表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚戦記 ~チートな治癒魔法陣で異世界を生きてゆく~  作者: クー
第1章 異世界召喚 城塞都市ダペス
10/301

第9話 異世界召喚 9

異世界召喚 3日目


トントン


「入って良いですか?」


「どうぞ」


窓際からはなれ、2人はドアへ進む。扉を開け、ティアナが入ってくる。


「公爵様の許可を得ました。さあ、行きましょう」


扉を開けたまま、私達が進むのを待ってくれている。ティアナも着替えてきていた。

白いローブに身を包み、先ほどと少し雰囲気が違う。


ありがとう


軽く会釈して、2人とも扉から廊下へ出る。扉を閉めティアナが先に進み、途中、廊下に立っている女性騎士に…


「軍のお迎えに行ってきます、公爵様の許可が出ています」


と、報告し廊下の奥に進んだ。

少し薄暗い中、建物の端まで進み、階段を降りる。どうやら三階の部屋にいたようだ。

廊下や階段の途中には、壁に直接彫り物がしてあったり、花が活けてあったりしていたが、どちらかというと質素な感じの、飾り付けに見えた。


一階まで降り建物中央に進み、衛士の立つ大きな扉から広い中庭に出る。


…これは広い…


数棟の建物に囲まれ、小学校の運動場程ある。

建物付近は花壇で飾られているが、中庭自体は…まるで人が集まる事を想定しているのか、何もなく、石畳で埋め尽くされているだけだ。


この公爵様の屋敷と思われる建物を囲っている、人の背丈の倍はある城門から出て、ゆったりとした丘を下る。

この丘と、町との間は50mほど離れており、まるで…


屋敷を取り囲む壁の外を50mの帯で一周取り囲むように見える。

雰囲気は、ノスタルジックで優雅に見えるが戦を考えて、工夫が凝らされている所に生々しさを感じた。


人々の歓声が立ち上がる。歓声が途切れなく響き渡る。


かなり先に見える外側の城塞から続く大通りを、先頭を馬に乗った騎士団が進んでくる。


ティアナと私達は、ようやく大通りの両側に続いている人混みの隙間を見つけ、人混みの前列に進んだ。


遠目からみていると…太陽?の光に照らされ騎士の鎧が所々光って見え、弱冠威圧される。

馬も、鎧が着せてあり威風堂々として見えた。


目の前を騎士団がすぎ、市民の勤めとして招集されているという、市民の歩兵部隊が続く…


ここまでは、良きも悪きもその姿に圧倒され、また格好良さも感じていた。


続く隊列は、負傷者の隊列だった。

ほとんどの負傷兵が、荷馬車に乗っているが…荷馬車の様子から、長く進んで来た様子には見えない。

おそらく、城塞都市の近くまで歩いて来て、やっと荷馬車に乗れたのではないかと思う。


…生々しい光景だった…


あちこち巻かれた包帯は、血で汚れ

大きな歓声の中…

身じろぎも出来ずに、荷馬車に横たわる兵士達…


1500人の軍だと聞いていたが、かなり減っているように思えた。


最後の荷馬車まで見送り、町の市民が解散していく中…


「博影殿、私はこれから負傷兵の治療に行ってまいりますので、そろそろお屋敷に戻って良いですか?」


何か言いたげに、博影の目を少し覗きながらティアナが戻る事を促す。


分かっている…

この世界で生きていく為には、自分の役割を見いださなければ、


やれる自信はない

ただ、あの時の感覚…腹部の奥に、ある感覚…部屋を出た時から数回試しているが、そこに感覚を少し集中させると、体全体に力が行き渡っていくような…あの時の感覚が残っていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ