ミロッコヨーグル
悪魔の契約
名の通り、時に自分を死に至らしめる程の恐ろしい力を秘めた契約
それに伴う大きな代償
ある中二は考えた
寿命を削る代わりに死のノートを貰える物語を
ある中三は考えた
自分の中に強大な狐の力が眠っていることを
ある中一は考えた。
血の代償に吸血鬼の力を得ることを
そして、ある小五バカガキは小さな脳みそを使って考えた
悪魔の契約を-
交わした十人の少女
一人は画家を
一人は漫画家を
一人は小説家を
一人は作曲家を
一人は歌手を
一人は女優を
一人は声優を
一人は配信者を
一人はプロアングラーを
一人はプロギャンブラーを目指した
その十年後
社会に出れたものはそれを悪魔の契約と呼び、
半ニートと化した者は神の契約と呼んだ。
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《ファミリーメンバー》
茜 画家志望、絵を描くのがとにかく好き、今はイラストレター、悪魔の契約
葵 漫画家志望、茜の妹、ナマケモノ、神の契約
楓 リアル小説家、基本穏やかで優し気、悪魔の契約
夏芽 作曲家志望、曲に対する愛が強く世にはほとんど出さない、神の契約
桜花 歌手、一番強そう、穂乃果とは幼馴染、悪魔の契約
凛 元女優、オールウェイズ無表情、半分悪魔の契約
霞 声優志望、初対面は極限状態、割と頑張り屋ではある、半分神の契約
沙良 配信者、そこそこの、バカガキ筆頭、半分悪魔の契約
レイ 諸悪の根源であり、ニート筆頭、全能神の契約
穂乃果 ギャンブル好き、実家が金持ち、自由気ままに、一応契約
ファミリー契約
ファミリーメンバーは夢に向かって努力する事
でも無理しすぎない事
困ってるメンバーは必ず助ける事
誕生日は必ず全員が祝う事
夢が叶った者、金銭的に優位にある者は、その他メンバーを支える事
またその他メンバーに当たる者は、その他家事など負担し、互いに支え合う関係である事
以下とりあえず今は省略
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窓辺に寄り添う一人の女、その名はレイ。
『風が泣いてる。
台風が過ぎ去った空は、雲の間から光が差しているのにも関わらず、
どんよりとした空気を帯びていた。
そう、まるで私の心を映しているかのよう-
『いや少なくとも、ミロッコヨーグル片手に急に語り始める女の心の内なんて花畑だろ。
そんな奴に黄昏られる空の身にもなってみろよ。見ろよ、空が泣いてんぞ。』
急に激しい雨が降り出した。
『ちょっと男すぃ~?空ちゃん泣いてるじゃん。』
『あんたこの子に何言ったん?』
『いや悪くないし!ミロッコヨーグル先に馬鹿にしたのそっちでしょ。』
『ちゃんと空ちゃんに謝って!』
『やだね。』
『謝らんかったらアンタの事一週間は無視するから。』
『いやなんだこの茶番。』
『というか駄菓子が好きなのってそんなに悪いか?じゃあお前らが好きなの右から順に言ってやるよ。
夏芽はポリモン、凛はオムライス、朱音はぬいぐるみ、だろ?
ガキじゃねえかお前ら。』
『何も知らねえ奴がポリモン馬鹿にすんじゃねぇ!!
小さい頃からポリモンマスターになるって決めてんだよォ!』
『オムライスがガキって全国のレストランに謝って、てかガキって言う方が大体ガキだから。』
『いやガキって言う方がガキっていう方がガキだろ。』
『いやガキっていう方がガキっていう方がガキって言う方がガキだから。』
『いや‐『しつけーよォ!もうみんな大人でもガキでもいいから、ただその流れ聞いてるとなんかイライラしてくるから辞めろォォ!』
『確かにこのままじゃ埒が明かない。』
『よーしじゃあ間をとって朱音がガキってことで。』
『『賛成』』
『よーし晩飯は抜きで良いんだなお前ら。』
『それはねえですぜ姉御!』
『それだけは勘弁して下せえ姉御。』
『ほらせんせー怒っちゃったから、みんなで謝ろ?せーの』
『せんせー、調子に乗って『『す い ま せん でし た。』』』
『なんでそういう時連帯感強いんだよ。わざとだろお前ら。
まあもういいわ、飯出来るし』
『何何?』
『オムライス。』
『『『やったぁ(よっしゃあ)〔キタァ〕!!』』』
『いやガキじゃねえか。』
『桜花?』
『ただいま茜』
『おかえり、今日は遅かったね。』
『まあ収録日はね』
『ご飯にする?お風呂にする?『それともア・タ‐
桜花はハイヒールを投げつけた。
『いやあぶなっ!あてる気だったよね今!何投げてるか分かってるの!』
『いやごめん間違えたわ、あと数十センチ右にずれてればな…当たったのに。』
『おい!』
『まま、それでどうする?』
『飯』
『りょうかい』
茜が出したのは、フワトロ卵にデミグラスソースがかかったオムライス。
『随分と美味しそうなオムライスだな。』
『そりゃどうも。』
『それでお前も飯食ってなかったのか?レイ。』
『いやずっとユアクラフトしてたんだよ。』
『まあそりゃあ、決して私が帰るの待って食べなかった訳無いよな。』
『うるさいなあ、早く食べろよ。』
『いや貴重なデレだと思ってね。』
『おい私が全部食べるぞ。』
『はいはい。』
『安心して、レイはアンタが帰るの待ってた訳じゃないから。』
『おい待て、何を-
『勿論本格的に歌手になって一年経ったからお礼がしたいって頼み込んで来てね。『ちょっ!』
このフワトロオムライスを作るの自分は下手だしってのを言い訳に恥ずかしいから全部私が作ったモンにしようとしてただけだから安心して。』
『ちょっと黙れエ!』
『・・・ありがとな。』
『いや嫌だァ!この空気、このなんともむず痒いこの空気!
だからあれ程内緒にしろって、目が温かいよ!
なんか子供の喧嘩を見る親戚のおじちゃんみたいな目してるよォ!
やめろ!』
『ごめんな、遅くまで待たせて。
でもお前のおかげで明日も頑張れるよ。
ありがとう。』
ぐはァ!
『やめてあげて(笑)。もうライフがゼロだから。』
『ふふっ。
それじゃあ頂きます。』
食後の三人雑談中
『でさあ、何かと思えばレイがね~
あれ、夏芽起きてたの?』
『これ、商店街のくじ引きで当たったんだよね。桜花にもあげる。』
そう言って蒸気のアイマスクを手渡した。
『ごめん、眠いからもう寝るね。』
微笑ましい目で見つめられたのが気恥ずかしかったのか、
夏芽は逃げるようにその場を去った。
アイマスク、それは、最近帰りが遅い私にぴったりの品だった。
『でさあ、隣の宇宙人がね~
あ、楓起きてたの?』
『小説書くの忙しくてね。
あとこれ、今日行ったところのお土産。』
イチゴを手渡した。
『あ、小説の続き思いついた♪』
そう言って、やや足早にその場を去った。
それは、桜花の一番好きな果物だった。
『でさあ、隣の刻みしょうががの香りがね~
あれ、霞起きてたの?』
『いやちょっと、帰りに良いなあって思って買ったんだけど、
やっぱり要らなくて、桜花にあげる!要らなかったら捨てて良いから!』
モン殺のフィギュアを手渡した。
『じゃ、じゃあ私もう寝るね~』
そう言って、足早にその場を離れた
それは、ただ霞が好きなゲームのフィギュアだった。
『でさあ、隣の葵とサヨリがね~
あれ、凛起きてたの?』
『これ、要らないからあげる。』
そう言って、消しゴムのカスを集めた練り‐
『ホンっとに要らねえもんじゃねえかァ!』
と言って、レイは机に頭を叩きつけた。
『懐かしいな』
『ガキネタしてたの数時間もまえだろうが』
一応、逃げるように去っていった。
『でさあ、隣のショウガと葵がね~
あれ、サヨリ起きてたの?』
『漫画書く事しか出来ないから。
こんなものしか渡せないけど・・・』
それは、茜×桜花と書かれたエr
ズンッ!
茜はKOパンチを手渡した。
葵は、崩れるように落ちていった。
『でさあ、隣のロトトがね~
あれ、沙良起きてたの?』
『これ、隣人に貰ったから桜花にもあげる。』
そう言って、ずんだ餅を手渡した。
それは、桜花の大好物だった、けど
『『なんで普通に良いもん持って来るんだよォ!』』
『ええ!何で?何で怒られてんの私。』
『普段一番オメーがボケてんだろうが。』
『てかタイミングが紛らわしいんだよ。』
『いやこういう時こそちゃんと感謝しなきゃダメでしょ。』
『腹立つけど正論だなア!』
『ぐうの音も出ねえよォ!』
『じゃあ何で叩くんだよ頭!
待って待って、まだあるから渡すもの』
そう言って、キングサーモンの切り身、やけに大きなたこ足、マグロの切り身を手渡した。
『どこの隣人から気まぐれにもらったんだよ!』
『はぁ~』
『途中から察してたけどみんな起きてんじゃねえか。』
『ふふっ、みんなありがとね。』
『あとこれ』
茜はお守りを手渡した。
『渡すタイミング見失っちゃったけどね。』
『ううん、ホントに嬉しい、ありがとう。』
『これで後は~...一人いたなまだ。』
『じゃあそれはあれか、あれをしたら来るってことか、一番の問題児が。』
『でさあ、隣の隣人がね~』
『おう?桜花まだ起きてたん?
ちょうど良かったぁ、ホントこれもう最後にするから
ちょっとで良いからお金貸してくんない?
大丈夫!次は三倍にして返-
K.O.
『今日はもう寝ようか』
『そ、そうだな!』
『一緒に寝よ!』
翌日、起きた桜花はいつものように外に出かける。
いつもと違う所と言えば、鞄に付けたお守りと、
何故か枕元に置いていたペンダントを身に着けて。
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ファミリー契約
基本自由に、背筋伸ばして生きる事。
自由に寝て、自由にボケて、自由に感謝して、自由に帰るために、
愛すべきバカといつも、仲良しである事。