プロローグ
初投稿。頑張ります。
ヒトの悪意に染められた弾丸が、俺の肩を少し抉った。
俺の目の前には、怒りなのか、喜びなのかわからない、独特な感情を表した人間がいる。
あいつがまた銃を撃つ前に、俺は距離を詰めるべく、地面を蹴った。
「はぁ……」
無理やりそう息を出すと、目の前の敵は再び引き金に力を込めた。銃口が火を噴き、悪意に染められた弾丸を放つ。それは俺の心臓を狙った一撃だった。いや、そうであったというべきか。
その一撃は、俺の目を狙ってきた。
「……そうゆうことか」
こいつ、目を通して俺が予測していることに気付きやがった。
面倒だ。だが、この部隊で最後まで生き延びたことはある。それに、そうでなければ面白くない。
「バ……バケモノがッッ!!」
敵は、そう言い放つや、さらに目を狙った一撃を放った。
しかし、そんなのが俺に届くわけがない。
―――だって全部、弾いてんだから。
俺は敵が放った計二発の弾丸を弾くと、敵は更に焦っている。
「な…あ…ありえないッ……!!」
そりゃそうだよな。普通の人間にはできない技だ。普通の人間が見たらそうなる。けど俺は普通の人間ではないのだから。
「う……ウワアァァァ!!!!!」
敵は恐怖によって狂気に陥ってしまった。
腰に差していたコンバットナイフを持ちながら走ってきた。
近接戦闘。
奴の剣技は四連撃短剣剣技マードレイス。
正に狂気狂乱。もう理性が残ってない。
だが、それもまた―――
「……美味しいから、いいんだよ」
そう言い放ち、俺は彼を殺した。
「ああー、痛ぇー」
俺は肩を抉った弾丸を取り出しながら、思わず口に出して感情を表していた。
腕時計の時間は午前二時。そろそろ帰らないと、目立ってしまう。
「ノルマは達成したし、帰ろうか」
誰も聞いてないけど、そう呟いた。
世界には、科学では証明できない不可解な現象がある。その中の一つが、魔法。
手から火を出したり、息を吐いて凍らせるなど、様々なものがある。
俺の能力を果たして魔法と言うのかは怪しいが、確かに凄い能力だ。
では、なぜ俺がこんな能力を身に着けたのか。
全ては一か月ほど前の、ある出来事だった。