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異世界召喚戦記 ~チートな治癒魔法陣で異世界を生きてゆく~  作者: クー
第1章 異世界召喚 城塞都市ダペス
15/301

第14話 ダペス公爵家族との食事 1

レナトス暦 7017年


異世界召喚3日目


一時間後、ティアナが迎えに来てくれた。


城内、左側に建つ公爵邸内に入る。入り口右側の広間にテーブル、椅子が用意してあった。

給仕役であろうか、2人の女性に促されテーブル左側に…


奥より

博影、沙耶、ベレッタ、ティアナと座る。

飲み物が出され、勧められる。果実酒だろうか…飲みやすいがお酒類は、冷たい物を飲んでいたのでぬるい飲み物が出された事に驚く。


「遅れてすまない」


公爵と数名が広間に入って来た。椅子から立ち、頭を下げる。

と…いうかベレッタやティアナの通りに真似をする。

公爵は、テーブル奥に立ち、右側に家族が並んで立つ。


「みんな座ってくれ」


果実酒を一息に飲み干すと…


「今日は、お互い無礼講でいこう。こちらから、挨拶させてくれ」


こちらは、かなり緊張していたが、それを見越してか、公爵はルーズな雰囲気に持っていく。


公爵自ら

フェレンツ・ダペスと名乗り

妻、アンジェ

長男、カローイ 22歳

次男、フェルディ 18歳

長女、マリア 12歳

と、家族を紹介し、

ベレッタ、ティアナの紹介までした。

ベレッタとティアナの強張った表情をみると、かなり意外な展開なのだろう。


おそらく…

異世界の自分達の緊張をほぐす為であろうし、又、なかなかこういった時間は取れないだろうから、多くの情報を引き出そうと考えているのだろう。


こちらも、公爵が座ったままで良いと言うので、着座したまま…


熊谷 博影 15歳

沙耶 17歳


ついでに…前世界での職業…医療職の話や、沙耶は、学生…修道者のような立場と説明しておく。

特に沙耶の立場を説明しておかないと…沙耶を巻き込みたくはない。

まぁ、弟役の自分が先に働いて、姉が学生というか、修行中というのもおかしな話ではあるが…


テーブル手前に大きな皿にいくつかの食材が盛られており、給仕役の女性2人が、小皿に盛りそれぞれの前に持って来てくれた。

パンや、ソーセージ、豚肉と野菜を炒めた物や、鶏肉のシチュー、野菜のスープ等が並んだ。

飲み物として、大きな木のコップに注がれたビールと思われる物も出てくる。

農業主体と思われる、このような世界でビールに出会えるとは…


でも、ぬるそうだ…


「では、頂こう。神の祝福に感謝し……、乾杯」


軽く、木のコップを掲げ一口飲み、ベレッタやティアナを横目で見ながら食事をする。

ナイフ、フォーク、スプーンの3つが、テーブルに置かれていたのだが、使い方は共通らしい。


公爵の話中心に会話が進む。息子達の話や、娘の話…お酒の話など


公爵の、本音であろう家族のたわいも無いありふれた話から、家族を大切にしている事が、端々から伺える。


ふと、前世界の知沙の事…まだ、祖母と家族4人で過ごしていた普通の、毎日が代わり映えのしない生活が思い出される。


…なんでも同じだな。失ってから、そのありがたみに気づくものだ…


「沙耶、どうしたの?」


ふいに、公爵の妻、アンジェが沙耶に声を掛けた。


沙耶をみると、うっすらと目に涙を浮かべている。私と同じように、思い出したのだろう。


「あっ…いえ、大丈夫です。公爵様のお話を聞いていたら、羨ましくなってしまいました」


舌をペロッと出し、自分で自分の頭を小突いている。

アンジェは、優しい笑顔の中にも目に寂しさを浮かばせ、まるで沙耶の事を…この境遇を、一瞬申し訳なさそうに一瞬目を伏せた。


沙耶の頭を撫でる。


「お父さんまで、もう〜」


沙耶がおどける。


「お父さん??」


ベレッタが、何気に聞き返す。


「博影、弟ではなく、お父さんなの?」


場を和ませるように、ちょっとからかい口調で絡む。


しかし、沙耶にはこの些細な絡みを返す余裕がなかった。


「いゃ、えっと……本当は、お父さんです…」


よっぽど、家族を思い出し…うっすらと、涙した事を指摘され場の雰囲気を固めた、と考え焦ったのだろう。


沙耶にしては、珍しく焦っていた。


いや、これもついでだ。全員が注目している中で、ごまかして良い事は何もない。


「すいません、公爵様。実は、沙耶は私の亡くなった姉夫婦の子供で、5歳の頃より、私の娘となっています。私は、前世界では40歳です。

なぜかわかりませんが、こちらに来た際に、かなり若返ってしまっていました。そこで、周りの方々に、変な疑念を持たれないように、兄弟という事にしていました」


「若返りですか?」


ベレッタが、信じられないという表情で聞く。


「私達にも、わかりません。前世界でも、若返りの方法などは、ありませんでしたから…」


「そうか……いや、異世界からの召喚などという理解できない事もあるのだから、理解しようとする方が、間違っているだろう」


淡々と現実を認める公爵に対しさすがに、こころの中では…


…あなたのお陰なのですが…


と、少し悪態をついた。



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