お前という光を今
残酷描写あり
俺には才能がなかった。特にこれと言って得意なこともないし、特出したものも無かった。
町の人に何と言われようと、仲間の誰にいくら褒められても、俺はそれに自信を持てなかった。――でも今なら言える。
友情は、確かにあった。
「痛い」
重い瞼を開けた先にあるのは、遥か遠くに見える空と地面だった。体中が悲鳴を上げている。それなのに、ピクリとも動かない。空気が熱く冷たい。
俺はその時、幼いながらも死ぬのだと悟った。
お父さん、お母さん、村のみんな、いじめてきた奴ら、そして――あいつのこと。
十数年という短い人生の走馬灯。ただただ死にゆくだけなのを、悔やむことしか出来なかった自分が、どうも悔しかった。
俺に、魔法が上手に使える才があれば。
俺に、奴らを懲らしめられるだけの力があれば。
俺に、勇気があれば。
それだけで、今がどうにかなったかもしれないのに。
頬の火に雫が落ちる。今だ微かに残る触感がうざったく思えた。拭える手さえも、今は無価値だというのに。
「あぁ、悔しいな。悔しいなあ……」
「――ディーナ!」
諦めて目を閉じようとしたとき。懐かしい、それぢて安心感のある声が聞こえた。俺より力強くて、元気で勇気のある、親友の声。
「カ……ル?」
「あぁそうだ! もうすぐ村の人が来る、それまで耐えろ!」
暗く、沈む土に中で、白の明かりが見える。本当にこいつは、わかりやすい。それでも、段々と薄れていくこいつの声に、俺は手を伸ばせなかった。
「おいディーナ! ……ディーナ! 目を開けろ……!」




