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第7話 目覚ましチェル


レナトス暦 7017年


異世界召喚 8日目






顔を、口を舐められる感覚で起きた。


やっと起きたかと、言わんばかりにチェルは、博影のお腹を前足で踏んづけて、隣の沙耶の顔も舐め出す。


チェルは、いつも朝が早い。こうして低血圧で朝が弱い自分を、起こして貰うのはいつもの事になっていた。


沙耶も起きた。

すると、チェルは隣のベッドに飛び移り、ルーナと、ティアナの顔を交互に舐め始めた。

心なしか、舐め方が荒い。


「ひゃっ!」


2人同時に起きて、数センチ目の前のチェルにびっくりし、声をあげた。

起きた事を確認すると、チェルは、ベッドから飛び降り、椅子に座った博影の足元へ座り、満足げな目で博影を横目でチラッと見上げた。


チェルは、ティアナやルーナの顔を舐めたりするような、親愛の情を2人に示した事はない。

少々荒いが、昨夜の話を聞き、仲間と認めたという事だろう。


すると、扉を開けてカローイとベレッタが入ってきた。

2人椅子に座り、ティアナ達はベッドに腰掛け話を聞いた。


昨夜、バーツ公爵の使いのものと会って話をした。


明日夕方、テレジア王妃との面会の約束を取り付けてある。

王都では、あくまで巡礼者を装い行動する。王都のダペス公爵邸、バーツ公爵邸には接触しないように…との指示があった


今から支度を済ませて、一時後、川船で出発する。


異世界召喚された博影の事、博影が行った治癒術の事など、王都の貴族の間には、まだ伝わっていないが

イング公爵や、ブルカ公爵が、もし、密偵をダペス城に放っているなら、そろそろ伝わる頃かもしれない。


カローイとしては、今日、王都へ着き次第面会させて頂きたい所だが、国王が、病に臥せった事で多忙になっている王妃の予定を変えられない。又、無理に変えると気付かれる恐れもある。


この交通事情が悪い時代では、そうそう情報は回らないと思うが、今回の件は、かなり慎重に動いているようだ。

まぁ、自分達もダペスから2日でついているので、この時代の交通事情でも、ダペス城から、バーツ城までのように石畳で整備されていれば、かなり早い。

それを、考えると自分達がバーツ城に来ている事などは、伝わっていないが、異世界召喚が、成功した事は伝わっているかもしれない。


まぁ、こちらの世界の事情を知らない者が焦ってもしょうがない。

すぐに、出発の準備をし、宿を出た。


水上都市バーツ…


まだ、うっすらと明るくなって来ているが、朝日はのぞいていない時間帯。

早くも、道には港へ向かっているのであろう人々や、荷馬車が動いていた。その者達を相手に、朝市が開かれている。

朝市で、朝のご飯の代わりに、ベレッタがパンやチーズ、干し肉、飲み物などを買った。


バーツ城。門をくぐり川向こうの出城のようになっている港へ向かう。


カローイが、手続きを済ませ、7〜8人乗りと思われる川船に乗り込む。

チェルの事を何も言われず、こちらに関心がない雰囲気を醸し出す。どうやら、船頭2人は、バーツ公爵が手配している者達のようだ。


桟橋から、ゆっくりと離れ…船頭が、後ろで櫂を操り出し…ゆっくりとした川の流れに乗って、船は進み出した。


周りの数艘の舟との距離が離れると、船首にいる船頭とカローイが、小さな地図を広げ話し出した。


カローイに、任せ、先にベレッタが、朝市で買ったパンなどを頂くとする。

船旅を楽しみながら、朝食とは…なかなか贅沢な時間である。


皮で作ってある、水筒の飲み物を飲む。水かと思ったら…


「ベレッタ、これは水でなくてワイン?」


苦笑いしながら聞いた。


「えぇ、食事で頂くものより、少し薄めだけど?」


ベレッタも、皮袋の水筒でワインを飲む。


どうやら、こちらではワインは水分補給を兼ねる飲み物でもあるのか…

たしかに、水は長旅では腐るし、お勧めではないだろうが…


沙耶が、ワインを飲む量に気を配りつつ、周りの景色を楽しみながら、王都へ向かった。




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