表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚戦記 ~チートな治癒魔法陣で異世界を生きてゆく~  作者: クー
第1章 異世界召喚 城塞都市ダペス
16/301

第15話 ダペス公爵家族との食事 2

若干、場が暗くなりかけた…


「博影様は、前世界では奥様はおられたのですか?」


ティアナが、まったく場を読まずに聞いてきた。


「40歳ですが、独身でしたよ。女性にご縁がまったくありませんでしたから」


おどけて返事するが、本当の事だ。


「そうですかぁ、奥様はおられないのですね。良かった」


そういうとティアナは、にっこりと微笑んだ。


「良かった? どういう意味? いくら、ティアナでもお父さんはあげないから!」


ティアナの方を向き、腕組みして威圧している。沙耶は、本気のようだ。


「あら? ティアナは、博影の事が気になるの?」


アンジェが、楽しそうに絡んでくる。


「いえ、あの気にはなりますが……あの、博影様のお役に立ちたいというか、あの…」


顔を真っ赤にしながらも、博影の方をチラチラ見ながら答える。


「博影さまぁ〜? なに、お父さんの呼び方変えてるの?」


もはや、沙耶も周りが見えていないようだ。


「んっ」


一息、ベレッタが入れる。


「その事は、後で3人で話し合う事にしてもらって」


うまいタイミングで、ベレッタが絡んでくれた…が、公爵やアンジェは悪戯っぽく笑い残念そうだ。


「ところで、博影。昼間は、深く傷ついた兵士の治療をして頂き助かった。なにかお礼がしたいと考えているのだが、なにか希望はないか?」


顔は、満面の笑みをたたえる公爵だったが、そのまま、言葉通りに捉えるわけにはいかない。


しばし、言い方を考えた。周りも食事をしながら言葉を待つ。


「この世界に呼んで頂いた事は、何かの縁と思っています。私は、今まで人とのご縁を大切にして生きてきました。

この世界にご縁を頂いたのですから、公爵や皆さんより、

…もうする事はない…

と、言われるまでこの世界で生きていくつもりです。

ただ、私も人の親ですので、もし、前世界に帰る機会が出来たなら…沙耶は、前世界に返したい…それが、願いです。

前世界には、沙耶の妹、知沙や祖母がおりますので」


公爵の両目をしっかりと見つめ、返答した。沙耶が何か言いかけたが、了承するかどうかはさておき、知沙の事を出されては、この場では意見は言えなかった。


「了承した。他にはないか?」


公爵は、待遇や物も願い出るかと考えているのだろう、さらに聞いてきた。


しかし、博影には沙耶の了承が取れれば、特に他の望みはなかった。


「しいて言えば、召喚された部屋を見て見たい事と……召喚時にいた、人と魔物に会って見たいですね」


公爵は、物を欲しない博影の奥底をやや気にした。悪い意味ではないが、物を欲する者はコントロールしやすいからだ。


「まったく問題ない、了承した」


公爵も、博影も、この場ではっきりさせておきたかった事がすみ、その後は全員が混じれるような、取り留めもない話題で夕食は終わった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ