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バイオメタルドール  作者: 坂井ひいろ


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M02-03

「水中での戦闘は陸上とは大きく異なります。振って使うような大型の刀は水の抵抗を受けて減速してしまいます。基本的には使えません。接近戦では抵抗の少ない小刀かやりを使います。また『カイラギ』が『サースティーウイルス』を放出したとしても空気中と異なり拡散のスピードが弱まるため、水中銃やモリと言った武器で戦闘能力を削ぐことも効果的と考えられます」

園部志穂そのべしほはディスプレーに水中戦闘用の武器を映しながら説明していた。神崎彩菜かんざきあやなの頭が上下に揺れている。

「ちょっと神崎かんざきさん。聞いていますか」

神崎彩菜はあくびで答えた。

久我くがくん。お願い」

園部志穂の許可を得て久我透哉くがとうやは白いつえで神崎彩菜の後ろから右肩を強くたたいた。

バシッ。

つえはほどよくしなって彼女の肩に食い込んだ。

「いってー」

神崎彩菜は右肩をおさえながら、振り向いて久我透哉に向かってベロを出して見せた。

「ひー。ほんと手加減なしだな。でもまあおかげて目が覚めたけど」

久我透哉と陣野修じんのしゅうは無言でディスプレーを見つめている。

「みなさんなら武器の扱いはすぐになれると思いますが、問題は戦闘をおこなう態勢です。体を横にして泳ぎながら戦うことになります。前方の敵に対しては頭上で小刀を振ったり銃を向けたりすることが求められます。この場合、脚部や腹部を狙うのはもとより首元や背中を攻撃するのが非常に困難です。狙うべき的も小さくなります。柔道や合気道などの投げ技は役に立ちません。パンチやキックなどの打撃系の攻撃も水の抵抗でほとんど効果がありません。また、海中では重力に支配された地上とは異なり、前後左右だけでなく、上下からの戦闘にも気をつかわなければなりません。地上戦ではまず考えられない下からの攻撃には特に注意が必要です」

園部志穂は説明しながら、久我透哉には360度の視界があり、陣野修と神崎彩菜は人間とは思えないアクロバティックな戦いが得意なので、この三人には当てはまらないかと思って続けた。

「では、実戦的な戦い方と武器の使い方を説明します。『バイオメタルドール』の背中には呼吸器官があります。この呼吸器官は水中から酸素を取り込むエラの働きをするので、酸素ボンベなどは必要ありません。つまり、溺れると言うことはありません。また、呼吸器官に大きく水を吸い込んで勢いをつけて吐き出すことで水中での推進機関として利用できます。推定ではイルカ以上のスピードが出せます。ただし、『カイラギ』も同じ条件であることは忘れないでください。彼らの方が水中生活が長いので泳ぎで勝てるとは思わないでください」

「イルカだって。資料映像でしか見たことない」

説明に飽きた神崎彩菜が後ろを向いて話をそらそうとする。すかさず久我透哉のつえが彼女の左肩にはしる。

ビシッ。

「もう。わかりました」

神崎彩菜はふくれっ面をして前に向き直った。園部志穂は二人を見ていいコンビだとほほえましくなった。しかし、すぐ隣で人形のように身動き一つせずに前を見すえる陣野修を見て心が沈んだ。

「『バイオメタルドール』は小刀を二つとモリとしても使える水中銃を装備させます。水中銃の弾は装着済みカードリッジに12本。予備のカートリッジに12本です。基本的には相手の機動力を落とすことにしか使えません。小刀を使って『カイラギ』の首を取るか、背中の呼吸器官を切り落としてとどめをさすのが原則です」

園部志穂はディスプレーの電源を切って告げた。

「では。これより実践訓練をおこないます」

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