表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚戦記 ~チートな治癒魔法陣で異世界を生きてゆく~  作者: クー
第1章 異世界召喚 城塞都市ダペス
12/301

第11話 魔法陣出現 2

異世界召喚 3日目

城塞の見張り台より見渡せる、一面を包み込むような夕日の中で、見張りの兵士も幾分気を許していた。


公爵邸の2階、フェレンツ・ダペス公爵の執務室へと続く階段を、白いローブを纏った女性が登っていく。

階段を登りきった所に立っている衛士に…公爵様より呼び出しを受けた…旨を伝え、取次を依頼する。


執務室の中に入った衛士より…


「どうぞ」


と、声が掛かった。


「失礼します。助祭ベレッタ参りました」


一礼して入る。執務室の中には、長い20人近く座れそうな大きな机があり、奥に公爵がすわり、横に立っている騎士風の男性と話しながらペンを走らせていた。


「ベレッタ、負傷兵の治療、御苦労だった。こちらに座りなさい」


公爵より声が掛かり、ベレッタは公爵の右側の席に座り、男性騎士は左側に座った。


衛士は、部屋から退出し元の場所にもどった。


「で、ベレッタどうだったか?」


忙しそうに走らせていたペンと、多くの書類を横に押しやり深く椅子に腰掛け、やや目線を上に向けながら公爵が聞いた。


どのように話せば良いか…迷う。

どこから話せば良いか…迷う。


それほど、助祭ベレッタには、博影の魔法陣による治療は衝撃だった。

なかなか話し出そうとしないベレッタに、男性騎士は少しだけ苛立ちの表情を浮かべるが…


「ベレッタ、それほどのものだったか…」


公爵は、まるでベレッタの迷い、動揺を察するように優しく話しかける。


「はい、あのような治療方法…見たことがありません。私達が使う聖術とは、大きく異なっていると考えます。

あまたの大司教の方々が、記した治癒術書にも似たようなものはないかと思います」


矢継ぎ早に一息で話しきる。


「そうか…期待して良いか…」


公爵が椅子から背を離し、目線をベレッタに向け机に肘をつき、両手を組み合わせながらたずねる。


「はい、博影殿であれば、必ずご期待に添えるかと…」


問いかけに対する返事を一礼しながら行った後、通常では失礼になるが、公爵の目を強く見続けながら述べた。


「あの者は、どのような気性か? まだ、若いと思ったが? 12歳のマリアに近いのではないか?」


「15歳と聞きました。又、重傷者の治療時の接し方、声かけなどから察しますに、前世界でも方法は異なると思いますが、治癒師のような役割をしていたのではないかと思います。

又、気性は…

よく言えば、慈愛に満ちています。

悪く言えば…

この世界で生きていくには甘いかと…」


言葉はきついが、ベレッタの口調に棘はない。博影の優しすぎる気性を心配しているようだ。


「そうか、わかった。夕食を共にしてみよう。ボッシュ、ベレッタ、夕食に同席するように」


少し考えて…


「ベレッタ、ティアナにも同席するように伝えておきなさい」


「はい、承知致しました」


ベレッタは、席より立つと公爵、騎士ボッシュへ深々と頭を下げ執務室より退出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ