし、両手で押し広げるように絞った。父の改造した、望遠機能を持つ照準器で狙いを定める。


「距離200…」


バシュ…


放たれた矢は、真っ直ぐ敵の前列に向かい…敵の甲冑に当たり砕かれた…敵は止まらない。


「やはり、聖石で防御力を上げているか…」


この世界では、弓は歩兵にしか効かない。騎士は、聖力を使い聖石を埋め込んだ甲冑や武器を使う。聖石で防御力の上がった甲冑は、矢を通さないのだ。


博影は、足元より魔法陣を出し、魔法陣を、矢の先10mで時計回りでゆっくり回転させ始めた。剣を使えない博影は、弓で戦うしかない。

甲冑を貫く為、王都で練習した事を……今…


黒い術袋から取り出した、矢尻が黒い矢を引き絞り、回転が速くなっていく魔法陣の中央へ放った。


矢は、魔法陣中央を貫く際……吸い込まれる様に加速し、さらに矢を薄い黒い霧が包む。

まるで、矢先から、黒い霧が流れ出しているかの様に…


矢は、一瞬で敵前列の騎兵の体を貫き…そのまま、後方の2人の騎兵をも貫き、地面へ刺さった。

貫かれた騎兵の体には、拳大の穴が空き。血を吹き出しながら倒れた。


周りの騎兵は、何が起こったかわからない。第2、第3、第4と、約20秒間隔ごとに、矢は放たれた。

その度に、数人の頭を、腕を、足を吹き飛ばし、体に穴を開け、追撃隊前列に血の水溜りをつくった。


前列の騎兵は、ようやく矢で撃たれている事に気付きはじめ、術袋から盾を出し構えた。


しかし、黒い矢は、その盾さえも貫き、騎兵の体に突き刺さる。


「全軍、下乗。ランスを置き、盾を全力で構えろ!」


追撃隊指揮官が、大声で命令する。全軍下乗し、術袋から出した大楯を前面で構え、聖力を集中させた。

博影が放つ黒い矢は、大楯に深々と刺さるが、もはや貫く事は出来なくなった。


夜襲隊、救援隊とも場内に飛び込んだ直後…


「橋を上げ、城門を閉めろー」


イング公爵が、叫んだ。


城壁上にいる兵士やベレッタは、博影が射た弓の威力に…呆然としていた。


敵追撃隊と、森からの増援隊は、ギュラー砦前方、200m程の所で、大楯の防御陣を引き…止まった。


一瞬の間が出来…


次の瞬間、間が崩れた。


森から、20騎程の騎兵隊が飛び出してきた。



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