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プロローグ
僕の両親が亡くなった。
原因は交通事故による事故死であった。僕のお父さんとお母さんは夕飯の食材を買いに外に出かけたはずだった。
だが、そこで信号無視のトラックの追突に巻き込まれて父さんも母さんも死んだ。
警察から身元確認の電話を受け取ってその事件を聞いたとき、一瞬何が起きたか分からなかった。嘘だと思いたかったし、イタズラ電話だと何度も信じていたが。
僕が病院に駆けつけた時は既に両親二人とも息を引き取っていて、あっという間に事件の方も解決に向かっていた。
僕はこれから何をしていけば良いだろう。
そう思った。
そして、ふと思った。
もしかして、自分が医者だったら父さんも母さんも死なずに済んだのではないだろうか。
僕は馬鹿だ。だから、こんな考え方しか出てこないし、勢いで決めたことだけどやってやる。
「国立の医学部に入る」
その目標に辿り着くため僕はどうすれば良い。
いや、考えている暇なんかない。とにかく勉強をしなければ。
こうして、静かに僕の勉強人生がスタートするのであった。