私の日常
私の大罪を聞いてくれるかい?
帰宅後の私の楽しみはアバターSNSだった。
仮想空間の中で、顔も本当の名前も知らない人と話すのは現実よりよっぽど楽で私はこのゲームに依存していた。私は長いことやっていてフォロワーも多かったし、信頼できる友人も沢山いる甘えた世界を作っていた。
おかげで私は家や学校での嫌な出来事はすぐに呟くようになってしまった。
ある日私がいつも通りゲームを開くと通知がきていた。ある女性からのフレンド申請だった。私はある程度仲良くなってからフレンドになると決めていたが、プロフィールを見ると私と趣味が似ていることに気づいた。私は申請を許可して、彼女に声をかけた。
【こんにちは、フレンド申請ありがとうございます。僕の名前は山本うさぎです。よければお話ししませんか?】私はテンプレートの様に話しかけた。ここできっと君たちは疑問を持つんじゃないだろうか。一人称が僕であることに。
仮想空間の世界で性別を変えるのはよくあることだ。私は自分が好きじゃなかったため、性別も、性格も全て反転したもう1人の自分を作っていたよ。
少しして返事が来た。
【こんばんは!ぜひお話ししたいです。前々からうさぎさんのアバターのセンスが大好きでした】ベタな褒め方だと思ったが、正直こういうのは嬉しい。【ありがとうございます。タメ口OKでしょうか?】嬉しくても大袈裟に喜ばず、冷静を装って会話を進めるのがこのゲームの中の私だ。【はい!もちろん!話せるなんて夢みたい!】彼女は…私とは逆だな。明るくて、きっと周りに恵まれてる子だろうと空想を広げていく。それからも彼女とはよく話すようになった。彼女の匿名は、ぼぶと言った。
【今日は父に怒られてしまった。苦しい】
私は嫌なことを呟いては慰めてもらうのが好きだったからさ頻繁にそんなことを投稿していたよ。1番最初に慰めてくれるのは、
ぼぶだった。
【話聞くよお兄ちゃん。】
ぼぶはとあるきっかけで私の妹としてこの仮想空間で生きている。
【いつもありがとう。ごめんね。
でも大丈夫だから…おやすみ。】
思わせぶりな言葉を放って相手に私を執着させる。自分でも思うが、なんともクズな人だろうと思うよ。
彼女と話して、一年たったころだったかな。
私の家庭環境は正直ゴミのようだった。
【もう疲れた。父の虐待に耐えられない。】
こんなことを毎日呟いていたら、フォロワーも減っちゃってさ、余計に心が痛かったなぁ。
まぁここまでは良かったんだ、いつも通りゲーム内は変わらなかった。
ある時、なにを血迷ったのかさ、
覚えてないがね
【死にたい】そう呟いてしまった。
バカだよな本当。
そう思うよ。
その時さぼぶが話しかけてきてさ
【無理に死なないでなんて言わないけど、苦しかったら死んでもいいけど、私にはお兄ちゃんが必要だよ。】
嬉しかった。今まで現実で死にたいと親友にぼやいても【死なないで】ばかりだったから。だがその時の私は、彼女のそんな優しい言葉を分かってやれないほどまだ青二才だったからか【耐えられるわけないよ。苦しいんだよ。ぼぶには分からないだろうね。】と最低な言葉を述べた。
返事は来なかった
これはまだ、最初の話




