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バイオメタルドール  作者: 坂井ひいろ


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80/113

A02-04

ドン、ドン、ドン、ドン、ドン。


 三友重工業の重機動歩兵WZ01の走る姿はテレビで見たゾウの走りにそっくりだと神崎彩菜かんざきあやなは思った。身長は『バイオメタルドール』とさほどかわらず、スピードもなかったが戦車を思わせる重厚な作りは、周囲に威圧感をまき散らす効果があった。

 うなりをあげている右腕のチェーンソーがいかにもといった感じだった。あれなら触れるだれで『カイラギ』の首をたやすく切断できるだろう。しかし、あんな重装備では解体型の『カイラギ』ならともかく、俊敏な戦闘型とどうやって戦うつもりなのだろうか。左腕の巨大な大砲のようなものが気になった。

 神崎彩菜は手に持つ刃渡り2メートル超の日本刀を『バイオメタルドール』の目を通してながめた。WZ01の装甲をこれで切断できるだろうか。仮に切断できたとしても刃こぼれはやむなしといったところだろう。また、刀鍛冶の親方に怒られそうだ。

 彼女が戦い方を思案しているときに重機動歩兵WZ01の左腕が動いた。大砲がBMD-A01をとらえる。

ボス。

30センチほどの黒いボールのようなものが発射される。戦車と同じで砲の向きで狙った方角がわかった。BMD-A01は横に飛びのいてそれをよけた。黒いボールは弧を描いて飛び、高速道路のアスファルトの上に落ちて飛び散った。

「なに」

ボス。ボス。ボス。

たて続けに3発のボールが発射される。BMD-A01は飛び跳ねながらそれをかわした。

オー。

お偉方が参席するビルの屋上からどよめきが聞こえてきた。


「みたか。三友と軍が開発した秘密兵器だ。あれは強力な粘着物質でできている。あれにとらえられたら『カイラギ』と言えども身動きできなくなる。あとはチェーンソーで首をいただくまでた」

陣野真由じんのまゆの隣に座る軍服に身を包んだ男が解説した。

「逃げ回ることしかできんのか。たわいない。いつまで逃げ回れるかな」

ズボッ。ズボッ。

今度はボール状ではなく、ネット状のものが発射された。BMD-A01は辛うじてそれをよけた。

オー。

再びどよめきがわきあがる。


「当たらなければ意味ないよ」

BMD-A01は跳躍力を生かしてよけて回まわり、少しずつ距離をせばめて間合いをつめた。着地と同時に腰を落として、WZ01のもとまで走る。左腕に向けて日本刀を振り上げながら走り抜けた。砲の根元から切断されたWZ01の腕がドスンとアスファルトに食い込む。WZ01はあわてて右腕のチェーンソーをBMD-A01背中に向けて振り回した。が、その時すでにBMD-A01の姿はそこにはなかった。

 WZ01はチェーンソーの重量にふられてバランスを失い、よろめく。

ドッスーン。

そのままアスファルトに向かって倒れた。振動が高架橋を揺らした。


「みろ。転んでもなんともない。WZ01の装甲は刀なんぞではびくともせんわ」

自慢気に話す男に向かって陣野真由は告げた。

「ゲームオーバー。機体が衝撃を吸収しないとなると、中のパイロットは脳しんとうをおこしているわ」

陣野真由は立ち上がって会場を後にした。

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