買い物
予約投稿って気分いいけど、油断してしまう
「あ、そうそう。そういえば、ロシアの大統領からクレジットカードと、通帳、キャッシュカードを預かっているんだった。渡しておくよ。確か、毎年この口座に日本円にして大体二億円くらい振り込まれるらしいから。是非使ってくれと言っていたよ。ちなみにこのカードの存在は精霊王様は知らないから上手く使ってくれよ。」
はい?ロシアの大統領から⁉︎なんで?
「なぁ、なんでロシアの大統領が俺にそんな大金を出すんだ?」
そんな大金を貰っても俺には使い道がない。
ただでさえ日本から貰う二千万でも使い道に困るというのに、さらにロシアから二億とか絶対に余る。
「いや、実はな、ロシアの大統領が是非暑い夏はロシアに来てくれと言っててな。北方領土とかの問題も解決してないしで、日露関係は良いいです!なんていえないだろ?そんで、君がロシアなんか嫌いだ!とか何とか言ったりしたら、精霊王様が更地にしてしまうかもしれないから必死なんだよ。まぁ、要するに金はいくらでも出すから仲良くして下さいって事だ。二億で国が助かるなら凄く安いからな。」
大統領、苦労してんな。かわいそうに。
まあ、怒った時のノエルは怖いもんな。般若ですよ。
「分った。じゃあ、ありがたく頂くわ。」
そう言って封筒を受け取り、封を切ると中には数枚の書類と黄金のカードが入っていた。
「…ふざけとんのか、ロシアは。」
クレジットカードに当たるカードがおもちゃのカードとかなめてますな。
ちょっと、ロシアの大統領のところにお話に行く必要がありそうだな。
もちろんノエルさんもご一緒に。うふふ。
「うわっ!おまっ、これブラックカードだぞ!しかも一番高いViOa Infinite Exclisiveカードじゃないか。おいおい、マジかよ。このカード、ロシアの銀行でしか発行出来ないやつだぞ。」
え、この黄金カードってそんなに価値のあるものなの⁉︎
「お前、よかったな。普通に暮らしていたら絶対に手に入らないカードだぞ。」
マジかよ。
「高級レストランとか行った時とか、ロシアに行った時とかに使えばいいと思うぞ。後は、精霊王様に知られたくない買い物をする時とかな。」
なるほど。ってノエルに知られたくない買い物ってどんなの買うんだよ。
「まぁ、とにかく、ありがたく受け取っておくよ。ロシアにも近いうちに皆んなと行く事にするよ。」
*******
そんなカードを貰っていたんだ。
ノエルに知られたくない買い物とは?なんて思った俺よ、すぐにその時が来たぞ。よかったな。
まあ、そのカードを貰ったからこそ、こんなしょうもないパンピー高校生がテ○ファニーの指輪を買えるのだが。
本当なら何年も先になるところだったのだが。ロシアの大統領に感謝です。
そう思いながら俺は財布からあの黄金に輝くカードを出して店員さんに渡したんだよ。
まあ、見たこともないカードだからお店の人も可哀想だった。
その時のことを思い出す。
*******
「カードでお願いします。」
店員さんは受け取ったものの、舐めてんのかこいつ的な雰囲気を出しながら
「あの、このカードは何のカードでしょうか?」
「あ、クレジットカードです。」
え、何?まさか店員さん、このカードの事知らないの?マジで?
いや、まぁ、普通に生活してたら滅多にいや、下手したら一度も目にしないカードだからな。
「あの、この様なカードを見た事が無いのですが。本当にクレジットカードですか?」
店員さんが胡散臭そうなものを見るような表情で聞いてくる。
「そうなんです。上の人に確認してもらってもいいですか?」
そう言うと、店員さんは確認して来ますと言い奥に引っ込んで行った。
二分ほど待ちまだかなぁと思い始めだした頃、ドタバタとスーツを着た五十代くらいの男性が俺のところにきた。
「大変長らくお待たせして申し訳ございません。私は、ここの店長の佐々木聡太と申します。本日は当店をご利用頂き、誠にありがとうございます。」
うお!なんか店長さんが出てきた。このカードってそんなに凄いのか。
店長さんが、焦りすぎて何だか可哀想に思えてきた。
「今回はウチの者が大変失礼な事をしてしまい、本当に申し訳ございません。」
「いえ、特に気にしてませんので。大丈夫です。それと、支払いの方ですけど、そのカードで大丈夫ですか?無理そうなら、もう一枚別のカードがあるのでそっちにしますけど。」
少し気になっていた事を聞いた。このカードはロシアの大統領から貰ったものだから、日本では使えないのかもしれないし。
「いえいえいえ、大丈夫でございます。では、会計に移らせて頂きます。お支払いはこのカードでよろしかったでしょうか?」
「はい。」
でも、さっきの店員さんが見当たらない。いや、余計な事には首を突っ込まないでおこう。
「お支払い方法はご一括でよろしいですか?」
もちろんだ。
「はい。大丈夫です。」
「では、こちらにご署名をお願いします。」
俺は、差し出されたレシート?にボールペンで自分の名前を書き込んだ。
「はい。これでいいですか?」
「はい。結構でございます。本日は当店をご利用頂き、ありがとうございます。それと、こちらが控えとなります。来週以降にお越し下さいませ。」
俺は店長さんに差し出された控えを受け取り、財布にいれた。
「分かりました。では。」
「かしこまりました。またのご利用をお待ちしております。」
俺は店長さんのそんなセールストークを背に店をでて家に帰った。
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イハラは、はねてよろこんだ!!