81.決勝戦
3組女子は順当にリーグを勝ち上がり、決勝戦に進出した。
「相手は、やっぱ予想通りだね」
「うん」
壁に貼られたスコアボードをみながら頷くナギとサツキ。2試合ともストレートで勝利をしたアリサとマオ擁する6組が決勝へと駒を進めていた。
「やっぱ強敵だね」
「試合ちょっとだけみたけど、連携も取れてるし攻撃のパターンも多かったね」
6組は運動部が他のクラスより多く、運動部でないアリサやマオも動きは軽やかで守備も硬い。
「でも、だからって負ける気はないよ」
「うん、絶対に勝とうね」
二人の心に火が灯った。
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「向こうは、サツキちゃん達のクラスが勝ち上がったみたいだね」
舞台の袖で点数表などをまとめながら静かにアリサが呟いた。
「うん。チームワークも良さそうだよ。生徒会としては、大会の雰囲気を盛り上げてくれるからすごくありがたーいクラスだよ」
マオはうんうんと頷く。生徒会として大会が盛り上がっているのが喜ばしいようだった。
「でも、だからって負ける気はないよね」
静かに笑うアリサ。だが、その目には沸々と闘志のようなものが燃えていた。
「当たり前だよ!男子は負けちゃったから、女子は絶対優勝しよう」
マオも拳を握りながら、闘志を漲らせていた。
「雪村、五十嵐。お前ら試合あんだろ?ここの仕事は俺がやっとくから行ってこいよ」
同じく生徒会の青山るいが二人に声をかける。るいのクラス5組は残念ながら負けてしまった。
「ありがとう、青山くん。じゃあお願いしていいかな?」
「おう、任せておけって」
大袈裟に胸をポンと叩くるい。明るく接しやすいが割と抜けているところが多いので、完全には頼りにできない。
「じゃあ、いこっかマオ」
「うん。お願いね青山くん」
るいは軽く手を挙げて作業に入る。二人はクラスの方に合流して作戦会議を始めた。
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メインコートでは男子2組と4組の決勝戦が行われている。クラス関係なく、熱い試合にみんなは大盛り上がり。試合の残っている3組の女子と6組の女子だけが最後の作戦会議をしていた。
「基本的には、いつもの作戦で行こう。みんなで絶対に勝利を勝ち取るよ」
「おーー!」
サツキが立ち上がり拳をあげると、みんなもそれに続いて掛け声をあげて立ち上がった。
「3組は手強いけど、絶対に勝とうね」
「うん。みんないつも通りに動いたら絶対に負けない。……絶対に勝とう」
6組もまた作戦が決まったようだった。
「それでは、Aコートにて女子の決勝戦を行います」
舞台の上から司会の放送委員の声が響く。二チームがコートに整列する。
「よろしくお願いします」
お互いが一礼をする。
いよいよ決勝戦、スタートだ。