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2話

ここまでは書き溜めたやつ

『それで、まとめるとコージは他の世界から来ていてその世界では私がおとぎ話の主人公で?元に戻る方法もなぜこうなっているのかもわからないと。』


「まぁそういうことだな。」


深いため息がつい口から漏れる。


『こんなんどうしろってのよ…』


「うーん…まぁとりあえずシスターマリネッラ?が怒るらしいから下に降りねぇとやべーんじゃねぇの?」


『あ!そうじゃない!忘れてたわ!!コージ急いで!』


「お、おぅ…」





**********






「遅いですよアイビー。」


「ご、ごめんなさい…」


「早く席に着きなさい。みんな待っていますよ。」


「は、はい…」


そう言われたのにコージは何故か席に向かわないでもじもじとしている。

なんだあれ気持ち悪いな…


「ぃ…おいってば…俺の席どこだよ…!」


あっ、忘れてた。


『え、あ、一番右の列のこっちから3番目!』


ここの孤児院はなかなかの大所帯で食堂には12人も座れるテーブルが3つ並んでいる。


最盛期にはこのテーブルでも足りないくらい人がいたそうで、神父様は平和な世が続いているというのは良いことだと口癖のように言っている。


「「天におわします我らが神に今日も感謝を捧げます。」」


「えっ、なにこれ…宗教…?」


ここは教会ですがなにか?



『食前のお祈りよ!ほら、口動かしてるフリでいいから!』


コージに教えなくてはいけないことはまだまだ多そうである。


『私がギルドの職員になるために…』



「え、聖女になんなきゃ人類文明は滅ぶし人類全員魔王の家畜&奴隷コースだぞ?」




コージの声が食堂に響いた。


『やっば』



「…Msアイビー?今なんと?」


シスターマリネッラが怒りに声を震わせながら問う。


まずい。とても、まずい。


彼女は超がつくほど厳格な信仰の人であると同時に聖王様のシンパである。

そんな彼女にとって何故魔王というワードが禁句なのか。

魔王の出現とはすなわち聖王様の治世に翳りがあるということであるからだ。

現人神、正しく神のご意向そのものであらせられる猊下にケチをつけるなど、ということなのだろう。


以前チビたちが魔王と勇者ごっこなるものをやっていたときは雷が落ちた。

小さい子の遊びにまでそんなムキにならなくても…と仲裁に入った神父様までもが正座させられ3時間にわたる説教が行われた。


すでに彼女の背後にはメラメラと燃える地獄の業火が幻視できる。

死亡まであと30秒といったところだろうか


「いや、だから」


あろうことかこの馬鹿(コージ)は怒り心頭の彼女に反抗するようだ。命が惜しくないのか。


って、私の命じゃん!!!


『バカ!!今すぐ謝って!ほら早く!!』


「えっ、あ、申し訳ございません?」


「…えぇ、そうでしょうとも、私の聞き間違いですよね?」


「はい!もちろんです!!」


寸でのところで爆発は免れた…と思いたい。




「…それで、Msアイビーは聖女になりたいのですか?貴方は今まであれほどギルド職員試験を受けるために努力してきたでしょうに。」


シスターは聖王ガチ恋信者なだけではなく元は良家のお嬢様だったようで女性ながら勉学に長けている方だ。


私は夏も冬も嵐の日だってボロッボロになった本を片手にシスターの部屋へ通い詰めたし内申稼ぎに院のお手伝いもこなした。


「聖女というのは言うまでもなく立派な仕事ですし、この私も元は聖女に憧れ教会の門戸を叩きました。しかし、残念ながら目指して努力を重ねればなれるものでもありません。」


『そうよ!聖女様なんて毎年200人はお嬢様方が応募して30年に1人選ばれればいい方なのよ!時間の無駄でしかないわ!』


「選ばれし乙女くらいにしかストーリー作ってなかったんだが、そんな設定になってるんだなぁ。アイビーちゃん夢見過ぎだろ草。」


『草ってなによ!意味わかんないけどむかつくから殴らせなさい!!』


「アイビーちゃん結構なお姉ちゃん気質じゃねぇか!うわぁ、姉貴を思い出す…」


『とにかく!私はギルド職員になって楽しく生きるの!こんな湿気たとこで一生を終えたくないわ!』


「魔王が復活すればもれなく人類全員湿気た地下での洞穴でカビたパン食って生きることになるけどな。」


「ま、お、う…?いま、そう聞こえた気がしたのですが…?」


小声で話してたのに!!

地獄耳にもほどがあるんじゃないだろうか。


『逃げるわよ馬鹿(コージ)!』


「いえ、何も言ってません!ご馳走さまでした!!」






**********




「いやぁ、どこの世界もガチ恋勢はおっかねぇなあ」


『あの人の机の中、出される予定の無い聖王様へのファンレターでぎっちりだから…』


「いくら神に操立ててるシスターたちのアイドル的存在だからってなぁ?」


『別に婚姻できないとかないわよ?』


「あちゃー…本人の要因でしたかぁ…」


『行かず後家って言葉も禁句よ覚えときなさい』


「しかもで本人気にしてんの?!信仰に生きるわけじゃないのね、案外俗物…」


『まぁほら、人間誰しも幸せを追い求めたいもんでしょ』


「うんうん、まぁその幸せもアイビーちゃんが聖女になって魔王ぶっ飛ばさないことには生理的欲求が満たせる幸せの最上位になっちゃうんだけどね」


『…まだその与太話する気?』


「与太話言うな!マジだから!大マジ!」



昔の自分は何を書こうとしていたのか

我々は答えを求めてアマゾンの奥地に…

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