第13話 ダペス公爵より、夕食の誘い
城内の本館3階の自分達の部屋へ戻ろうと階段を3人で登る。
3階にあがり女性騎士に挨拶し部屋に戻ろうとすると、女性騎士より、部屋で助祭ベレッタが待っている旨を伝えられた。
扉を開け室内に入ると、ベレッタは、椅子に腰掛けていた。
ベレッタは、椅子から立ち上がり、
「博影、今日はありがとう。本当に助かりました」
「いえ、そう言って頂けるとありがたいです。私でよければ、又何かあれば、お手伝いをさせてください」
軽く会釈をしながら返答する。
「ありがとう、ぜひ、今後ともお願いしたいわ」
ベレッタから、差し出された右手を握る。
「2人とも、夕食は、公爵様より一緒にと仰せつかりました。そちらへ、服を用意しています。一時間後、お迎えに参りますね」
この、体も精神も疲れているなかで、食事のお誘いはあまり嬉しくないが、この城塞都市ダペスの領主、ダペス公爵の話は是非聞きたい。
「ありがとうございます、宜しくお願いします」
このような時にする挨拶など、さすがに分からないが、気持ちが入って入れば失礼にはならないだろう。
「それと、ティアナ。あなたも、公爵様より呼ばれています。一時間後、博影、沙耶を、公爵邸の一階の広間にお連れしなさい」
「えっ? 私もですか…」
ティアナにとっては、かなり意外な事らしい。
「わかりました、すぐに準備してきます」
ティアナが慌ただしく退出し、その様子に苦笑しながらベレッタも退出した。




