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24.日々精進、日々鍛錬

放課後、いつものようにナギはサツキと一緒に帰っていた。

「ねぇ、サツキ久しぶりにカフェ行かない?」

「えっ、あぁ……ごめん今日は用事があるからさ。また今度にしよう!」

「そうなんだ、わかった……」

ナギはしゅんとし、少し暗い声で呟いた。最近はもののけとの戦いにテスト勉強があったためサツキとはなかなか放課後に遊びにいけていない。ナギ自身も突然の用事で帰ってしまうことが多かったので、仕方ないと思いいつも、サツキといけないことは残念だった。

「……じゃあ、帰りにクレープでも買ってかない?それくらいの時間なら大丈夫」

「…ほんと?じゃあ行こう!」

暗い顔をしているナギをみて、サツキが誘った。用事というのは嘘で、本当のところはサツキもナギと遊びに行きたいとは思っている。サツキもナギと一緒にいる時間は楽しくて好きな時間だが、それ以上に最近のナギの疲れている姿を見て少しでも休んでほしいと思っていたのだった。


「久しぶりにクレープも美味しいね」

「そうだね。ねぇねぇ、一口ちょうだい!」

「いいよ、そっちのもちょうだい」

二人はお互いのクレープを分け合い、味の比べ合いをしながら楽しく帰っていった。


ーーーーーーーー

「お帰りなさい。ナギ。」

「ただいま、霞。」

玄関で霞が笑顔で迎えてくれる。初めてあった頃に比べて霞はだいぶ笑顔を見せてくれるようになっていた。

「お勉強ですか?頑張ってくださいね」

「うん」

ナギは自分の机に向かい教科書を広げて宿題を始める。もののけと戦う使命もあるけど、ナギは高校生なので勉強が本分だ。

「難しそうですね……」

霞がひょこっと後ろからナギのノートをのぞいてくる。

「そうだね……なかなか。小さなもののけを倒すくらいは難しいかもね」

ナギは少し冗談めいた口調で言う。霞は驚いて両手で自分の口を塞いだ。

「そ、それは大変ですね。勉強のお手伝いができればナギの役に立てるかなって思ったんですが……」

「ふふっ、気持ちだけで嬉しいよ。霞はいつも掃除してくれたり鍛錬のやり方も教えてくれるてるし、それだけで十分助かってるから」

ナギが振り返りながら笑顔を見せると、霞も笑顔になった。

「そうだ、ノートは足りてる?」

「はい!今のところは大丈夫です。」

霞がもののけとの戦いの記録や日々の中で学んだことをまとめるためにノートを買いに行きたいと言っていたので、文具屋さんに連れて行ってあげた。霞は鉛筆に消しゴム、色ペンを買って毎日何かを書いていた。

「霞もいつも一生懸命勉強してるもんね」

「はい。日々鍛錬と勉学を怠っては様々なことに対処できませんから」

霞はその言葉通り毎日鍛錬を行い、もののけとの戦いをまとめて対策などを考えている。それだけでなく、ナギの手伝いをしようと料理のやり方をナギに聞きまとめている。ただ、かなーり不器用なので料理はまだまだだった。

「では、私はもののけについてまとめてきますね」

「うん。宿題が終わったら反省会をしなきゃね!」

「はい。一緒に対策を考えていきましょう。その前にシロちゃんとベニちゃんにお水をあげなくては。」

霞が嬉しそうに両手を胸の前でグーにして言った。もののけの戦いが終わった後の方が冷静に状況を分析できるので、次のもののけとの戦いに生かし成長できる。元々は霞一人やっていたが、最近はナギも霞の話を聞いて一緒に振り返っている。霞も誰かと話したほうが頭の整理ができて良いらしい。ナギもまだまだ分からないことだらけなので、振り返ることで霞からのアドバイスを聞けたり動きの確認などができて丁度いい。それに、霞と真っ直ぐに話せることは嬉しかった。

「さぁ、私も頑張ろっと」

ナギは再び机に向き宿題に取り掛かる。

ーその時

「あれっ……これって」

残り2問になった頃、頭の中に不穏で嫌な気が流れてきた。

「ナギ!」

「霞、早く行こう!」

ナギはノートを閉じ、急いで上着を羽織ると同時に玄関へと駆け出した。そして、もののけ退治へとまた向かっていく。

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