再会2
こんばんは。今日からまた一週間が始まります。
いやだー
車に揺られる事約三時間。めちゃくちゃ広い更地の前に車が停まった。
公園の芝生の広場ですか?ってくらいでかい。
うそ、それよりもひろい。てか、途中から森なんだが。
なんでこんなところに?意味が分からない。
「ここが、これから君たちの暮らす家が立つ場所だ。勿論、売りに出ていた土地を購入した。今週末にでもここに行って家の間取りとか色々決めてくれ。この書類を渡せば向こうも分かる。あ、勿論、代金は国持ちだから安心してくれ。あ、そうそう、ここの土地、全部君名義にしてあるから。土地とか家関係の税金は払わなくていいし、引っ越すときとか色々手続きは言ってくれれば全部こっちでやっちゃうから。」
なんかスゴイな。
というより、このオッサンの喋り方がメッチャフレンドリーになってるんですけど。
「はぁ。分かりました。」
とりあえず、この土地の敷地面積が気になる。
「ところで、ここの敷地面積ってどのくらい?」
「大体5000万㎡だな。」
ん?今なんて?
「5000万㎡?広すぎやろ!てか、広すぎて、どのくらい広いのかわからんわ。」
衝撃が強すぎてパニックにならないんだが、、、
「うーん、関西国際空港が5個分くらいだな。分かりやすく言うと、あの山ももう君のものだぞ!良かったな!」
「何がだよ!アホみたいに広いじゃねえかよ!ばかじゃねーの⁉」
おい、メッチャ広いやん!
いや、確かに見た目からしてかなり広そうなのは分かってたけど、こんなにとは。
「いやいや、精霊王様に私達にふさわしい相応のものを用意しろなんて言われたらね。本当はここまで広い予定じゃなかったんだけと、自然豊かな土地は必須と言われて、ね?後は、これから増える事を見込んでのこの広さだよ。安心してくれ。」
そういう事ですか。そんなに増えないと思う。まず第一に、そんなに増えたらヤバいやつだよ。
というより、あんたにそんな事考えて欲しくなかったわ!
「ところで、ノエル達は?」
そう。今まで一度も会っていない。このオッサンと一緒にいるって言ってたのに、いないのだ。
「ああ、お二人は買い物へ行っているよ。後、これが通帳とキャッシュカードとクレジットカードだ。この口座に毎年二千万が振り込まれる。その金は自由に使ってくれ。今年の分は既に全額振り込んである。クレジットの方は月、二百万まで使えるからな。」
「分かった。ありがとう。」
用意が早すぎる。というより、今年も後三ヶ月しか無いのに二千万貰えるとかラッキーだわ。
なんか、許容できる以上の衝撃ばかりで逆に冷静になった。
こう、すんッて。
「後、お二人が帰って来るまで私も一緒に待っていてもいいかな?」
「なんで?」
「いや、もう一目見てからじゃないと帰りたくないからね。いいだろう?別に減るもんじゃあないんだし。」
また下心からくる発言したよ。
本当にこんな奴が首相でいいの?
「いいけど、俺のあんたに対する自重とか、遠慮とかが物凄い勢いで無くなっているんだけど。」
「ひどいな、おい⁈」
「当然だと思うぞ。」
あんなことを言う人間に遠慮とかしようと思う人いる?いないよね。
「まあ、いいや。そろそろ君の家に向かうぞ。そこで待ち合わせだからな。」
なんて事を言う。え、じゃあなんでここに来た。
普通に書面で全部説明してくれたほうが良かったと思うんだけど。土地の把握とかもしやすいしさあ!
「わざわざここに来なくても書面で説明してもらったほうが良かったんだけど。」
「いや、実際に見たほうが分かりやすいかなと。まあ、そんなことは後だ。ちゃっちゃと君の家に行こうではないか!」
あ、こいつ、絶対建前を言ってるわ。
「で、本音は?」
「いや、少しくらいこうやって驚いてもらわんとやられっぱなしで嫌だった。」
うわ、ダルっ!
「めんどくさっ!」
なんて会話をしながら車に乗り込んだ。
*******
車に揺られることまたも約二時間。我が家のに着いた。
ねえ、やっぱり遠くない?
というか、俺ん家アパートなんだけど、三人で暮らすの少し狭いのだが。
早く家建ててもらお。
なんて考えながら待っていると、俺たちの乗っていた車と同じ車が来た。
「お、あれがそうだ。」
その車は俺たちの前で止まると、運転手が降りて後部座席のドアを開けた。そして、車の中からノエルと凪乃が降りて来た。
「主人、お久しぶりです。」
「パパ?パパなの?」
おお、我が愛娘が半泣きではないか。何とかしなければ。
「おう、パパだぞ凪乃。久しぶり。元気にしてたか?」
「パパだー!ひぐっぐすっ」
凪乃が泣きながら抱きついて来た。しかもダイブで。本来なら危ないと怒るところだが、今日は仕方が無い。ちゃんと受け止める。
「凪乃、会いたかったぞ。こんなに大きくなって。これからはずっと一緒に暮らそうな。」
「うん!ずっと一緒!」
この二年でこんなに大きくなって。パパびっくりだよ。
「ノエルも、二年間ありがとな。」
「いえ、あなたのようなアホ主人がいなくても特に困った事は無かったので。ただ、凪乃は凄く寂しそうでしたよ。最初の頃はいつも泣いてましたから。」
「そうか、ゴメンな凪乃。後、アホ主人ってヒドくね⁈」
「いえ、事実ですので。」
ノエルは相変わらず冷たいしヒドイ。俺って、君の主人だよね?
自分が本当にノエルの主人だという事に疑問を持った瞬間だった。
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