キチガイ小説 2
〜死の未練〜
「私はこれから幸ある人生を送るの。全ての悩みが解決したし。これで全部解決よ!」
「ほう、そうなのか」
「やっぱり人生って素晴らしいわ」
「そうかね?」
「そうよ」
「なら聞くが、だったらどうして自殺したんだ?」
「・・・・・・」
END
〜出来事?〜
「人間の生涯で起こる出来事って、宇宙規模で考えたらこれぽっちの事なんだよね」
「そうだね」
男はそう言うと、持っていた金属バットで女の後頭部を殴りつけた。
「な・・なにを・・・・」
「人が死ぬなんて宇宙規模で考えたらこれぽっちの出来事なんだろ?」
END
〜予期せぬ出来事〜
「人間て本当にいつどこで死ぬかなんて分からないよな」
男は殺人事件が起こった事を伝えるニュースを見ながらそう言った。
「そうね、誰に恨まれているか分からないし」
「だよな」
しばらくすると女はおもむろに脱ぎ始めた。
「ど、どうしたんだ?」
「そういう気分になっちゃった。貴方、来て・・・・」
「あ、ああ・・・・」
男が女に重なると、女は背中に忍ばせたナイフをそっと握り締めた。
END
〜極彩色の絵〜
「素晴らしい絵ですね。こんな鮮やかな紅い月は見た事がない」
「お褒めに預かり光栄ですわ」
「パステルカラーでこのような色が出るのですか?」
「ええ、出ます。でもそれだけじゃここまで鮮やかな色は出なくってよ」
「一体何を使っているんですか?是非知りたいです」
「そう?じゃあ特別に教えてあげましょう・・・」
女の後ろにある部屋で、身体のほとんどの血液を抜き取られた妹の眼球が、音も無く転がった。
END