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第1話 出発の朝

異世界召喚 24日目


挿絵(By みてみん)




出発の朝


珍しくチェルに起こされなかった…と、思ったらチェルはもう起きて、前足で毛づくろいをしていた。


隣で眠る沙耶の寝顔が可愛いが、目元には…涙の跡があった。


…沙耶、ごめん…必ず生きて帰る


沙耶の涙の跡を、そっと指で…なぞり消した。

そして、沙耶を起こし身支度を始める。


ダベス邸前で、出発の挨拶をカローイが行った。


見送りの者も含め、市民街と貴族・騎士エリアを結ぶ門前に集合した。


王都への旅路で、いかに体力がないか、馬に乗れた方が良いかわかったので、博影と沙耶は、馬の乗り方をルーナに習っていた。

博影は、剣の使い方も習ったが、まぁ体力をつける為くらいのレベルだった。


整列する前に、馬の手綱をルーナに任せ、沙耶を抱きしめる。


「沙耶、必ず帰ってくる。父さんを信じてまってて」


沙耶の髪を撫でる。沙耶はぐっと我慢しているが、目からは涙が溢れそうになっている。

沙耶は、博影を力いっぱい抱きしめた。


「絶対、絶対帰って来て。帰って来ないと、一生許さないから」


そういうと、沙耶は博影に強くキスした。博影も…しばらく強く抱きしめた。

唇を離し…


「沙耶、行ってくる」


博影は馬に乗り、手綱はルーナに任せた。


「沙耶からは、一時も離れずつきます。安心して下さい。それと、必ず帰ってきて下さい」


ルーナは、胸の奥が苦しくなる。


…出来れば、私が側について博影殿を守りたい…


だが、博影殿が望む、沙耶の護衛を命をかけて行おう。


ティアナも、沙耶に寄り添いながら、博影が怪我をしないように、帰ってくるようにと祈りを捧げた。


出発式が始まる。

ルーナに、手綱を引いてもらいながらカローイの横へ並んだ。


イング公爵が、国王に誓いの言葉を述べ、国王も、イング公爵に騎士達に武運を祈った。


門が開かれ部隊がそれぞれ動き出した。援軍第一陣は、騎兵だけなので、予定では2日でつく。

沙耶にティアナにルーナに手を振り、国王夫妻に頭を下げ門をくぐった。


2つ目、王都の正面の門をくぐった。チェルは、馬が驚かないように、離れた城壁の上から博影を見送った。


そして…


騎兵隊は、馬が疲れて動けなくならないように、スピードを変えながら、都市センデスへ向かった。センデスへは、夕刻についた。


博影は、僅か2週間の乗馬の練習では、部隊のスピードについていけない時もあり、ベレッタや、ダベス騎士隊に手綱を引いてもらったりした。

又、センデスにつく頃には、背中が…足、腰が立たなくなった。

夜、ベレッタの治療を受け早めに休んだ。


翌朝…


ギュラー砦には、目立たないように夜入城する為に、昼過ぎに都市センデスを出発した。

途中から、川沿いに渓谷の間を通って行く。

日が落ち、いつもなら、寝付く時間にギュラー砦の明かりが見えてきた。


ギュラー砦は、渓谷の間にあった。

渓谷の真ん中を、アゼッド川が流れており、まるで、その上に被さるように建てられていた。

中に町はなく、市民がいるわけでもないのに、砦としてはかなり大きいと思う。


どちらが、正門か裏門か…わからない…いや区別のないつくりで、どちらから、攻められても高い防御力がありそうだ。


しかし、砦内に入ると…砦の大きさの割には、兵士が少なく感じた。


…疲れた…


すぐに、ざこ寝の宿舎で横になった。


しかし、カローイ達は今から軍議だという。


…こんな夜中に軍議? まさか、夜襲でもするつもりか…


いやな感じがするが、すぐに眠りについた。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 沙耶の父だが異性として別れがあるかも知れない思いからのキスはいきなり過ぎるが、3周目なので感覚的に良いと思う。 [気になる点] ちょっと本人が困惑する描写と 「沙耶、行ってくる」 ↓ 「沙…
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