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バイオメタルドール  作者: 坂井ひいろ


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K02-03

「遺伝子鑑定の結果が出ました。陣野修じんのしゅう宮本修みやもとしゅうと100パーセント同一人物です」

山村光一やまむらこういち野島源三のじまげんぞうにつげた。野島源三のじまげんぞうは眉にシワを寄せた。

「知ってたんですか」

「確証はなかったが、疑ってはいた」

野島源三のじまげんぞうは昔話をするように静かに語り始めた。

「10年前、俺は警視庁である事件を追っていた。これでも昔はキャリア組でな」

「えっ。野島さん。キャリアだったんですか。そんなエリートには見えませんが」

山村は髪の薄くなった野島の顔をマジマジと見つめた。

「バカ。顔は関係ない。なんども言わせるな」

「その事件と言うのが『人間の細胞を使ったクローン実験が未許可で行われているのではないか』と言うものだった。当時、人間の細胞を使った実験は移植用の臓器を作るなどの医療的目的以外は禁止されていた。人間そのものを作り出す、クローン実験は世界的に禁止され、重犯罪にランクされていた」

野島源三は一呼吸して続ける。

「警視庁は多能性幹細胞などの再生医療研究をしている人間をリストアップして行動を監視していた。そのリストの中の一人が宮本真由だった。当時、彼女は准教授で指導教授の言うことを聞かずに、勝手な研究を進めるやんちゃ先生でな。まあ、才能があったんだろうな。ほどんど家に帰らずに研究に打ち込んでいた」

野島源三はポケットからタバコを取り出して火をつけた。

「そんな時に事故がおきた。彼女の旦那と息子が海で遭難した。事件の知らせを受けて泣き叫ぶ彼女の声は今でも耳に残っている。事件の後の彼女は何かにとりつかれたかのようだった」

野島源三の手に持ったタバコから灰がポトリと机に落ちた。

「警視庁は彼女が死んだ宮本修のクローンを作っていると疑った。俺たちは内偵捜査をすすめ、彼女の試験室に踏み込んだ。しかし、証拠はなに一つ見つからなかった。それから半年後、『カイラギ』が出現し、彼女は軍に召集されて捜査は打ち切りになった」

「じぁ。やはり陣野修は宮本修のクローンなんですね」

「間違いないだろう」

野島源三はポケットから携帯用の吸い殻入れを取り出して、火のついたままのタバコを投げ込んだ。

「陣野真由は危険を冒して生き返らせた息子を、なんで『バイオメタルドール』のパイロットにしたのでしょうか」

「そこがわからない」

「そうですね。納得のいかない話ですね」

「なあ、山村。『カイラギ』は軍が作ったのではないかと以前話したが、秘密はそこにあるんじゃないかと俺は思っている」

野島源三は椅子から立ち上がって山村光一に告げた。

「山村。陣野真由に会いにいくぞ」

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